風邪を治すために身体を冷やすことのメリットとデメリットは?風邪撃退作戦⑧

「身体を温める」ことのメリットとデメリットの次は、「身体を冷やす」ことのメリットとデメリットについて、考えてみましょう。

これまでに見てきたように、
「身体を冷やす」ことのデメリットは、「身体を温める」ことのメリットの逆、
つまり、免疫力が下がることにあります。

そうすると、「身体を冷やす」ことのメリットの方も、ちょっと考えると、
「身体を温める」ことのデメリットの逆が、そのまま当てはまりそうに思えますね。

つまり、熱が上がり過ぎて身体が辛くならない分、体力消耗を防げる、
ということになりそうですが、一概にそうとは言い切れないのです。

ということで、今回は、
風邪を治すために身体を冷やすことのメリットとデメリット、
について、考えてみます。

スポンサーリンク

体を冷やすことのメリットとデメリットは?

これまでは、「身体を温める」対処法の方に焦点を当てて考えてみました。
「身体を温める」ことと「身体を冷やす」ことは、つまるところ、表裏一体の関係にあるので、
「身体を冷やす」対処法の方は、改めて考え直す必要はないのかもしれませんが、
一応、「身体を冷やす」対処法の方からも、焦点を当て直して、考えてみましょう。

まず、先に述べたように、
身体を冷やす」ことのデメリットは、もちろん、
「身体を温める」ことのデメリットの逆、
つまり、免疫力が下がることにあります。

そうすると、「身体を冷やす」ことのメリットの方も、ちょっと考えると、
「身体を温める」ことのデメリットの逆が、そのまま当てはまりそうに思えますね。

つまり、熱が上がり過ぎて身体が辛くならない分、体力消耗を防げる、
ということになりそうに思えますが、必ずしもそうとは言い切れないのです。

なぜなら、
「身体を冷やす」ことは、確かに、熱を下げて当座の体力消耗を防ぐことができるので、
短期的には体力温存につながりますが、

体温を下げることは、ウイルスと戦う免疫力を低下させることにもつながるので、
かえって風邪と戦う時間が長くなり、
その分、風邪が長引き、
長期的には体力消耗も大きくなってしまうという危険がでてくるからです。

つまり、
「身体を(積極的に)温める」ことは体力消耗につながるが、
身体を冷やす」ことは必ずしも体力温存にはつながらない。

「逆は必ずしも真ならず」といったところでしょうか。

※論理学的には、
「身体を温める→体力消耗」に対して「身体を冷やす→体力温存」というのは、
「逆」ではなく、「裏」の関係という位置付けになるので、
正確に言うと、「裏は必ずしも真ならず」ということになりますが・・・

いずれにせよ、この場合、
熱を下げて当座の体力を温存できるメリットと、

免疫力の低下で風邪が長引いて、治るまでの体力消耗の累積がかえって大きくなってしまうリスクの、功罪を考え合わせて、

どちらがより大きいかの判断が、ケースバイケースで難しいので、
一概には「身体を冷やすこと=体力温存」とは言えない、と考えられます。

スポンサーリンク

身体を冷やすことのメリットはどういうことなの?

そうすると、結局、
身体を冷やす」ことのはっきりしたメリットは、
熱い時は少し冷やした方が気持ちがいいから、という心理的効果
つまり、当面、目の前の辛い症状を和らげることができるという、
当座の対症療法としての効用に限られてくるように思います。

したがって、風邪の「自己ケア・早期回復」の範疇としては、
「積極的に身体を冷やす」という対処法は、あまりすすめられないように思いますが、
熱が少し高めになって辛くなってきたタイミングで、
額にぬれタオルなどを当てて少し冷やしてみるとか、

布団から少し足先を出して放熱するといった、
部分的に冷感を得るようなマイルドな冷やし方なら、

当座の対症療法としての心理的効用も大きく、
体温全体を大きく下げることによる免疫力低下にもつながりにくいので、
良いのではないかと思います。

風邪を治してくれるのは、自分の身体の免疫力なので、
身体の免疫力を強めることが第一とはいえ、

人間は、心と身体が一つに合わされて生きているので、
病気の時の心の状態・気分を、良くする心理的効果も、
回復のための重要な要素ですから・・・

そして、
38℃、39℃とさらに熱が上がってきてしまい、
高熱の状態が続くという場合には、

結局、どこかで、熱を下げることによる体力温存の方が、
長期的な体力消耗の累積や免疫力の低下よりも優先される、
という局面もでてくると考えられます。

そもそも、そのような段階まで病状が進行してしまった場合は、
自己判断で、脇や股関節に氷を当てて、血液を積極的に冷やしたり、
解熱剤を飲むといった手法をとるよりは、

すぐに、病院へ行って、信頼できるお医者さんの判断を仰ぐ方が、
安全で適切な処置だといえるでしょう。

まとめ

「身体を冷やす」ことのデメリットは、免疫力が下がることです。
「身体を冷やす」ことのメリットは、心理的効果をもたらすための当座の対症療法です。

「身体を冷やす」時は、額をぬれタオルで冷やしたり、布団から足先を出して放熱したりするなど、部分的でマイルドな冷やし方にとどめ、
解熱剤などで体温を下げるのは、
病院へ行って、お医者さんの判断を仰いでからにした方がいいでしょう。

次回「風邪撃退作戦⑨」は?

次回「風邪撃退作戦⑨」は、
個人レベルでの風邪への対処を超えて、対処を病気の専門家であるお医者さんへと引き継ぐタイミング、
つまり、「風邪をひいた時にお医者さんにかかるタイミング」について、
具体的に考えてみたいと思います。

 

シリーズ「風邪撃退作戦」 INDEX
① 風邪の防衛ラインって何のこと?風邪対策への疑問とは?
② マスクには風邪の予防効果がどの程度あるの?
③ 風邪の予防に水分補給はどのくらい効果があるの?
④ 風邪を早く治すには身体を温めるの?冷やすの?
⑤ 風邪を治すために身体を温めるメリットとデメリットは?
⑥ 風邪を早く治すために身体を温めるのはどんな場合?
⑦ 風邪をひいている時の入浴で注意すべきことは?
⑧ 風邪を治すために身体を冷やすことのメリットとデメリットは?
⑨ 風邪をひいた時にお医者さんにかかるタイミングは?
⑩ 風邪の症状を我慢しているのはなぜいけないの?

 

 

 

 

スポンサーリンク
サブコンテンツ

このページの先頭へ