ジャガイモの品種のメークインの名前の由来とは?ローマ神話の豊穣の女神マイアとの関係と五月祭に登場するメイ・クイーン
日本国内において栽培されているジャガイモの代表的な品種としては、男爵イモに続いて、メークインと呼ばれているジャガイモの品種の名前が挙げられることになりますが、
こうした日本語ではメークインと呼ばれているジャガイモの品種は、もともと、この品種の原産国にあたるイギリスにおいては、”May Queen”(メイ・クイーン)という呼び名がつけられていた通り、
それは直訳すると「五月の女王」といった意味を持つ名前がつけられたジャガイモの品種であったと考えられることになります。
そして、さらに、
こうした”May Queen”というジャガイモの品種のことを表す名前としても用いられている言葉は、
ローマ神話においてマイア(Maia)という名で呼ばれている大地の実りを司る豊穣の女神にまでその大本の起源をたどっていくことができる言葉であると考えられることになります。
ジャガイモの品種としてのメークインとヨーロッパの五月祭において町を祝福してまわるメイ・クイーン
日本語ではメークイン、英語ではMay Queenと表記されることになるジャガイモの品種は、日本国内においては、
1912年ごろの大正時代の初期にはじめてアメリカから輸入されたと考えられ、その後、1917~1918年ごろまでに北海道を中心とする地域において栽培が進められていくことになり、
冒頭でも述べたように、現代の日本においては、男爵イモに次いで多く栽培されている日本では二番目に広く普及しているジャガイモの品種として位置づけられることになると考えられることになります。
そして、
こうしたメークインと呼ばれるジャガイモの品種は、男爵イモなどの他のイモの種類とは異なりあまりゴツゴツしておらず表面が滑らかで、少し細長い形状をしていて、
煮くずれしにくいといった特性があるため、カレーや肉じゃがなどといった鍋で煮込むような料理に重宝されていて、
男爵イモと比べて少しねっとりとした食感があるものの舌触りは滑らかでほんのりとした甘味がるというように、どこか上品なイメージがあるジャガイモの品種としても位置づけられていると考えられることになります。
そして、
こうした日本語においてはメークインと呼ばれているジャガイモの品種の名前の直接の由来となった英語における”May Queen”(メイ・クイーン)という言葉は、
もともとは、ヨーロッパにおいて古くから祝われてきた五月祭において登場する白いドレスと花冠をつけた少女たちの姿に由来する言葉であると考えられることになります。
現代では、
毎年5月1日に行われる国際的な労働者の祭典のことを意味するメーデー(May Day)として有名な、ヨーロッパにおける五月祭は、もともとは、
春に芽を出した植物たちが夏へと向けて急速に成長していくことになるこの季節に、大地の実りを願って行われるお祭りであったと考えられ、
こうしたメーデーあるいは五月祭と呼ばれるお祭りにおいては、
メイ・クイーン(May Queen)といった呼び名で呼ばれる少女たちが、前述したような白いドレスと花冠をつけるといった疑似的な花嫁の姿に扮して町の中を練り歩いき、
こうしたメイ・クイーンと呼ばれる少女たちが手に持つカゴの中に、町の人々が野菜や果物といった贈り物を投げ入れて、少女たちはそのお礼に訪れた家々を祝福していくことによって、春の訪れと夏の豊穣を祝していたと考えられることになるのです。
ローマ神話の豊穣の女神マイアとジャガイモの品種のメークインとの関係
それでは、なぜ、
こうした春の訪れと夏の豊穣を祝って町の人々から贈り物を受け取ってまわる花嫁姿の少女たちの姿がメイ・クイーンすなわち五月の女王という呼び名で呼ばれているのか?ということについてですが、
それについては、
こうしたメーデーあるいは五月祭と呼ばれているヨーロッパにおける祭典が、もともとは、古代ローマに起源を持つ祭典であり、
古代ローマにおいては、ローマ神話において大地の実りを司る豊穣の女神として位置づけられていたマイア(Maia)に対して町の人々から供物が捧げられることによって、こうした春の訪れと夏の豊穣を祝う五月の祭典が営まれていたと考えられることになります。
つまり、
五月祭において贈り物を受け取ってまわる花嫁姿の少女たちは、そうしたローマ神話における豊穣の女神マイアを象徴する存在として位置づけられていたため、五月の女王のことを意味するメイ・クイーンという呼び名で呼ばれていたと考えられることになるのですが、
そういった意味では、
こうしたメイ・クイーン(May Queen)という言葉自体がもつローマ神話に由来する語源的な意味に基づくと、
日本語ではメークインと呼ばれているジャガイモの品種についても、それは、ローマ神話において5月を司る豊穣の女神の名が冠せられた高貴なジャガイモの品種として位置づけられることになるとも考えられることになるのです。
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