英語で5月を意味するMayの由来とは?ローマ神話の豊穣の女神マイアと水星を象徴する神であるメルクリウスとの関係

英語で5を意味するMay(メイ)という単語は、古代ローマにおいて5のことを意味していたMaius(マイウス)というラテン語を語源とする言葉であり、

こうした英語におけるMayや、ラテン語におけるMaiusという単語は、もともと、古代ローマにおいて大地の実りを司る豊穣の女神として位置づけられていたMaia(マイア)というローマ神話における女神の名前に由来する言葉であると考えられることになります。

そこで、今回の記事では、

古代ローマにおいて豊穣の女神として位置づけられていたマイアは、より具体的にはどのような特徴を持った女神であると考えられ、どのような理由からこうしたマイアと呼ばれる女神が5月を司る神として位置づけられるようになっていったのか?

また、こうした5月を司る神にあたる豊穣の女神マイアは、4月を司る神にあたる美の女神ウェヌス(ヴィーナス)や、3月を司る神にあたる軍神マルスとは、それぞれ互いにどのような関係にある神々として位置づけられていると考えられることになるのか?

といったことなどについて詳しく考察していきたいと思います。

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豊穣の女神マイアが5月を司る神となった理由とメーデーの由来

そうすると、まず、冒頭でも述べたように、

マイア(Maiaという名で呼ばれている女神は、ローマ神話においては、大地の実りを司る豊穣の女神として位置づけられていたと考えられ、

古代ローマにおいては、毎年51ごろになると、豊穣の女神マイアを祀って供物が捧げられたうえで、春の訪れと大地の豊穣を祝う祭りが開催されていたと考えられることになります。

そして、

こうした古代ローマにおいて、もともとは、大地の豊穣を願って51に祝われていたマイアの祭日が、

現代の世界においては、毎年5月1日に行われる国際的な労働者の祭典として位置づけられているメーデー(May Dayの由来ともなっていると考えられることになるのですが、

このように、

春に芽を出した植物たちが夏へと向けて急速に成長していき、秋の収穫期へと向けて大地の実りを願って生産活動が活発化していく時期にあたる5月の時期が、

こうしたローマ神話における豊穣の女神マイアが司る月として位置づけられていくようになっていったと考えられることになるのです。

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3月と4月と5月を司るローマ神話の神々と火星と金星と水星との関係

そして、古代ローマにおいては、

こうしたローマ神話における豊穣の女神にあたるマイアは、ギリシア神話における同名の女神とも混同されていくことによって、次第に同一視されるようになっていったとも考えられることになります。

ギリシア神話におけるマイアは、天空を双肩にのせて支える罰を課せられたことで有名な怪力の巨神アトラスの娘であり、

その後、成長した彼女は、ゼウスの寵愛を受けることによってキュレネ山の洞窟の岩屋のなかで、のちにオリュンポス十二神の一人に数え上げられることになる神々の使者を務める伝令神にして旅人と商人の守護神でもあるヘルメス(Hermesを産むことになります。

ちなみに、

こうしたマイアの息子にあたるヘルメスと呼ばれるギリシア神話の神は、古代ローマにおいては、ローマ神話におけるメルクリウス(Mercuriusと呼ばれる神とも同一視されていくことになるのですが、

ローマ神話におけるメルクリウスは、英語においてはマーキュリー(Mercuryと呼ばれていて、英語のマーキュリー(Mercury)は天文学の分野においては水星のことを意味するように、

こうしたマイアの息子にあたるギリシア神話におけるヘルメスや、ローマ神話におけるメルクリウスと呼ばれる神は、水星を象徴する神としても位置づけられることになると考えられることになるのです。

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以上のように、

ローマ神話における豊穣の女神にして5月を司る神にもあたるマイアは、ギリシア神話における同名の女神とも同一視されることによって、

天文学の分野においては水星を象徴する神としても位置づけられているヘルメスあるいはメルクリウスと呼ばれる神の母としても位置づけられることになると考えられることになります。

そして、それに対して、

こうしたローマ神話における神々と天文学の分野における惑星との関係においては、

4月を司る神にあたる美の女神ウェヌス(ヴィーナス)金星を象徴する女神、3月を司る神にあたる軍神マルス火星を象徴する神としてそれぞれ位置づられることになるのですが、

そういった意味では、こうした古代ローマにおける暦の中においては、

 3月を司る神にあたるマルス火星を象徴する神、4月を司る神にあたるウェヌス金星を象徴する女神、そして、5月を司る神にあたるマイア水星を象徴する神の母として位置づけられているというように、

345という順番で、火星金星水星という地球と関係性の深い惑星を象徴する神々が司る三つの月が並んでいく形で暦の中の月の配置が構成されていたとも捉えることができると考えられることになります。

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「英語の月の名前の由来」シリーズ記事の一覧

①英語で1月を意味するJanuaryの由来とは?
②英語で2月を意味するFebruaryの由来とは?
③英語で3月を意味するMarchの由来とは?
英語で4月を意味するAprilの由来とは?
⑤英語で5月を意味するMayの由来とは?
⑥英語で6月を意味するJuneの由来とは?
⑦英語で7月を意味するJulyの由来とは?
⑧英語で8月を意味するAugustの由来とは?
⑨英語で9月を意味するSeptemberの由来とは?
⑩英語で10月を意味するOctoberの由来とは?
⑪英語で11月を意味するNovemberの由来とは?
⑫英語で12月を意味するDecemberの由来とは?
⑬英語の1月から12月までの月の名前と発音と具体的な由来のまとめ

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次回記事:ジャガイモの品種のメークインの名前の由来とは?ローマ神話の豊穣の女神マイアとの関係と五月祭に登場するメイ・クイーン

前回記事:『ヴィーナスの誕生』で女神ウェヌスが海の上に立っている理由とは?海の泡から生まれたギリシア神話のアフロディテとの関係

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