ラテン語の1月から12月までの月の名前と発音と具体的な由来のまとめ

このシリーズの前回までの一連の記事では、1月から12月までの一年における各月の英語における月の名前や、その由来となったラテン語における月の名前とその語源などについて詳しく考えてきましたが、

今回からの数回の記事では、これまでの記事の総まとめとして、

ラテン語における1月から12月まで月の名前と発音と由来、そして、そうしたラテン語における月の名前が大本の由来となっている

英語ドイツ語やフランス語といった現代のヨーロッパ各国の言語における1月から12月まで月の名前と発音と由来について、改めて順番にまとめていく形で書いていきたいと思います。

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ラテン語の1月から12月までの月の名前と発音のまとめ

そうすると、まず、

ラテン語における1月から12までの月の名前発音のあり方の目安となるカタカナ表記についてまとめると、

1Januarius(ヤヌアリウス)
2Februarius(フェブルアリウス)
3Martius(マルティウス)
4Aprilis(アプリリス)
5Maius(マイウス)
6Junius(ユーニウス)
7Julius(ユーリウス)
8Augustus(アウグストゥス)
9September(セプテンベル)
10October(オクトーベル)
11November(ノウェンベル)
12December(デケンベル)

とそれぞれ表記されることになると考えられることになります。

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ラテン語における1月から12月までの月の名前の具体的な由来とは?

それでは、次に、

こうしたラテン語の1月から12月まで月の名前には、それぞれ具体的にどのような由来があるのか?ということについてですが、

1にあたるJanuarius(ヤヌアリウス)は、ローマ神話において門の守護神とされていて、新たな物事の入り口や万物の始原のことを意味する古代の神でもあったJanus(ヤヌス)の名に由来する月、

2にあたるFebruarius(フェブルアリウス)は、ローマ神話において死者の慰霊と贖罪などに関わる浄化の神として位置づけられていたFebruus(フェブルウス)の名に由来する月、

3にあたるMartius(マルティウス)は、ローマ神話における軍神にして、農耕神ローマそのものを象徴する神としても位置づけられたMars(マルス)の名に由来する月、

4にあたるAprilis(アプリリス)は、ローマ神話における美の女神であるVenus(ウェヌス、ヴィーナス)と同一視されていたギリシア神話における愛と美の女神であるAphrodite(アフロディテ)の名に由来する月、

5にあたるMaius(マイウス)は、ローマ神話における大地の実りを司る豊穣の女神として位置づけられていたMaia(マイア)の名に由来する月、

6にあたるJunius(ユーニウス)は、ローマ神話における主神ユピテルの妻にして神々の女王とも呼ばれるような最高位の女神として位置づけられているユーノー(Junoの名に由来する月、

7にあたるJulius(ユーリウス)は、ローマ帝国の礎となる版図を築いた共和政末期の古代ローマの偉大なる将軍にして政治家でもあったJulius Caesar(ユリウス・カエサル)の名に由来する月、

8にあたるAugustus(アウグストゥス)は、ローマ帝国の初代皇帝となったオクタウィアヌスの尊称にあたるアウグストゥス(Augustusの名に由来する月、

9にあたるSeptember(セプテンベル)は、ラテン語において本来は「第7の月のことを意味する言葉であり、ラテン語で「数字の7のことを意味するSeptem(セプテム)という単語に由来する月、

10にあたるOctober(オクトーベル)は、ラテン語において本来は「第8の月のことを意味する言葉であり、ラテン語で「数字の8のことを意味するocto(オクトー)という単語に由来する月、

11にあたるNovember(ノウェンベル)は、ラテン語において本来は「第9の月のことを意味する言葉であり、ラテン語で「数字の9のことを意味するnovem(ノウェム)という単語に由来する月、

12にあたるDecember(デケンベル)は、ラテン語において本来は「第10の月のことを意味する言葉であり、ラテン語で「数字の10のことを意味するdecem(デケム)という単語に由来する月

としてそれぞれ位置づけられることになると考えられることになります。

ちなみに、

こうした9月から12月までそれぞれの月について、

例えば、ラテン語において本来は「第7の月のことを意味するはずの言葉が実際には現在の9にあたる月の呼び名として用いられているように、

ラテン語における月の名前が意味する本来の月の順番と、現在の暦における実際の月の順番との間に2か月のズレが生じてしまっている理由としては、

紀元前153年の改暦以前の時代における古代ローマの暦においては、一年は現在の1ではなく現在の3にあたる月からはじまることになっていたため、

例えば、現在の9にあたる月は、そうした古代ローマの暦における最初の月とされていた3月から数えるとちょうど「第7番目の月」として位置づけられることになるように、

こうした古代ローマの暦における起点となる月の違いから、そうした現在の暦における実際の月の順番との間のズレが生じることになってしまったと考えられることになります。

そして、以上のように、

こうしたラテン語における月の名前においては、

1月から6月までの月については、ローマ神話における神々の名にちなんだ名前がつけられているのに対して、

7月と8については、ユリウス・カエサルアウグストゥスというローマ帝国の礎を築いた二人の偉大なる統治者たちの名にちなんだ名前がつけられていて、

残りの9月から12月までの月については、古代ローマの暦においてそれぞれの月が位置づけられていた順番にあたるラテン語における数字に由来する名前がそのままつけられていると考えられることになるのです。

・・・

「ヨーロッパの言語における12の月の名前と発音と由来」シリーズ記事の一覧

①ラテン語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
②英語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
③ドイツ語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
④フランス語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑤イタリア語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑥スペイン語とポルトガル語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑦オランダ語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑧デンマーク語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑨ギリシア語の1月から12月までの月の名前と発音と由来
⑩英語で1月から12月の月の名前は何ていうの?ドイツ語やフランス語では?ヨーロッパを代表する三つの言語の類似性の比較
⑪ヨーロッパを代表する十の言語の月の名前のまとめと比較、ゲルマン語派とロマンス語派とギリシア語とラテン語の表記の違い

・・・

次回記事:英語の1月から12月までの月の名前と発音と具体的な由来のまとめ

前回記事:古代ローマの一年の暦に10月までしかなかった理由とは?農耕社会を基盤とする古代ローマの社会構造との関係と軍神マルス

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