寄生植物と腐生植物の違いとは?それぞれに分類される代表的な生物の種類と具体的な特徴のまとめ
腐生植物と寄生植物の違いについて、一言でいうと、
腐生植物とは、自分が生育していくために必要な有機物を菌類から吸収することによって生活している菌類に寄生する植物のことを意味するのに対して、
寄生植物とは、自分が生育していくために必要な有機物を他の植物から吸収することによって生活している自分以外の植物に寄生する植物のことを意味する言葉として定義することができると考えられることになります。
そして、
こうした腐生植物と寄生植物というそれぞれの生物の種族に分類される代表的な生物の種類についてまとめると、以下のような植物の種類の名を挙げていくことができると考えられることになります。
腐生植物の具体的な特徴と分類される代表的な植物の種類のまとめ
そうすると、まず、
詳しくは前回の記事で考察したように、はじめに挙げた腐生植物と呼ばれる植物の種族は、さらに、
光合成を行うことができずに、植物が生育していくために必要な有機物のすべてを完全に菌類に依存している完全菌従属栄養植物と、
光合成を行うこともできる一方で、植物が生育していくために必要な有機物の一部を菌類から吸収することによって補っている部分的菌従属栄養植物に区分されていくことになります。
そして、このうち、
前者の完全菌従属栄養植物に分類される代表的な植物の種類としては、
ツツジ科に分類されるギンリョウソウ(銀竜草)やシャクジョウソウ(錫杖草)、
ユリ科に分類されるサクライソウ(桜井草)、
ラン科に分類されるツチアケビ(土通草)やオニノヤガラ(鬼の矢幹)、ムヨウラン(無葉蘭)、ショウキラン(鍾馗蘭)、マヤラン(摩耶蘭)、さらには、
ヒナノシャクジョウ(雛の錫杖)やルリシャクジョウ(瑠璃錫杖)、ホンゴウソウ(本郷草)といった植物の種類の名が挙げられることになるのに対して、
後者の部分的菌従属栄養植物に分類される代表的な植物の種類としては、
ラン科に分類されるキンラン(金蘭)やギンラン(銀蘭)、シュンラン(春蘭)、コオロギラン(蟋蟀蘭)、サイハイラン(采配蘭)といった植物の種類の名が挙げられることになるのです。
寄生植物の具体的な特徴と分類される代表的な植物の種類のまとめ
そして、それに対して、
詳しくはこのシリーズの三つ前の記事で考察したように、もう一方の寄生植物と呼ばれる植物の種族についても同じように、
光合成を行うことができずに、植物が生育していくために必要な有機物のすべてを寄生対象となる他の植物に完全に依存している全寄生植物と、
光合成を行うこともできる一方で、植物が生育していくために必要な有機物の一部を寄生対象となる他の植物から吸収することによって補っている半寄生植物に区分されていくことになります。
そして、このうち、
前者の全寄生植物に分類される代表的な植物の種類としては、
世界最大の花として有名なラフレシアや、アポダンテス、キティヌス、クラメリア、ヒドノラ、レンノア、ヤッコソウ(奴草)、
ヒルガオ科に分類されるネナシカズラ(根無葛)とマメダオシ(豆倒)、
ハマウツボ科に分類されるハマウツボ(浜靫)、ヤセウツボ(痩靫)、ナンバンギセル(南蛮ギセル)といった植物の種類の名が挙げられることになるのに対して、
後者の半寄生植物に分類される代表的な植物の種類としては、
ビャクダン科に分類されるビャクダン(白檀)やツクバネ(衝羽根)、カナビキソウ(鉄引草)、
クスノキ科に分類されるスナヅル(砂蔓)、イトスナヅル(糸砂蔓)、ケスナヅル(毛砂蔓)、さらには、
ヤドリギ(宿り木)やオオバヤドリギ(大葉宿木)、ミソデンドルム、木の枝があまりにも折れやすくすぐにボロボロと落ちていってしまうことからその名がついたボロボロノキ(ぼろぼろの木)
といった植物の種類の名が挙げられることになると考えられることになるのです。
・・・
次回記事:動物や虫に寄生する植物は存在するのか?人間の肺の中で育ったエンドウ豆と冬虫夏草
前回記事:腐生植物とは何か?部分的菌従属栄養植物と完全菌従属栄養植物に分類される代表的な植物の種類と植物と菌類の二重の寄生関係
「生物学」のカテゴリーへ