フロイトの心理学におけるリビドーの五つ発達段階とは?口唇期・肛門期・エディプス期・潜伏期・性器期の特徴のまとめ

詳しくは前々回から前回の記事にわたって書いてきたように、

フロイトの心理学においては、人間におけるあらゆる生命活動と心的活動の源となる根源的な心的なエネルギーのあり方が、リビドーと呼ばれるある種の性的なエネルギーとして位置づけられたうえで、

人間の心における心理的機能の発達のあり方は、そうした性的指向を持った心的なエネルギーとしてのリビドーの発達を原動力として進んでいくことになると考えられることになります。

そして、

そうした人間の心におけるリビドーの発達段階のあり方についてまとめると、それは、以下で述べるような口唇期・肛門期・エディプス期・潜伏期・性器期と呼ばれる五つの発達段階へと分類されていくことになると考えられることになるのです。

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フロイトの心理学におけるリビドーの五つ発達段階のそれぞれの特徴

まず、

フロイトの心理学におけるリビドーの五つ発達段階のうちの最初の段階として位置づけられるのは、

生まれた直後から生後2歳頃までの乳幼児の時期に現れる口唇期(こうしんき、oral stageと呼ばれるリビドー発達段階であり、

口唇期においては、リビドーの発達がくちびるの周囲に限定されたうえで、乳児が本能的に母親の乳房や哺乳瓶を吸うといった行為を通じて自らの欲求が充足されていく感覚としてのリビドーの充足を得ていくことになり、

それと同時に、心理面においては、自分にとって必要な時に自分が望むものが与えられることへの安心感や、両親などの保護者に対する信頼感などを得ていくことを通じて、自らの心の内に愛情や信頼といった人間にとって最も重要な肯定的な感情の基盤が形成されていくことになると考えられることになります。

そして、その次の段階として位置づけられるのは、

2歳頃から4歳頃までの時期に現れる肛門期(こうもんき、anal stageと呼ばれるリビドー発達段階であり、

肛門期においては、リビドーの中心となる体の部位が口唇から肛門や泌尿器といった部位へと移動していったうえで、トイレットトレーニング(toilet trainingなどを通じて、自分自身の意思によって自らの排泄機能をコントロールすることができるようになることによってリビドーの充足を得ていくことになり、

それと同時に、心理面においては、それまでのように自分の欲求のままに行動するだけではなく、周りの状況やルールに合わせて適切なタイミングを見て行動するようになることによって、自らの心の内に規律や節制といった他者と共に社会生活を営んでいくために必要な行動原理を形成していくことになると考えられることになります。

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そして、

その次の4歳頃から6歳頃に現れるリビドーの発達段階であるエディプス期(Oedipus stageまたは男根期(phallic stageと呼ばれるリビドーの発達段階へと入ると、

子供たちは、漠然とした形ではあるものの、男の子と女の子の互いの体の違いを見比べていくことなどを通じて男女の性的な違いに気づいていくことになり、この段階において、のちの思春期の時期において現れる強い恋愛感情へと通じるような基礎的な性愛感情が芽生えていくことになると考えられるのですが、

エディプス期においては、そうした原初的な性愛感情は、自分にとっての最も身近で最も深い愛情を感じる相手である両親、特にそのうちの異性の親に対して向けられていくことになり、

そうしたエディプスコンプレックスエレクトラコンプレックスにおいて見られるような原初的な性愛感情を中心とする多様な感情の葛藤と抑圧を経ることによって、子供の心の内部において自我や超自我やエスといった心の領域の分化複雑な心理機能の形成が進んでいくことになると考えられることになります。

そして、その後、

子供がちょうど小学校に入学する頃の時期である6歳から7歳以降の学童期へと入るとリビドー発達段階は潜伏期(latency stageと呼ばれる段階へと移行していくことになり、

潜伏期においては、その前の段階であるエディプス期において形成された、大人の人間と同様の複雑な心理機能の枠組みは維持されたまま、性的な性質を持った心的エネルギーであるリビドー自体は無意識の領域へと潜在化していくことになるので、

こうした潜伏期の状態にある子供の心の内部においては、性的な指向の強いリビドーによる干渉をあまり受けずに、大人の人間と同等に複雑で高度な働きを持った心理的機能を用いた思考が積み重ねられていくことによって、

学習や記憶、論理的思考といった知的能力が大きく発達していくことになると考えられることになります。

そして、

こうした比較的長期間にわたる潜伏期を経たのちに、10歳から14歳頃までにはじまる思春期および青年期の時期へと入ると、リビドーの発達段階はその最後の段階にあたる性器期(生殖期、genital phaseと呼ばれる段階へと徐々に移行していくことになり、

性器期においては、肉体面では第二次性徴によって男女の間に明確な外形的性差が生じていくに呼応して、心理面においては性器性欲を中心とした性的エネルギーとしてのリビドーの解放が進んでいくことになるのですが、

そうした性器期において生じる性器性欲を中心とする性愛感情は、エディプス期の段階における疑似的な恋愛対象であった異性の親に対してではなく、自分にとって対等な関係にあるパートナーへと向けられていくことになり、

心理面においては、こうした性器期におけるリビドーの発達性愛感情の成熟を通じて、恋人や友人との間の適切な距離感を保った人間関係の形成や、理性と感情のバランスのとれた理想的な人格形成を進めていくことが可能となると考えられることになるのです。

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以上のように、

フロイトの心理学においては、人間の心におけるリビドーの発達段階のあり方は、

口唇期・肛門期・エディプス期・潜伏期・性器期と呼ばれる五つの発達段階へと区分されていくことになり、

そうしたそれぞれのリビドーの発達段階における具体的な特徴について一言でまとめると、

口唇期は、0歳~2歳頃の時期に現れ、リビドーの中心がくちびるの周囲に限定され、心理面においては愛情や信頼といった人間にとって最も重要な肯定的な感情の基盤が形成されていく段階、

肛門期は、2歳~4歳頃の時期に現れ、リビドーの中心が肛門や泌尿器へと移動し、心理面においては規律や節制といった他者と共に社会生活を営んでいくために必要な行動原理が形成されていく段階、

エディプス期(男根期)は、4歳~6歳頃の時期に現れ、主に異性の親に対して向けられる原初的な性愛感情が芽生えていくと同時に、その葛藤と抑圧を通じて自我や超自我やエスといった心の領域の分化複雑な心理機能の形成が進んでいく段階、

 潜伏期は、6歳~12歳頃の時期まで続く、リビドーが無意識の領域へと潜在化していくことによって、心理面において学習や記憶、論理的思考といった知的能力が大きく発達していくことになる段階、

 性器期は、12歳前後から始まる思春期および青年期の時期に現れ、性器性欲を中心とする性愛感情が自分にとって対等な関係にあるパートナーへと向けられていくことによって、心理面においては適切な距離感を保った人間関係の形成や、理性と感情のバランスのとれた理想的な人格形成を進めていくことが可能となる段階

としてそれぞれ位置づけることができると考えられることになります。

そして、

フロイトの心理学においては、人間におけるあらゆる生命活動と心的活動の源となる根源的な心的なエネルギーとしてのリビドーは、

こうしたリビドーの発達段階のうちの最後の段階にあたる性器期へと到達することによって、そうしたエネルギーの完全な充足が可能となる成熟した段階へと達していくことになると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:フロイトの心理学における三つの性格類型とは?口唇期的性格・肛門期的性格・エディプス期的性格の具体的な特徴

前回記事:潜伏期におけるリビドーの無意識の領域への潜在化と性器期におけるリビドーの意識の領域への顕在化の過程

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