自然毒食中毒の原因となる代表的な動植物と菌類の種類のまとめ、植物性と動物性の自然毒と菌類(毒キノコ)の毒素の分類
自然毒による食中毒の原因となる様々な種類の動物や植物あるいは菌類といった生物の種族と、それぞれの生物の体内に含まれている具体的な毒素の種類について詳しく考察していきましたが、
今回の記事では、
そうした自然毒による食中毒の原因となる代表的な動植物の種類について、改めて、それぞれの動植物の体内に含まれている毒素の種類についても併記していく形でまとめて書き記しておきたいと思います。
自然毒食中毒の原因となる代表的な動植物および菌類の種類のまとめ
そうすると、まず、
詳しくは以下の図において示したように、こうした自然毒食中毒の原因となる自然毒の種類は、大きく分けて、
トリカブトやドクニンジンといった植物に含まれている植物性の自然毒と、フグやヒョウモンダコといった動物に含まれている動物性の自然毒、そして、ベニテングダケなどの菌類(毒キノコ)に含まれている毒素という三つのグループに分類することができると考えられることになります。
そして、このうち、
植物性の自然毒に分類される毒素を持つ代表的な植物の種類については、
例えば、
日本三大有毒植物に分類されているトリカブト、ドクウツギ、ドクゼリといった植物に含まれる毒性成分の種類としては、アコニチン、コリアミルチン、シクトキシンといった毒素の種類が挙げられることになり、
こうしたアコニチン、コリアミルチン、シクトキシンと呼ばれる植物性の自然毒は、主に、人間の神経系に障害を引き起こすことによって、
嘔吐やけいれん、さらには、呼吸困難や心臓発作といった中毒症状を引き起こして人間を死に至らしめることもある非常に危険な植物性の自然毒の種類として位置づけられることになると考えられることになります。
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また、それに対して、
動物性の自然毒に分類される毒素を持つ代表的な動物の種類については、
例えば、
トラフグ・マフグ・クサフグなどのフグ科の魚類に含まれているテトロドトキシンや、ハコフグやアオブダイなどに含まれているパリトキシンと呼ばれる神経毒の種類が挙げられることになり、
こうしたテトロドトキシンやパリトキシンによって引き起こされる食中毒においては、手足のしびれや骨格筋の麻痺、さらには、呼吸困難や血圧の低下から、呼吸停止や心停止へと至る神経系を中心とする中毒症状が引き起こされていくことになると考えられることになるのですが、
ちなみに、
こうしたパリトキシンと呼ばれる毒素は、一般的なフグ毒として有名なテトロドトキシンよりもさらに50倍くらい毒性が強い猛毒の神経毒の種類として位置づけられることになると考えられることになります。
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そして、最後に挙げた、
人体に対して有毒な菌類、すなわち、毒キノコに分類される代表的な菌類の種類については、
例えば、
毒キノコの猛毒御三家として有名なドクツルタケ、タマゴテングタケ、シロタマゴテングタケといった毒キノコに含まれているアマトキシンといった毒素の種類が挙げられることになり、
こうしたアマトキシンと呼ばれる毒キノコに由来する毒素は、摂食後しばらくしてから下痢やけいれんといった比較的軽症の初期の中毒症状を引き起こすか、そのまま無症状のまま経過したのち、
数日間かけて肝臓や腎臓の細胞を徐々に蝕んでいくことによって、肝不全や腎不全といった命に関わる重篤な中毒症状を引き起こしてしまうことになると考えられることになるのです。
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次回記事:微生物による食中毒の原因となる代表的な30種類の細菌とウイルスおよび寄生虫の分類のまとめ
前回記事:毒キノコに含まれる自然毒の代表的な種類とは?②食中毒の原因となるケースが多い毒キノコに含まれる主要な毒成分の種類
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