B型肝炎とC型肝炎における急性肝炎の症状の違いとは?劇症肝炎へと至る危険性の比較と一過性感染と持続感染の違い

前回の記事で書いたように、B型肝炎ウイルスC型肝炎ウイルスと呼ばれる血液などの体液を介した非経口感染を引き起こす二つの肝炎ウイルスの種類は、

B型肝炎ウイルスDNAウイルスであるのに対して、C型肝炎ウイルスRNAウイルスであるといったウイルスの構造や具体的な感染経路の違いなどといった点においても、互いに大きく異なった特徴を持つウイルスであると考えられることになるのですが、

それと同様に、

こうしたB型肝炎ウイルスC型肝炎ウイルスのそれぞれのウイルスによって引き起こされるウイルス性肝炎であるB型肝炎C型肝炎においても、

具体的な症状の進展のあり方や、肝炎自体の危険性のあり方に大きな違いが生じていくことになると考えられることになります。

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B型肝炎とC型肝炎における一過性感染と持続感染の違い

まず、

こうしたB型肝炎ウイルスC型肝炎ウイルスによって引き起こされる肝炎の病態は、大きく分けて、

ウイルス感染してから数週間から数か月といった比較的短期間のうちに症状が現れる一過性感染によって引き起こされる急性肝炎と、

ウイルス感染してから数年から数十年にもおよぶ長い時間をかけて徐々に肝炎の症状が進行していくことになる持続感染によって引き起こされる慢性肝炎という二つの病態のタイプへと分類されることになります。

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B型肝炎とC型肝炎における急性肝炎の症状の違いと劇症肝炎へと至る危険性の比較

そして、

今回の記事で取り上げる前者の一過性感染およびそれによって引き起こされることになる急性肝炎ついては、まず、

B型肝炎ウイルスによる一過性感染の場合には、ウイルスに感染した人のうち2030%が急性肝炎を発症することになり、

具体的な症状としては、

皮膚や眼球の白い部分が黄色くなる黄疸(おうだん)と呼ばれる症状や、倦怠感発熱右上のお腹の部分の肋骨の下あたりの痛み上腹部膨満感といった症状が現れることになります。

そして、

患者のうちの大分部は、およそ一か月程度で肝機能が回復して治癒へと向かっていくことになると考えられることになるのですが、

こうしたB型肝炎ウイルスによる急性肝炎を発症した患者のうちのおよそ2%程度の患者は、劇症肝炎と呼ばれる肝機能が著しく低下して肝不全に近い状態へと至る重症の肝炎の状態へと移行していってしまうことになり、

B型肝炎における劇症肝炎の予後は悪く、そうしたB型肝炎ウイルスによる劇症肝炎を引き起こした患者の死亡率は70%程度にもおよぶと考えられることになるのです。

・・・

そして、それに対して、

C型肝炎ウイルスによる一過性感染の場合には、B型肝炎ウイルスの場合と同様に、ウイルスに感染した人のうち2030%が急性肝炎を発症することになると考えられることになるのですが、

一般的に、C型肝炎における急性肝炎の症状は、前述したB型肝炎における急性肝炎の症状よりも軽くすむことが多いと考えられ、

具体的な症状としては、

B型肝炎の場合と比べて肝疾患特有の症状である黄疸が現れるケースは比較的少なく、全身における倦怠感発熱食欲不振嘔吐といった症状などが現れることになり、

ほとんどの患者は一か月か遅くても数か月程度で肝機能が回復して治癒へと向かっていくことになると考えられることになります。

また、

こうしたC型肝炎ウイルスによる急性肝炎を発症した患者は、B型肝炎ウイルスによる急性肝炎の場合とは異なって、劇症肝炎へと進展してしまうケースがほとんど見られないといった点についても、

こうしたB型肝炎ウイルスC型肝炎ウイルスと呼ばれる二つの肝炎ウイルスによって引き起こされる急性肝炎の症状における具体的な特徴の違いがあると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:B型肝炎とC型肝炎における慢性肝炎の具体的な病状の進展のあり方の違いと肝硬変および肝臓がんへの移行の仕組み

前回記事:B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスの感染ルートとウイルスの構造の違い

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