頻脈と徐脈の定義と具体的な判断基準とは?一般的な不整脈の三つのタイプ①
不整脈とは、何らかの原因によって心臓の収縮のリズムが乱れ、心拍数や心拍のリズムが通常とは異なる状態になってしまっていることを示す言葉ですが、
こうした不整脈の状態は、心拍数や心拍のリズムの乱れ方の違いに応じて、頻脈と徐脈そして期外収縮という三つのタイプに分けることができると考えられることになります。
それでは、こうした頻脈・徐脈・期外収縮という三つのタイプの不整脈は、それぞれ具体的にどのような心拍の状態のことを示す言葉であり、
それぞれの不整脈の種類は互いにどのような関係にあると考えられることになるのでしょうか?
頻脈性不整脈の定義と具体的な基準とは?
通常、人間の心臓は、1分間に約60~80回ほどの心拍数で規則的なリズムの拍動を繰り返していくことになりますが、
まず、はじめに取り上げる不整脈のタイプである頻脈においては、こうした心拍のリズムがより速くなる方向へと乱れてしまうことになります。
つまり、頻脈、すなわち、頻脈性不整脈とは、通常の状態よりも脈拍のリズムが速くなり、心拍数が増加してしまう不整脈のタイプであるということです。
具体的には、運動や心理的な緊張などが見られない安静状態において、1分間の心拍数が100回を超える程度になると頻脈性の不整脈が疑われることになり、
典型的な種類の頻脈発作である発作性頻拍では、安静時においても突然1分間の心拍数が120~200回程度にまで増加してしまい、
こうしたはっきりとした頻脈発作の段階になると、自覚症状としても動悸や息切れなどが生じ、心理的にも強い不快感や恐怖を感じることになります。
頻脈の状態がさらに亢進すると、多い時には、1分間の心拍数が300回を超えるケースや、場合によっては400回程度にまで到達してしまうケースまであるのですが、
こうした高度の頻脈状態では、一回一回の拍動において心臓が十分な量の血液を送り出すことが難しくなるので、全身への血流量が不足し、めまいや立ちくらみ、さらには失神といったより重大な症状が現れることになります。
また、こうした高度の頻脈状態が、特に、血液を全身へと送り出す働きを担っている心室部分で起こる場合は、心室頻拍や心室細動などの心停止へと直結しうる致死性不整脈へと移行しやすくなるので、
こうした心室性頻脈は、同じ頻脈性不整脈のタイプのなかでも、より危険性の高い不整脈の種類に分類されることになります。
徐脈性不整脈の定義と具体的な基準とは?
これに対して、次に取り上げる不整脈のタイプである徐脈においては、心拍のリズムはより遅くなる方向へと乱れていくことになります。
つまり、徐脈、すなわち、徐脈性不整脈とは、通常の状態よりも脈拍のリズムが遅くなり、心拍数が減少してしまうタイプの不整脈であるということです。
具体的には、通常の安静状態において、1分間の心拍数が50回を下回るようになると徐脈性の不整脈が疑われることになり、
分間の心拍数が30回~40回程度となると、明らかな徐脈であると診断されることになります。
徐脈の場合、全身に血液が送り出す心臓の拍動の数自体が減ることによって、全身の血流量も減少してしまうことになるので、徐脈の進行に伴って、息切れや疲労感などの自覚症状や、めまいや失神といったより重大な症状が現れることになります。
また徐脈性不整脈の場合も、頻脈性不整脈の場合と同様に、不整脈の発作が心房または心房と心室の境界部分にあたる上室部分で生じる場合よりも、
全身に血液を送り出す部位である心室部分において不整脈発作が生じてしまう場合に、命にかかわる重篤な状態へと陥ってしまう危険性が高くなると考えられることになります。
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以上のように、
頻脈とは、通常の状態よりも脈拍のリズムが速くなり、心拍数が増加するタイプの不整脈のことを指す言葉であり、
それに対して、
徐脈とは、通常の状態よりも脈拍のリズムが遅くなり、心拍数が減少するタイプの不整脈のことを指す言葉ということになります。
そして、頻脈や徐脈の具体的な判断基準としては、
人間の通常の心拍数が1分間に60~80回程度であるのに対して、
安静時における1分間の心拍数が100回以上の場合には頻脈性不整脈が疑われ、その反対に、1分間の心拍数が50回以下の場合には徐脈性不整脈であると概ね判断されると考えられることになるのです。
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そして、
今回取り上げた頻脈と徐脈という不整脈のタイプが、両者とも全体的な心拍数と脈拍のペースに関わる不整脈であるのに対して、
次回取り上げる期外収縮という不整脈のタイプは、全体的な心拍数や脈拍のペース自体は変わらないものの、個々の心拍のリズムの間に不規則的な拍動が現れてしまうタイプの不整脈ということになるのですが、
こうした期外収縮の具体的な特徴と、頻脈と徐脈という他の不整脈のタイプとの関連性については、次回詳しく考えてみたいと思います。
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次回記事:期外収縮の具体的な特徴と脈が飛ぶように感じられる理由とは?一般的な不整脈の三つのタイプ②
前回記事:致死性不整脈を引き起こす代表的な五つの不整脈疾患の種類のまとめ
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