一拍おきの期外収縮が二段脈で二拍おきの期外収縮が三段脈となる理由とは?一般的な不整脈の三つのタイプ③

前回書いたように、

一般的な不整脈のタイプは、通常の状態よりも脈拍のリズムが速くなるタイプの不整脈である頻脈性不整脈と、脈拍のリズムが遅くなるタイプの不整脈である徐脈性不整脈、そして、全体的な脈拍のリズムは変わらないものの通常の脈拍の間にイレギュラー(不規則的)な心臓の収縮が生じてしまうタイプの不整脈である期外収縮という三つのタイプの不整脈に大別することができると考えられることになります。

そして、三番目のタイプの不整脈である期外収縮には、イレギュラーな拍動の現れ方に応じて、単発の期外収縮から、二段脈三段脈の期外収縮、あるいは、連発型頻発型の期外収縮といった様々なパターンが存在することになるのですが、

今回は、こうした期外収縮のパターンのうち、単発の期外収縮に次いで多く現れる一般的な不整脈の種類である二段脈や三段脈といった期外収縮のパターンについて考えてみたいと思います。

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一拍おきの期外収縮が二段脈と呼ばれ、二拍おきの期外収縮が三段脈と呼ばれる理由とは?

期外収縮の現れ方としては、通常の脈拍のリズムの間に、まったくの不規則な間隔単発の期外収縮がしばらくの間断続的に現れ続けるというパターンが最も一般的ですが、

期外収縮が現れる一般的なパターンとしてはこうした単発の期外収縮の他に、

通常の脈拍のリズムと交互に現れるような形で、一拍おきや二拍おきに期外収縮が出現し続けるという、期外収縮による不規則的な心臓の収縮のなかにも、一定の規則的なパターンが見られるケースもあります。

こうした一定の規則性を持った形で期外収縮が出現するケースでは、特に、期外収縮が一拍おきに現れるケースは二段脈と呼ばれ、期外収縮が二拍おきに現れるケースは三段脈と呼ばれることになります。

それでは、

なぜ、一拍おきの期外収縮が二段脈と呼ばれ、それに対して、二拍おきの期外収縮が三段脈と呼ばれることになるのか?ということについてですが、

その理由は、通常の脈拍が打たれているタイミングと、期外収縮の拍動が打たれるタイミングとの時間間隔の違いに求められることになります。

期外収縮は、別名、早期収縮とも呼ばれるように、通常よりも早いタイミングで拍動が生じてしまう不整脈の種類であるといえるのですが、

こうした早期収縮としての期外収縮の出現によって前の脈拍との間の拍動の間隔が詰まってしまった分、

期外収縮が現れた後の脈拍は、通常の脈拍のタイミングよりも間隔があいた形で打ちだされることになります。

つまり、

期外収縮の拍動の後、次の拍動が打たれるまでの時間間隔が通常よりも長くあいてしまうことによって、その時間間隔が脈拍の波を区切りづけることになり、

期外収縮の次に現れる通常の脈拍から、次の期外収縮の拍動が打たれるまでの脈拍がひとまとまりのセットとして感じられることになるのです。

したがって、

上記のような、通常の脈拍と期外収縮の拍動が一定の規則性を持って交互に現れるケースでは、期外収縮の次の通常の脈拍から次の期外収縮の拍動までの脈拍の数が1セットの脈拍のかたまりとしてカウントされることになり、

一拍おきの期外収縮のパターンは、通常の脈拍1つと期外収縮1つで合わせて2拍の脈拍のセットが形成されるので二段脈

それに対して、

二拍おきの期外収縮のパターンは、通常の脈拍2つと期外収縮1つで合わせて3拍の脈拍のセットが形成されるので三段脈と呼ばれることになるのです。

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二段脈や三段脈の不整脈としての危険性の度合について

そして、

こうした二段脈や三段脈と呼ばれる期外収縮のパターンでは、通常の脈拍の次に期外収縮の脈拍が重なるような形で現れ続けることになるので、

自覚症状としては、二段脈の場合はドドッ三段脈の場合はドドドッというように、脈拍が互いに重なって押し寄せてくるように感じられることになります。

こうした二段脈や三段脈の拍動のパターンがもたらす独特の感覚は、胸のあたりの何とも言えない違和感や圧迫感のようなものへもつながっていくことになりますが、

こうした二段脈や三段脈の期外収縮の場合でも、期外収縮のイレギュラーな拍動の次に現れる、通常の脈拍のリズムで打たれた拍動がしっかりと全身へ血液を送り出していることに違いはないので、

こうした期外収縮のパターンも通常の単発の期外収縮の場合と同様に、心臓自体に器質的な疾患が見られない場合は、あまり問題のないタイプの不整脈であることが多いと考えられることになるのです。

・・・

以上のように、

二段脈三段脈とは、期外収縮の拍動が一定の規則性を持って通常の脈拍と交互に現れる期外収縮のパターンの一種であり、

二段脈は、一拍おきの期外収縮のパターンが通常の脈拍1つと期外収縮1つで合わせて2拍の脈拍のセットを形成することから二段脈と呼ばれ、

三段脈は、二拍おきの期外収縮のパターンが通常の脈拍2つと期外収縮1つで合わせて3拍の脈拍のセットを形成することから三段脈と呼ばれることになります。

そして、

こうした二段脈や三段脈と呼ばれる期外収縮のパターンの場合でも、通常の脈拍が打たれる際に、十分な量の血液が全身へと送り出されることになるので、

これらの不整脈のパターンも、心臓自体に器質的な疾患が見られない場合は、それ自体が生命の危機につながるような重篤な不整脈へと進展する危険性は低いタイプの不整脈であると考えられることになります。

それでは、どのようなタイプの期外収縮の種類が比較的危険性の高い期外収縮のパターンなのか?ということについては、また次回詳しく考えてみたいと思います。

・・・

次回記事期外収縮と頻脈性不整脈との関係とは?連発型の期外収縮の危険性と頻脈発作への移行、一般的な不整脈の三つのタイプ④

前回記事:期外収縮の具体的な特徴と脈が飛ぶように感じられる理由とは?一般的な不整脈の三つのタイプ②

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