Merry XmasとHappy New Yearに冠詞のaはつくの?つかないの?

1年の最後の月である12月に入ると、世の中は、
12月25日のクリスマスの日にむかって、だんだんと活気づいてきます。
そして、次の新年を待ち望む、独特の雰囲気になってきますね。

街のあちこちの通りでは、
「♪ジングルベル、♪ジングルベル、♪鈴がー鳴るー」っと、
クリスマスソングがよく聞かれるようになってきます。

クリスマスソングというと、
『ジングル・ベル』や、
『ホワイト・クリスマス』、
『きよしこの夜』、などと一緒に、

『We Wish You a Merry Christmas』や、
ジョン・レノンの『Happy Christmas (War is Over)』なども有名ですが、

あれ?
『We Wish You a Merry Christmas』では、“a Merry Christmas”っていいますけど、
ふつう、
掛け声や、クリスマスカードに書く“Merry Christmas”には、
冠詞の“a”なんて付いてないですよねー。

そう言えば、
年賀状に書くのは“Happy New Year”と“A Happy New Year”のどっちだったっけ?

少しこんがらかってきてしまいましたね。

そこで、今回は、

「メリークリスマス」と「ハッピーニューイヤー」に付く、
冠詞の“a”の有無について、調べてみました。

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クリスマスカードや年賀状と歌詞の中での使われ方の違いは?

結論からズバリ言ってしまいましょう。

クリスマスカード年賀状では、
“Merry Christmas”や“Happy New Year”と、
冠詞を付けないで使い、

②クリスマスソングなどの歌詞の中では、
冠詞の“a”を付けて使う、のです。

掛け声や挨拶、クリスマスカードや年賀状の表題などで、
単独のキーフレーズとして使う場合は、
定型句の慣用表現となり、
“Merry Christmas”や“Happy New Year”と、冠詞なしで使います。

それに対して、歌詞の中などで、
文などの中の一部分にキーフレーズが組み込まれていたり、
キーフレーズにさらに別の形容詞が付加されている場合は、
定型句の単独性がくずれて一般化されているので、
冠詞の“a”をつけて使います。

※ただ、和英辞典などでは、
「(A) Happy New Year!(新年おめでとう。)」と載っているケースもあるので、
挨拶や年賀状で冠詞をつけるのは、文法的に間違いであるというよりは、
慣用的にはほとんど使わない、と言ったほうが適切かもしれません。

クリスマスソングの歌詞の中での実際の使われ方は?

実際に、クリスマスソングの歌詞の中で使われている表現を見てみましょう。

『We Wish You a Merry Christmas』では、

We wish you a Merry Christmas,
We wish you a Merry Christmas,
We wish you a Merry Christmas,
And a Happy New Year.

と続きます。

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やっぱり、「メリークリスマス」、「ハッピーニューイヤー」といったキーフレーズが、文の一部として、歌詞の文中に組み込まれているので、
“a Merry Christmas”、“a Happy New Year”というように、
冠詞の“a”がついた表現になっています。

ジョン・レノンの『Happy Christmas (War is Over)』でも、

冒頭の小声でささやく、

Happy Xmas Kyoko
Happy Xmas Julian

の部分は、挨拶・掛け声として、キーフレーズが単独で用いられているので、
冠詞がない“Happy Xmas”という表現になっていますが、

その後の歌詞の中では、

A very Merry Xmas
And a happy New Year
Let’s hope it’s a good one without any fear

となっています。

これは、
「メリークリスマス」、「ハッピーニューイヤー」というキーフレーズ同士が、
接続詞“and”で結ばれることで文節化していて、
しかも、
“Merry Xmas”という定型句の前に、“very”という別の形容詞がくっついて、
定型句の単独性がくずれて一般化されているので、
“A very Merry Xmas”、“a happy New Year”というように、
冠詞の“a”がついた表現となっているのです。

ちなみに、上記のように、「メリークリスマス」は、
“Merry Christmas”のほか、“Merry Xmas”と表記されることも多いのですが、
この場合の“Xmas”の“X”は、英単語の省略ではないので、
“X’mas”などと、後ろアポストロフィー「’」をつける必要はありません

※“Xmas”の“X”は、
ギリシャ語のΧριστος(クリストス)の“Χ(「キー」と読む)”からきていて、“X”の1字で「キリスト」、「十字架」を表しています。

冠詞の“a”が付いた一般化された表現については、
クリスマスソングのなかの有名なフレーズ、

We wish you a Merry Christmas,And a Happy New Year.”や、
A very Merry Xmas and a happy New Year

などのように、歌のリズムと一緒に覚えておくといいですね。

まとめ

「メリークリスマス」、「ハッピーニューイヤー」といったキーフレーズは、

① 挨拶やクリスマスカード・年賀状の表題などで、
キーフレーズとして単独で使う場合は、
“Merry Christmas”“Happy New Year”などと冠詞を付けないで使います。

② 歌詞の中などで、
文や文節のなかの一部分としてキーフレーズが組み込まれていたり、
“Merry Xmas”というキーフレーズの上に“very”のような、
別の形容詞が加わって定型句の単独性がくずれて一般化されているときは、
“A very Merry Xmas and a happy New Year”というように、
冠詞の“a”をつけて使います。

●「メリークリスマス」は、
“Merry Christmas”や“Merry Xmas”といった表記が正しく、
“Xmas”の“X”の前に「’」をつける必要はありません。

 

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