ギガントマキアとティタノマキアの違いとは?二つの神々の戦いにおける大地の女神ガイアと人間の位置づけのあり方の違い

古代ギリシア神話においては、天界と地上の世界の支配権をめぐる神々の戦いとして、ティタノマキアギガントマキアと呼ばれる二つの大きな戦いが語られていて、

こうした二つの戦いは両方とも、ギリシア神話の主神であるゼウスを盟主とするオリュンポスの神々と、彼らの支配に異を唱える古代の神々との間で繰り広げられていった神々の戦いであるという点においては、互いに共通していると考えられることになるのですが、

その一方で、

こうしたティタノマキアギガントマキアという二つの戦いは、それぞれの戦いにおいて両者の陣営に参加することになった神々の構成や、それぞれの戦いの神話的な意味といった観点からは、互いに大きな違いを見いだしていくことができると考えられることになります。

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ティタノマキアにおけるオリュンポスの神々とティターン神族の戦いと大地の女神ガイアの助けによる勝利

まず、こうしたティタノマキアギガントマキアと呼ばれる二つの神々の戦いのうちの前者にあたる

ティタノマキア(Titanomakhiaとは、太古の時代に行われたとされているゼウスを盟主とするオリュンポスの神々と、彼らより以前に古代の宇宙を支配していたクロノスを盟主とするティターン神族の間で行われた天界と宇宙の支配権をめぐる神々の戦いのことを意味する言葉であり、

こうしたティタノマキアと呼ばれる神々の戦いにおいては、

ゼウスが率いるオリュンポスの神々は、自分たちと同様に不死なる力を持つうえに、巨大な体を持つ巨神族であったティターンたちの攻勢にあって苦戦を強いられていくことになります。

しかし、その後、オリュンポスの神々は、

こうしたクロノスを盟主とするティターンたちよりもその起源をさらにさかのぼることができる宇宙が誕生した太古の時代から存在していたすべての神々の母としても位置づけられ存在であった大地の女神ガイアからの助けを借りることによって、

彼女の息子たちであったキュクロプス(一つの目の巨人)ヘカトンケイル(百手巨人)たちと共にティターン神族たちの軍勢を打ち破ることに成功し、

その後、ティターン神族の盟主であったクロノスを捕らえて、巨人たちが閉じ込められていた地底の牢獄であるタルタロスに幽閉してしまうことによって、この戦いに勝利を収めていくことになるのです。

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ギガントマキアにおけるオリュンポスの神々とギガースと呼ばれる巨人たちの戦いと人間の力の助けを借りた勝利

そして、それに対して、こうした二つの神々の戦いのうち後者にあたる

ギガントマキア(Gigantomakhiaとは、前述したティタノマキアの後にゼウスを盟主とするオリュンポスの神々と、その支配に異を唱える大地の女神ガイアが率いるギガースと呼ばれる巨人たちとの間で行われた天界と地上の支配権をめぐる神々の戦いのことを意味する言葉であり、

こうしたギガントマキアと呼ばれる神々の戦いにおいては、

先に行われたティタノマキアと呼ばれる神々の戦いの結果、暴政を行っていたとはいえ、自分の息子でもあったクロノスが敗者に対する敬意と情けをかけられずにタルタロスの牢獄へと閉じ込められてしまったことに対して強く憤った大地の女神ガイアが、

太古の時代に天空を支配していたウラノスの血を受けることによって生み出した神々をも凌駕する力を持ったギガースと呼ばれる巨人たちをオリュンポスの神々のもとへと差し向けていくことによって、戦いがはじまっていくことになります。

そして、こうしたギガントマキアにおいては、

オリュンポスの神々は、オリュンポスの神々の盟主であったゼウスと、ミュケナイの王女であったアルクメネとの間に生まれた怪力を持つ半神半人の英雄であるヘラクレスを呼び寄せて、彼と共に巨人たちを打ち倒していくことによってこの戦いに勝利を収めていくことになるのです。

二つの神々の戦いにおける大地の女神ガイアと人間の位置づけのあり方の違い

以上のように、

こうしたティタノマキアギガントマキアと呼ばれる二つの神々の戦いにおける具体的な特徴の違いとしては、

前者のティタノマキアにおいては、ゼウスを盟主とするオリュンポスの神々は、クロノスを盟主とするティターン神族と戦っていくなかで、

すべての神々の母にもあたる大地の女神ガイアの助けを借りることによって、戦いに勝利を収めていくことになるのに対して、

後者のギガントマキアにおいては、今度は、以前はオリュンポスの神々のことを助けてくれていた大地の女神ガイアが彼らの敵として立ちはだかっていくことになり、

ゼウスを盟主とするオリュンポスの神々はガイアが差し向けてくるギガースと呼ばれる巨人たちと戦っていくなかで、

英雄ヘラクレスに象徴される人間の力を借りることによって、戦いに勝利を収めていくことになっていったという点に、両者の戦いの経緯における大きな意味合いの違いを見いだしていくことができると考えられることになります。

そして、そういった意味では、

こうしたギリシア神話の物語のなかで描かれているティタノマキアギガントマキアと呼ばれる二つの神々の戦いにおいては、オリュンポスの神々と古代ギリシアの人々は、

かつては、

人間の命さらには神々の命をも含むすべての生命の源となり、彼らの命を守り育んできたガイアの加護を受けることによって、

古代ギリシア人が誕生する以前の太古の時代に存在していた古代の神々や、それらの神々を信じていた古代の異民族たちを淘汰していくことになっていったものの、

その後、

そうした大地あるいは生命そのものとしてのガイアと呼ばれる存在も、新たな神々と人類の叡智の力によって征服されていくことによって、

天界と地上というそれぞれの世界は、オリュンポスの神々と、彼らを信じる人間たちの手へとゆだねられていくことになっていったという

神々と人間との世界をつなぐ神話的な歴史のあり方が描かれているとも解釈していくことができると考えられることになるのです。

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次回記事:ゼウスの最初の妻となった女神とは?「いとこ婚」としてのメティスとゼウスの結婚と古代ギリシア語における名前の意味

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前回記事:ヨハネの黙示録の獣とギリシア神話の怪物テュポーンとの関係とは?聖書と神話に共通する普遍的な元型的イメージ

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