ティターン十二神の具体的な特徴とは?それぞれの神が司る世界の領域や固有の権能とギリシア神話における古代の神々の系譜
このシリーズの前回の記事で書いたように、ギリシア神話における宇宙のはじまりの物語においては、カオス(空隙、混沌)の内から生まれたガイア(大地)とウラノス(天空)と呼ばれる原初の神々の間には、
オケアノス、ヒュペリオン、コイオス、クレイオス、イアペトス、クロノス、テテュス、テイアー、ポイベー、テミス、ムネモシュネ、レアという名の
全部で十二柱のティターン十二神と呼ばれる古代の神々が生まれていくことになるのですが、
こうしたティターン十二神のうちに数え上げられている古代の神々は、それぞれが具体的にどのような特徴を持った神々として位置づけられることになると考えられることになるのでしょうか?
ギリシア神話におけるティターン神族に関する神々の系譜
まず、
こうしたティターン十二神と呼ばれる古代の神々は、キュクロプス(サイクロプス)やヘカトンケイルといった地上の巨人たちと兄弟の関係にある巨大な体を持った巨神族にあたる神々として位置づけられていて、
そうしたティターン十二神と呼ばれる巨神の一族は、大きく分けて、
オケアノス、ヒュペリオン、コイオス、クレイオス、イアペトス、クロノスという名の六柱の男性の神々と、
テテュス、テイアー、ポイベー、テミス、ムネモシュネ、レアという名の六柱の女性の神々へと分かれていくことになります。
そして、
こうしたギリシア神話におけるティターン神族に関する神々の系譜においては、ガイアとウラノスの間に生まれたティターン十二神のうち、
最初に生まれた長兄にあたる神はオケアノス、
最後に生まれた末弟にあたる神はクロノスとして位置づけられていて、
また、
こうしたティターン十二神と呼ばれる男女の神々のうち、
オケアノスとテテュス、ヒュペリオンとテイアー、コイオスとポイベー、そして、クロノスとレアという神々の組み合わせは、それぞれ、夫婦の関係にもある神々のペアとしても位置づけられていくことになるのです。
ティターン十二神に分類されるそれぞれの神の具体的な特徴
そして、このうち、
ギリシア神話の物語のなかで、比較的重要な役割を担っていると考えられるティターン十二神のうちに数え上げられる神々としては、
オケアノス、ヒュペリオン、テミス、ムネモシュネ、そして、クロノスとレアといった全部で六柱の神々の名が挙げられることになると考えられ、
具体的には、最初に挙げた
オケアノス(Okeanos)は、前述したように、ガイアとウラノスの間に生まれたティターン十二神の長兄にあたる神であり、
こうしたオケアノスと呼ばれる神は、ギリシア神話において円形の大地のまわりを還流していると考えられていた巨大な大河を象徴する太古の時代における海洋と河川を司る神として位置づけられることになります。
そして、その次に挙げた
ヒュペリオン(Hyperion)は、その名前自体がギリシア語において「いと高き者」「高空を行く者」といった意味を表す言葉であったと考えられるように、太古の時代における太陽神や光明神として位置づけられていた神であると考えられることになり、
その次に挙げた
テミス(Themis)は、ギリシア神話においては法と秩序を司る女神、
ムネモシュネ(Mnemosyne)は、ギリシア神話においては記憶を司る女神としてそれぞれ位置づけられることになります。
そして、最後に挙げた
クロノス(Kronos)とレア(Rhea)は、母なる女神ガイアと共に、大地と豊穣を司る神々として位置づけられていて、
ギリシア神話の物語においては、ガイアとウラノスの間に生まれたティターン十二神の末弟にあたるクロノスが、母なる女神ガイアから授けられたアダマス鎌を武器として暴政を行ってきた父なる神ウラノスを打ち破ることによって、
クロノスを盟主としたうえで、全宇宙がこうしたティターン十二神と呼ばれる神々によって支配されるティターン神族による統治の時代が幕開けを迎えていくことになるのです。
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次回記事:英語で「大洋」や「海洋」を意味するオーシャンという言葉の由来とは?ギリシア神話における古代の海洋神オケアノスとの関係
このシリーズの前回記事:クロノスによるウラノスの王位の簒奪とギリシア神話におけるアダマスの鎌から滴る血から生じた三人の復讐の女神
前回記事:アダマスやアダマンチウムと呼ばれる伝説上の金属のギリシア神話における名称の由来とは?メデューサやウルヴァリンとの関係
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