プラズマの語源とは何か?ギリシア語におけるプラズマの意味と血漿とマイコプラズマ
プラズマ(plasma)とは、物理学の分野において、原子や分子が電子を放出したり取り入れたりすることによってプラスの電荷を帯びた陽イオンとマイナスの電荷を帯びた陰イオンとに電離している状態のことを意味する言葉であり、
特に、超高温状態などにおいて、電子をはぎ取られたプラスの電荷をもつ裸の原子核とマイナスの電荷を持つ電子とが互いに自由に飛び交っている状態のことを指して、こうした物理学におけるプラズマという言葉が用いられることになると考えられることになります。
そして、
惑星の上層大気や、太陽を含むすべての恒星、さらには、そうした恒星間に存在する水素を主成分とするガスや微粒子によって構成される星間物質などもプラズマで構成されているように、
宇宙を形づくっている物質の99%以上はプラズマ状態で存在していると考えられることになるのですが、
こうしたプラズマという言葉は、その語源となる大本の意味においては、具体的にどのような意味をもつ言葉であると考えられることになるのでしょうか?
ギリシア語におけるプラズマの意味とは?
まず、
英語におけるplasma(プラズマ)、あるいは、ドイツ語におけるPlasma(プラスマ)やフランス語におけるplasma(プラスーマ)といった言葉の大本の語源となる言葉としては、
ギリシア語におけるplasma(プラスマ)という言葉が挙げられることになりますが、こうしたギリシア語におけるplasma(プラスマ)という言葉は、
そのもともとの原義となる意味においては、「形づくられたもの」あるいは「型に流し込んでつくられたもの」といった意味を表す言葉であったと考えられることになります。
そして、
こうした同じギリシア語におけるplasma(プラスマ)という言葉からは、その言葉が用いられるそれぞれの学問分野において、様々な意味が派生していくことになり、
例えば、
医学の分野においては、血液から赤血球や白血球といった血球成分や血小板などをのぞいた残りの液体成分にあたる血漿(けっしょう)の存在のことを意味する言葉として、こうしたプラズマという言葉が用いられることになるほか、
風邪や肺炎の症状を引き起こす病原体の一種であるマイコプラズマといった病原体のことを意味する名称のうちにも、こうしたギリシア語の原義に基づくplasma(プラスマ)という言葉が用いられていると考えられることになるのです。
多様な空間の型に合わせて自在に形を変えていく電離状態にある原子や分子の集合体としてのプラズマの姿
以上のように、
物理学の分野において、プラスの電荷を帯びた陽イオンや原子核と、マイナスの電荷を帯びた陰イオンや電子とが互いに自由に飛び交っている状態のことを意味するプラズマという言葉は、
その大本の語源となるギリシア語の原義となる意味においては、「形づくられたもの」あるいは「型に流し込んでつくられたもの」といった意味を表す言葉であったと考えられることになります。
そして、そういった意味では、
そうした電離状態にある原子や分子の集合体が、惑星上の大気や、太陽のような恒星、さらには、暗黒の宇宙空間を満たしている星間物質といったそれぞれが位置している空間の多様な状況の型に合わせて自在に形を変えていきながらその空間の内を自由に飛び回っているという状態のことを指して、
こうしたギリシア語におけるplasma(プラスマ)を語源とするプラズマという言葉が用いられることになったと考えられることになるのです。
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