イタリア語の1月から12月までの月の名前と発音と具体的な由来のまとめ

前回までの一連の記事では、英語ドイツ語フランス語における月の名前と発音とその語源となる意味について順番に詳しく書いてきましたが、

今回の記事では、それに引き続いて、

その他のヨーロッパ諸国の言語なかでもイタリア語における1月から12月まで月の名前と発音とそれぞれの名称の具体的な由来について順番に書いていきたいと思います。

スポンサーリンク

イタリア語の1月から12月までの月の名前と発音のまとめ

そうすると、まず、

イタリア語における1月から12までの月の名前発音のあり方の目安となるカタカナ表記についてまとめると、

1gennaio(ジェンナイオ)
2febbraio(フェブライオ)
3marzo(マルツォ)
4aprile(アプリーレ)
5maggio(マッジオ)
6giugno(ジュンニョ)
7luglio(ルッリョ)
8agosto(アゴスト)
9settembre(セッテンブレ)
10ottobre(オットーブレ)
11novembre(ノヴェンブレ)
12dicembre(ディチェンブレ)

とそれぞれ表記されることになると考えられることになります。

スポンサーリンク

イタリア語における1月から12月までの月の名前の具体的な由来

それでは、次に、

こうしたイタリア語の1月から12月まで月の名前には、それぞれ具体的にどのような由来があるのか?ということについてですが、

基本的には、こうしたイタリア語における各月の名称は、今までの記事で取り上げてきた英語ドイツ語フランス語といったその他のヨーロッパ諸国の言語における各月の名称の由来と同様に、

そうしたヨーロッパにおける現在の言語大本の起源ともなっている古代ローマの言語であるラテン語にその直接的な由来を求めていくことができると考えられることになります。

具体的には、

1にあたるgennaio(ジェンナイオ)は、ローマ神話における門の守護神ヤヌスイタリア語の呼び名にあたるGiano(ジャーノ)に由来する名称、

2にあたるfebbraio(フェブライオ)は、ローマ神話における浄化の神フェブルウスの名を語源とするラテン語におけるFebruarius(フェブルアリウス)の月に由来する名称、

3にあたるmarzo(マルツォ)は、ローマ神話における軍神マルスの名を語源とするラテン語におけるMartius(マルティウス)の月に由来する名称、

4にあたるaprile(アプリーレ)は、ギリシア神話における愛と美の女神アフロディテの名を語源とするラテン語におけるAprilis(アプリリス)の月に由来する名称、

5にあたるmaggio(マッジオ)は、ローマ神話における豊穣の女神マイアの名を語源とするラテン語におけるMaius(マイウス)の月に由来する名称、

6にあたるgiugno(ジュンニョ)は、ローマ神話における主神ユピテルの妻ユーノーイタリア語の呼び名にあたるGiunone(ジュノーネ)に由来する名称、

7にあたるluglio(ルッリョ)は、古代ローマの偉大なる将軍であったユリウス・カエサルの氏族名にあたる Iulius(ユリウス)、または、そのイタリア語の呼び名にあたるGiulio Cesare(ジュリオ・チェーザレ)に由来するとされる名称、

8にあたるagosto(アゴスト)は、ローマ帝国の初代皇帝となったオクタウィアヌスの尊称にあたるアウグストゥスの名を語源とするラテン語におけるAugustus(アウグストゥス)の月に由来する名称、

9にあたるsettembre(セッテンブレ)は、ラテン語において本来は「第7の月のことを意味する言葉であったSeptember(セプテンベル)の月に由来する名称、

10にあたるottobre(オットーブレ)は、ラテン語において本来は「第8の月のことを意味する言葉であったOctober(オクトーベル)の月に由来する名称、

11にあたるnovembre(ノヴェンブレ)は、ラテン語において本来は「第9の月のことを意味する言葉であったNovember(ノウェンベル)の月に由来する名称、

12にあたるdicembre(ディチェンブレ)は、ラテン語において本来は「第10の月のことを意味する言葉であったDecember(デケンベル)の月に由来する名称

としてそれぞれ位置づけられることになると考えられることになります。

そして、

このうち9月から12月まで月の名前について、ラテン語の月の名称に用いられている言葉自体が意味する本来の月の順番と、イタリア語における実際の月の順番との間に2か月分のズレが生じてしまっている理由としては、

もともと、ラテン語が用いられていた古代ローマの暦においては、現代の暦における最初の月である1月から2か月遅れた現在の3にあたる月から一年月はじまっていたため、こうしたズレが生じてしまうことになったと考えられることになります。

ラテン語からイタリア語への言語学的な異化の過程における発音の変化と月の名前を意味する名詞の性別

また、上述したイタリア語における各月の名称の由来において、

7を意味するluglio(ルッリョ)というイタリア語の名称が、この単語の大本の語源となったラテン語における Iulius(ユリウス)というもとの単語と似ても似つかないまったく異なる発音と表記になってしまっている理由としては、

長い時間と距離を経て言語が伝播していく際に、単語の内に含まれている音素が隣接する音素に影響されてより類似性の少ない性質のものへと変化していく異化と呼ばれる言語学的な過程を経ることによって、

このようなもとのラテン語の単語の発音のあり方とは大きく異なった発音をしたイタリア語における発音と表記のあり方が成立していくことなったと考えられることになります。

そして、最後に、

イタリア語の名詞は、フランス語などと同様に、基本的には男性名詞女性名詞という二つの性別的な区分のうちのいずれかへと位置づけられることになるのですが、

こうした1月から12月まで月の名前のことを意味する名詞は、フランス語やドイツ語などと同じように、イタリア語においてもすべて男性名詞として位置づけられることになるのです。

・・・

「ヨーロッパの言語における12の月の名前と発音と由来」シリーズ記事の一覧

①ラテン語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
②英語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
③ドイツ語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
④フランス語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑤イタリア語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑥スペイン語とポルトガル語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑦オランダ語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑧デンマーク語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑨ギリシア語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑩英語で1月から12月の月の名前は何ていうの?ドイツ語やフランス語では?ヨーロッパを代表する三つの言語の類似性の比較
⑪ヨーロッパを代表する十の言語の月の名前のまとめと比較、ゲルマン語派とロマンス語派とギリシア語とラテン語の表記の違い

・・・

次回記事:スペイン語とポルトガル語の1月から12月までの月の名前と発音と具体的な由来のまとめ

前回記事:フランス語の1月から12月までの月の名前と発音と具体的な由来のまとめ

その他の外国語のカテゴリーへ

年中行事/通年のカテゴリーへ

スポンサーリンク
サブコンテンツ

このページの先頭へ