風邪を早く治すために身体を温めるのはどんな場合?風邪撃退作戦⑥

前回の「風邪撃退作戦」では、第2防衛ライン「自己ケアと早期回復」の観点から、
風邪を早く治すために一般的におこなわれている対処法の中で、
身体を温めるという対処法と、身体を冷やすという対処法、という、
正反対の2つの方法について、そのメリットとデメリットについて、考えてみました。

今回は、
その両方の対処法の、メリットとデメリットを踏まえた上で、

それらを、時と場合によって、どう、使い分けたらいいのか?
ということについて、考えてみましょう。

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風邪の進行段階に合わせて対処法をどう変えればいいの?

身体を温め、体温を上げることの、
メリット=免疫力向上」と「デメリット=体力消耗」を考え合わせると、

だいたい、以下のように、
風邪の進行段階に合わせて、対処法を変える
のがよいのではないでしょうか。

A. 風邪のひきはじめは、まだ熱が本格的に上がっていないので、
体温をある程度上げて、
体内の免疫系が効率よく働きやすい状態にしてあげるために、
適切な入浴や、背中や首の後ろを服の上からカイロ当てることなどによって、
積極的に身体を温める

B. 風邪が進行してしまった場合は、熱が本格的に上がってくるので、
さらにそれ以上、体温を上げるのは、
免疫力向上のメリットより、
体力消耗のデメリットのほうが上回ってしまう可能性があるので、
入浴やカイロなどで無理に身体を温めるのはやめる
温かい格好をするなど消極的な保温にとどめ、
体温の上昇は、自然の体温調節機能に任せる。

そうすると、
どのくらいまでが、まだ熱が本格的に上がっていない風邪のひきはじめで、
どこからが風邪が進行してきて熱が十分上がってしまった状態なのか、
という線引きが問題となってきます。

風邪の進行段階の線引きはどうすればいいの?

どこまでが、風邪のひきはじめで、
どこからが、風邪が進行してしまった状態なのか、
という風邪の進行段階の線引きは、

本人の体質や日頃の健康状態、体力の有無、直近の体調や疲労の度合い、など、
さまざまな条件が個々人で大きく異なる以上、

結局は、個人個人、ケースバイケースによって異なってくる、
ということになってしまうでしょう。

ただ、それでは、
具体的な基準や目安がまったくないことになってしまいます。

ですが、あくまでも、
特に持病や、目立った健康上の問題がない、通常の健康状態の人について、
という前提で考えるならば、

次のように考えることができます。

前回の「風邪撃退作戦⑤」で述べたように、
リンパ球の活動が特に活性化するのは37℃以上ですから、
大まかな基準で言うと、

37℃を超えるまでは、積極的に身体を温めて免疫力の活性化を図った方がよく、

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逆に、体温が38℃を超えて高熱ともいえるくらいになってくると、
それ以上の加温は体力消耗のデメリットが大きくなってくるので、
無理して体温を上げない方がいい、

と考えるのです。

より単純化して、基準を一つの数値に絞るならば、
37℃と38℃の間をとって、37.5℃を分岐点し、

体温が37.5℃までなら
入浴やカイロなどで積極的に身体を温めてよいが、

37.5℃を超えたら
体力消耗を防ぐため、それ以上無理して身体を温めるのはやめる

と考えれば、かなり分かりやすい基準になるではないでしょうか。

まとめ

風邪のひきはじめは、積極的に身体を温めた方がよく、
風邪が進行してしまった場合は、身体を温めるのはやめた方がよいでしょう。

風邪の進行段階の線引きは、
リンパ球の活動が特に活性化するのが37℃以上なので、37.5℃を分岐点にし、
体温が37.5℃までなら、積極的に身体を温め、
37.5℃を超えたら、身体を温めるのはやめる、と考えればよいでしょう。

次回「風邪撃退作戦⑦」は?

次回「風邪撃退作戦⑦」は、
身体を温め、体温を上げるために効果のある「入浴」に関して、
入浴時間や湯の温度など、入浴方法の注意すべき点を、
具体的に考えてみたいと思います。

 

シリーズ「風邪撃退作戦」 INDEX
① 風邪の防衛ラインって何のこと?風邪対策への疑問とは?
② マスクには風邪の予防効果がどの程度あるの?
③ 風邪の予防に水分補給はどのくらい効果があるの?
④ 風邪を早く治すには身体を温めるの?冷やすの?
⑤ 風邪を治すために身体を温めるメリットとデメリットは?
⑥ 風邪を早く治すために身体を温めるのはどんな場合?
⑦ 風邪をひいている時の入浴で注意すべきことは?
⑧ 風邪を治すために身体を冷やすことのメリットとデメリットは?
⑨ 風邪をひいた時にお医者さんにかかるタイミングは?
⑩ 風邪の症状を我慢しているのはなぜいけないの?

 

 

 

 

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