ドイツ語の1月から12月までの月の名前と発音と具体的な由来のまとめ
前回の記事では、英語における月の名前と発音とその語源となる意味について詳しく考えてきましたが、
今回の記事では、それに引き続いて、
英語と並ぶヨーロッパにおける代表的な言語のうちの一つとして位置づけられることになるドイツ語における1月から12月までの月の名前と発音とそれぞれの名称の具体的な由来についても順番に書いていきたいと思います。
ドイツ語の1月から12月までの月の名前と発音のまとめ
そうすると、まず、
ドイツ語における1月から12月までの月の名前と発音のあり方の目安となるカタカナ表記についてまとめると、
1月はJanuar(ヤヌアール)
2月はFebruar(フェブルアール)
3月はMärz(メルツ)
4月はApril(アプリル)
5月はMai(マイ)
6月はJuni(ユーニ)
7月はJuli(ユーリ)
8月はAugust(アオグスト)
9月はSeptember(ゼプテンバー)
10月はOktober(オクトーバー)
11月はNovember(ノヴェンバー)
12月はDezember(デツェンバー)
とそれぞれ表記されることになると考えられることになります。
ドイツ語における1月から12月までの月の名前の具体的な由来と名詞の性別や定冠詞の付け方
それでは、次に、
こうしたドイツ語の1月から12月までの月の名前には、それぞれ具体的にどのような由来があるのか?ということについてですが、
基本的には、こうしたドイツ語における各月の名称は、前回の記事で取り上げた英語における各月の名称の由来と同様に、
そうした英語やドイツ語やフランス語などといったヨーロッパにおける現在の言語の大本の起源ともなっているラテン語における月の名前にその直接的な由来を求めることができると考えられることになります。
具体的には、
1月にあたるJanuar(ヤヌアール)は、ローマ神話における門の守護神ヤヌスの名を語源とするラテン語におけるJanuarius(ヤヌアリウス)の月に由来する名称、
2月にあたるFebruar(フェブルアール)は、ローマ神話における浄化の神フェブルウスの名を語源とするラテン語におけるFebruarius(フェブルアリウス)の月に由来する名称、
3月にあたるMärz(メルツ)は、ローマ神話における軍神マルスの名を語源とするラテン語におけるMartius(マルティウス)の月に由来する名称、
4月にあたるApril(アプリル)は、ギリシア神話における愛と美の女神アフロディテの名を語源とするラテン語におけるAprilis(アプリリス)の月に由来する名称、
5月にあたるMai(マイ)は、ローマ神話における豊穣の女神マイアの名を語源とするラテン語におけるMaius(マイウス)の月に由来する名称、
6月にあたるJuni(ユーニ)は、ローマ神話における主神ユピテルの妻ユーノーの名を語源とするラテン語におけるJunius(ユーニウス)の月に由来する名称、
7月にあたるJuli(ユーリ)は、古代ローマの偉大なる将軍であったユリウス・カエサルの名を語源とするラテン語におけるJulius(ユーリウス)の月に由来する名称、
8月にあたるAugust(アオグスト)は、ローマ帝国の初代皇帝となったオクタウィアヌスの尊称にあたるアウグストゥスの名を語源とするラテン語におけるAugustus(アウグストゥス)の月に由来する名称、
9月にあたるSeptember(ゼプテンバー)は、ラテン語において本来は「第7の月」のことを意味する言葉であったSeptember(セプテンベル)の月に由来する名称、
10月にあたるOktober(オクトーバー)は、ラテン語において本来は「第8の月」のことを意味する言葉であったOctober(オクトーベル)の月に由来する名称、
11月にあたるNovember(ノヴェンバー)は、ラテン語において本来は「第9の月」のことを意味する言葉であったNovember(ノウェンベル)の月に由来する名称、
12月にあたるDezember(デツェンバー)は、ラテン語において本来は「第10の月」のことを意味する言葉であったDecember(デケンベル)の月に由来する名称
としてそれぞれ位置づけられることになると考えられることになるのですが、
このうち9月から12月までの月の名前について、ラテン語の月の名称に用いられている言葉自体が意味する本来の月の順番と、ドイツ語における実際の月の順番との間に2か月分のズレが生じてしまっている理由は、
もともと、ラテン語が用いられていた古代ローマの暦においては、現代の暦における最初の月である1月から2か月遅れた現在の3月にあたる月から一年がはじまっていたため、こうしたズレが生じてしまうことになったと考えられることになります。
また、
ドイツ語におけるすべての名詞は、男性名詞と女性名詞と中性名詞という三つの性別的な区分のうちのいずれかへと位置づけられることになるのですが、
こうした1月から12月までの月の名前のことを意味する名詞は、ドイツ語においてはすべて男性名詞として位置づけられることになるため、
ドイツ語の表現において、こうした月の名前のことを意味する名詞が単独の形で表記される場合には、正式な表記のあり方としては、男性形の定冠詞の主格の形にあたるder(デア)を頭につけて、それぞれ、
der Januar、der Februar、der März、der April、der Mai、der Juni、der Juli、der August、der September、der Oktober、der November、der Dezember
などと表記されることになるのです。
英語とドイツ語における月の名前の表記のあり方の共通点と相違点
ちなみに、
前回の記事で取り上げた英語における月の名前の表記のあり方と、今回の記事で取り上げたドイツ語における月の名前の表記のあり方を比べてみた場合、
4月を意味する英語のApril(エイプリル)とドイツ語ではApril(アプリル)、
8月を意味する英語のAugust(オーガスト)とドイツ語のAugust(アオグスト)、
9月を意味する英語のSeptember(セプテンバー)とドイツ語ではSeptember(ゼプテンバー)、
11月を意味する英語のNovember(ノーベンバー)とドイツ語のNovember(ノヴェンバー)、
という4月と8月と9月と11月の四つの月の名前については、
英語とドイツ語における発音の違いはあるものの、両方の言語においてまったく同じアルファベット表記が用いられていると考えられることになります。
そして、それに対して、
10月は英語ではOctober(オクトーバー)と表記されるのに対して、ドイツ語ではOktober(オクトーバー)と表記されることになり、
12月は英語ではDecember(ディッセンバー)と表記されるのに対して、ドイツ語ではDezember(デツェンバー)と表記されることになるというように、
こうした10月と12月という二つの月の名前については、
英語のOctoberとドイツ語のOktoberではアルファベットの「c」が「k」に変わっていて、
英語のDecemberとドイツ語のDezemberではアルファベットの「c」が「z」に変わっているといった点にも、
こうした英語とドイツ語における月の名前のアルファベット表記のあり方の具体的な特徴を見いだしていくことができると考えられることになるのです。
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「ヨーロッパの言語における12の月の名前と発音と由来」シリーズの記事の一覧
①ラテン語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
②英語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
③ドイツ語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
④フランス語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑤イタリア語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑥スペイン語とポルトガル語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑦オランダ語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑧デンマーク語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑨ギリシア語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑩英語で1月から12月の月の名前は何ていうの?ドイツ語やフランス語では?ヨーロッパを代表する三つの言語の類似性の比較
⑪ヨーロッパを代表する十の言語の月の名前のまとめと比較、ゲルマン語派とロマンス語派とギリシア語とラテン語の表記の違い
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次回記事:フランス語の1月から12月までの月の名前と発音と具体的な由来のまとめ
前回記事:英語の1月から12月までの月の名前と発音と具体的な由来のまとめ
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