かに座のギリシア神話における由来とは?ヘラクレスの怪物ヒュドラとの戦いの物語と大ガニのカルキノスの勇敢さと不屈の精神

黄道十二星座の一つとして位置づけられている蟹座(かにざ)は、黄道十二宮における巨蟹宮(きょかいきゅう)の領域とも結びつけられることによって、

二十四節気のうちの夏至から大暑の頃までの時期にあたる 622日から722までの31日間の期間を司る星座としても位置づけられることになるのですが、

こうしたかに座と呼ばれる星座は、ギリシア神話においては具体的にどのような由来を持つ星座であると考えられることになるのでしょうか?

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ヘラクレスの怪物ヒュドラとの戦いの物語と大ガニのカルキノス

そうすると、まず、

こうしたかに座と呼ばれる星座のギリシア神話における由来となったと考えられる巨大な鋏を持つ大蟹の姿は、

ギリシア神話の物語においては、ギリシア神話における半神半人の英雄であるヘラクレス怪物ヒュドラとの戦いの物語のなかで描かれていくことになると考えられることになります。

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ギリシア神話における半神半人の英雄であり、怪力を持つ豪傑としても有名なヘラクレスは、デルポイの神託によって示された定めに従ってヘラクレスの十二の功業などとして知られる怪物退治の偉業を成し遂げるために、ギリシア各地へと赴いて行くことになるのですが、

そうした十二の功業のうちの二番目の戦いとしては、ヒュドラと呼ばれる巨大な水蛇との戦いが挙げられることになります。

ギリシアのペロポネソス半島の東北部に位置する古代都市であったアルゴスに近いレルネーの泉に住む巨大な水蛇であったヒュドラは、

巨大な胴体九つの頭が生えた怪物であり、中央にある一つの頭は不死であるうえに、中央の頭が持つ不死の力によって全身が生かされているうちは、残りの八つの頭も切り落とした先から次々に再生して生えてきてしまうことになるため、

ヘラクレスもはじめのうちは、叩き落した先からすぐに再生してくるヒュドラの頭とのいたちごっこに悪戦苦闘していくことになります。

そして、その後、ヘラクレスは、

こうしたヒュドラの八つの頭をこん棒で叩き落としていくごとに、彼の従者であったイオラオスに頭が生えていた首の付け根を焼きはらわせて再び新しい頭が生えてくるのを妨げているうちに、

中央に位置する残りの一つの不死の頭を切り離して大きな岩の下に埋めて封印してしまうことによってこの怪物を退治することに成功することになるのですが、

そうしたヘラクレスヒュドラとの戦いの最中に、古代ギリシア語において「蟹」のことを意味するカルキノス(καρκίνοςという呼び名で呼ばれることになる大ガニが登場してくることになるのです。

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大ガニの勇敢さと不屈の精神とを讃える象徴としてのかに座の姿

ヘラクレスが怪物退治のために訪れていたレルネーの泉には、ヒュドラと呼ばれる巨大な水蛇のほかにも、カルキノスと呼ばれる大ガニも住んでいたのですが、

ヒュドラヘラクレスとの戦いにおいて劣勢となると、それまで物陰に隠れて様子を見ていた大ガニカルキノスも、

少しでも泉の主であるヒュドラの側に加勢しようと自らの身を挺してヘラクレスの前に飛び出すと、そのまま彼の足に食らいついていくことになります。

そして、

こうしたヘラクレスによるヒュドラ退治の物語を、怪物を退治する英雄ヘラクレスの側ではなく、退治されてしまう怪物たちの側の視点に立って眺めてみると、

怪力を振るって自分たちの住みかを荒らしに来るヘラクレスに対して、泉の主でヒュドラのことを守ろうとして奮戦する大ガニの姿は、

日本の昔話のなかの「さるかに合戦」に出てくる親の仇を討とうとして奮戦する子ガニたちのような姿に重ねられるような形でも捉えていくことができると考えられることになるのですが、

乱暴な猿を撃退して親の仇を討つことによって、最後はカニたちの側の勝利に終わる「さるかに合戦」の物語の結末とは異なり、

小さなカニたちの中では巨大な体を持つとは言え、ヒュドラのように特別な力を与えられているわけでもなく、怪力を誇るヘラクレスの前では小さく非力な存在に過ぎないただの大ガニは、

ヒュドラとの戦いの流れに特に大きな影響をおよぼすこともできずに、ヘラクレスによってすぐに踏み潰されてしまうことになります。

そして、こうした一連の出来事を見ていて、

ヘラクレスに踏み殺されてしまった大ガニのことを不憫に思うと同時に、小さく弱き者であっても自らの身を挺して自分の住みかを守ろうとする勇敢な心に心を打たれたゼウスの妻であった女神ヘラが、

こうした大ガニカルキノスが自らの身をもって示した勇敢さと不屈の精神とを讃えて、その姿を夜空に輝く星座の姿としてとどめることになったのが、

こうしたギリシア神話におけるかに座と呼ばれる星座の名前の具体的な由来であると考えられることになるのです。

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次回記事:しし座のギリシア神話における由来とは?ネメアの獅子と英雄ヘラクレスの戦いの物語と強靭な肉体と英雄の象徴となる星座の姿

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