かに座の星の名前の由来とは?五つの恒星が構成する逆Y字型の星座の形と右横に添えられた「マフラー」を意味する小さな星
黄道十二星座の一つとして位置づけられている蟹座(かにざ)は、黄道十二宮における巨蟹宮(きょかいきゅう)の領域とも結びつけられることによって、
二十四節気のうちの夏至から大暑の頃までの時期にあたる 6月22日から7月22日までの31日間の期間を司る星座としても位置づけられることになるのですが、
天文学において、こうしたふたご座を構成する主要な星としては、具体的にどのような星の名前が挙げられることになると考えられることになるのでしょうか?
かに座を構成する主要な六つの星の名前と具体的な由来
そうすると、まず、
こうした日本語ではかに座、英語ではCancer(キャンサー)と呼ばれる星座は、現代の天文学においては、全部で189個ほどの恒星によって構成されている星座として位置づけられることになるのですが、
こうしたかに座を構成している様々な星々のうち、地球から見たとき比較的明るくて大きい星として観測されることになる主要な星の名前を挙げていくと、
アクベンスとアルタルフ、アセルス・ボレアリス、アセルス・アウストラリス、デカポダ、メレフといった全部で六つの星の名前を挙げていくことができると考えられることになります。
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こうしたかに座を構成する主要な六つの星のうち、はじめに挙げた
アクベンス(Acubens)は、アラビア語において「爪」を意味するal zubanāh(アル・ズバナ)という言葉に由来する名前を持つふたご座を構成する星々のなかでは四番目に明るい四等星の恒星であり、
その次に挙げた
アルタルフ(Altarf)は、アラビア語において「端」や「終わり」といった意味を表すaṭ–ṭarf(アッターフ)という言葉に由来する名前を持つふたご座を構成する星々のなかでは最も明るい四等星の恒星として位置づけられることになります。
そして、その次に挙げた
アセルス・ボレアリス(Asellus Borealis)は、ラテン語において「北方のロバ」を意味する言葉が名前としてつけられた星であるのに対して、
アセルス・アウストラリス(Asellus Australis)は、ラテン語において「南方のロバ」を意味する言葉が名前としてつけられた星であり、
その次に挙げた
デカポダ(Decapoda)は、ラテン語においてカニやエビなどといった甲殻類のことを意味する言葉がそのまま名前としてつけられた星、
そして、最後に挙げた
メレフ(Meleph)は、アラビア語において「ストール」や「マフラー」を意味するal ma᾽laf(アル・マラフ)という言葉に由来する名前を持つ星としてそれぞれ位置づけられることになると考えられることになるのです。
五つの恒星が構成する逆Y字型の星座の形と右横に添えられた「マフラー」のような小さな星
そして、
こうしたかに座を構成している主要な星々を線でつなげて星座の形を描いていく場合には、
前述した主要な六つの星のなかでも特に、アクベンスとアルタルフ、そして、アセルス・アウストラリスとデカポダというかに座を構成する星々のなかでは最も明るい上位四つの恒星を基点として、
上記の図において示したように、逆Y字型のような形状をした星座の形が描かれていくことになると考えられることになります。
そして、
こうした最も明るい四つの恒星のうちの一つとして位置づけられている南方の星であるアセルス・アウストラリスに対応する「北方の星」であるアセルス・ボレアリスを加えたうえで、
さらに、
そうした五つの星からなる逆Y字型の星座の形の右横に、ちょうど首に巻き付けられた「マフラー」のような形でメレフと呼ばれる小さな星が添えられることによって、
こうしたかに座を構成する主要な六つの星が互いに結びつけられていくことになると考えられることになるのです。
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