水媒花の具体的な特徴とは?分類される代表的な植物の種類と水生植物の一種である沈水植物における受粉形態のパターン
前回までの一連の記事では、虫媒花や鳥媒花、あるいは、そうした昆虫や鳥類以外のコウモリなどの動物によって花粉の受粉の媒介が行われる動物媒花に分類される代表的な植物の種類について順番に詳しく考察してきましたが、
そうした動物の力によってではなく、風の力や水の流れといった自然の力を利用して花粉の受粉を行う花や植物の種類としては、風媒花や水媒花といった植物のグループも挙げられることになります。
そして、このうち、水媒花とは、一言でいうと、
水の流れによって花粉が運ばれていくことによって雄しべから雌しべへの花粉の受粉が行われていくことになる花や植物の種類のことを意味する言葉として定義されることになるのですが、
それでは、
こうした水媒花に分類されることになる代表的な植物の種類としては、具体的にどのような植物の種類の名が挙げられることになると考えられることになるのでしょうか?
水媒花の具体的な特徴と分類される代表的な植物の種類
水の流れによって花粉が運ばれていくことによって受粉が行われていくことになる水媒(すいばい)と呼ばれる花粉の受粉のあり方は、通常の場合、
水中や水辺において生育する植物の種族のことを意味する水生植物などにおいて見られる受粉形態であり、
そうした水生植物の中でも、特に、
沈水植物(ちんすいしょくぶつ)と呼ばれる花や茎などを含めた植物体全体が水面下にあって、池や沼などの水底に根を張ることによって固着生活を営んでいる水生植物の種族に多く見られる受粉形態であると考えられることになります。
そして
こうした沈水植物を中心とする水生植物などにおいて見られる水媒を通じた受粉形態のあり方には、
キンギョモ(金魚藻)やマツモ(松藻)などのように、水中で開花した雄花から放出される花粉の水中における拡散作用によって雌花への受粉が行われるパターンのほかに、
ウミヒルモ(海蛭藻)やリュウキュウスガモ(琉球菅藻)などのように、粘液によって覆われた花粉が数珠状にまとまった形で水面を流れていくことによって受粉が行われるパターンや、
イバラモ(茨藻)などのように、水面近くで開花する雄花から水底近くで開花している雌花へと向けて花粉が沈んでいくという重力を利用した沈下作用によって受粉が行われるパターンなどが挙げられることになると考えられることになるのです。
そして、
こうした水媒花に分類されることになる代表的な植物の種類としては、
その他にも、
クロモ(黒藻)やフサモ(房藻)、セキショウモ(石菖藻)、ウミショウブ(海菖蒲)、オオカナダモ(大カナダ藻)とコカナダモ(小カナダ藻)、アマモ(甘藻)やエビアマモ(海老甘藻)
といった沈水植物を中心とする水生植物に分類されることになる植物の種類の名が数多く挙げられていくことになると考えられることになるのです。
・・・
以上のように、
こうした水媒花と呼ばれる花や植物のグループの具体的な特徴と分類される代表的な植物の種類について、一言でまとめると、
水媒花とは、水中や水辺において生育する植物の種族のことを意味する水生植物のなかでも花を含む植物体全体が水面下に沈んでいる沈水植物と呼ばれる植物の種族において多く見られる
池や沼などの水中における拡散作用や沈下作用などといった水の流れを利用して花粉が運ばれていくことによって受粉が行われていくことになる花や植物の種類のことを意味する言葉であり、
こうした水媒花に分類されることになる代表的な植物の種類としては、
キンギョモ、マツモ、イバラモ、クロモ、フサモ、セキショウモ、ウミショウブ、オオカナダモ、コカナダモ、アマモ、エビアマモ、ウミヒルモ、リュウキュウスガモといった植物の種類の名が挙げられることになると考えられることになるのです。
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次回記事:水生植物における水媒花と風媒花と虫媒花の区分とは?沈水植物と抽水植物の受粉形態の違いと分類される代表的な植物の種類
前回記事:動物媒花とは何か?種子植物の受粉の媒介者となる昆虫や鳥類以外の代表的な動物の種類とバオバブの木とコウモリとの共生関係
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