期外収縮の具体的な特徴と脈が飛ぶように感じられる理由とは?一般的な不整脈の三つのタイプ②

前回書いたように、

何らかの原因によって心臓の収縮のリズムが乱れ、心拍数や心拍のリズムが通常とは異なった状態になってしまう不整脈には、大きく分けると、

頻脈徐脈期外収縮という三つのタイプがあると考えられることになります。

そして、

頻脈と徐脈という不整脈の形態が、それぞれ心拍数の増加と減少という全体的な心拍数と脈拍のペースに関わる不整脈であるのに対して、

最後に取り上げる不整脈のタイプである期外収縮では、全体的な心拍数や脈拍のペース自体は変わらないという点に両者の違いがみられることになるのですが、

こうした期外収縮と呼ばれる不整脈の特徴は、具体的にはどのようなものであると考えられることになるのでしょうか?

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期外収縮の具体的な特徴と脈が飛ぶように感じられる理由とは?

冒頭でも書いたように、今回取り上げる不整脈のタイプである期外収縮においては、心拍の全体的なスピード自体には大きな変化は見られないのですが、

その代わりに、このタイプの不整脈では、個々の心拍のリズムの内に規則性の乱れがみられることになります。

つまり、期外収縮とは、全体的な心拍数や脈拍のペース自体は変わらないものの、通常の脈拍の間にイレギュラー(不規則的)な心臓の収縮が生じてしまうタイプの不整脈であるということです。

期外収縮の自覚症状としては、脈が飛んだり、心臓の鼓動が一拍休みになってしまったりするように感じられるので、

それが何とも言えない不快感や、このままずっと脈が止まったままになって心臓が止まってしまうのではないか?といった強い不安感へとつながってしまうこともありますが、

こうした脈が飛ぶ感覚は、通常の脈拍のリズムの間に期外収縮として現れる弱い拍動脈拍として感知することができないことによって生じる、言わば錯覚のような感覚であると考えられることになります。

期外収縮は、別名、早期収縮と呼ばれることもあるように、通常の脈拍のリズムの間に一拍だけ弱い拍動が先走って現れる不整脈の種類であるとも言えるのですが、

こうした先走って現れるイレギュラーな弱い拍動が、手首の脈を自分の指で触ってとるような通常の脈拍の測り方では心拍として感知することができないため、脈が飛んだり、鼓動が休んでしまったりしているような感覚へとつながってしまうということになるのです。

したがって、

期外収縮の自覚症状としては、数回に一回脈が飛んでいるような感覚があったとしても、その間に心臓が完全に停止してしまっているわけではなく

実際にはその間にも、イレギュラーなやや弱い拍動を挟んでいるとはいえ、心臓の収縮運動自体は絶えることなく続いていると考えられることになるのです。

・・・

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以上のように、

期外収縮とは、全体的な心拍数や脈拍のペース自体は変わらないものの、通常の脈拍の間にイレギュラーな心臓の収縮が生じてしまうタイプの不整脈であると考えられることになります。

そして、

期外収縮の発作では、ときどき脈が飛んでいるような感覚に襲われることになりますが、こうした自覚症状は、期外収縮によって先走って現れるイレギュラーな弱い拍動が、通常の触診では脈拍として感知することができないことからくる錯覚であり、

実際には、脈が飛んでいるように感じている間にも、心臓の収縮運動自体は絶えることなく続いていると考えられることになるのです。

したがって、

狭心症や心筋梗塞、心筋症といった心臓の器質的な疾患が前提として存在しない場合は、こうした期外収縮自体が死に直結するような重篤な不整脈となる可能性は非常に低いと考えられることになります。

しかし、その一方で、

すべての種類の期外収縮が生命に危険をおよぼす恐れがまったくない完全に安全な種類の不整脈であるというわけではなく、

単発の期外収縮から、二段脈三段脈の期外収縮、あるいは、連発型頻発型の期外収縮といった期外収縮のパターンの違いに応じて、命にかかわる危険度の度合いも異なっていくことになるのですが、

こうした個々の期外収縮のパターンにおけるそれぞれの不整脈の特徴と危険性の判断については、また次回以降詳しく考えていきたいと思います。

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次回記事一拍おきの期外収縮が二段脈で二拍おきの期外収縮が三段脈となる理由とは?一般的な不整脈の三つのタイプ③

前回記事:頻脈と徐脈の定義と具体的な判断基準とは?一般的な不整脈の三つのタイプ①

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