潜伏期と性器期におけるリビドーの無意識の領域への潜在化と意識への顕在化、リビドー潜伏期において知的能力が発達する理由

前回書いたように、フロイトの心理学においては、幼児期におけるリビドーの発達段階は、口唇期肛門期エディプス期と呼ばれる三つの発達段階へと区分されていくことになるのですが、

こうした幼年期までの段階において、基礎的な性質の獲得を終えたリビドーは、エディプス期における葛藤と抑圧の経験を経たのち、

子供が小学校へと入学することになる6歳から7歳頃以降の学童期へと入ると、そのまま表立った活動は見せなくなり、潜伏期と呼ばれる段階へと入っていくことになります。

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潜伏期におけるリビドーの無意識の領域への潜在化と知的能力の発達

冒頭で述べたように、人間の心におけるリビドーの発達段階は、4歳頃から6歳頃幼年期の後半から終わり頃までに訪れるエディプス期を経たのち、

6歳から7歳頃にはじまる学童期の時期へと入ると、リビドーの働きが無意識の領域へと潜在化していって表立った活動が見られなくなっていく潜伏期(latency stageと呼ばれる段階へと移行していくことになります。

前回書いたように、エディプス期においては、エディプスコンプレックスエレクトラコンプレックスと呼ばれる主に異性の親に対して向けられることになる原初的な性愛感情の葛藤と抑圧を通じて、

子供の心の内部において、自我や超自我やエスといった心の領域の明確な区分とその心理的な機能の発達が生じていくことになるのですが、

その後の潜伏期においても、こうした心の領域の分化発達した心理的機能の仕組み自体はそのまま引き継がれていくいくことになります。

つまり、

潜伏期においては、性的な性質を持った心的エネルギーであるリビドー自体は無意識の領域へと潜在化していくものの、エディプス期の段階において形成された複雑で高度な心理構造の枠組みは維持されていくことになるので、

それによって、こうした潜伏期の状態にある学童期の子供の心においては、性的な指向の強いリビドーによる干渉をあまり受けずに、大人の人間と同等に複雑で高度な働きを持った心理的機能を用いた思考を積み重ねていくことができることによって、

人間の心における学習と記憶論理的思考といった知的能力が大きく発達していくことになると考えられることになるのです。

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性器期におけるリビドーの意識の領域への顕在化と適切な人間関係と理想的な人格の形成

そして、こうしたリビドーが潜伏状態にある期間は、その後、子供が思春期の時期に入るまで、長期間にわたって比較的安定した形で持続していくことになるのですが、

こうした比較的長期間にわたる潜伏期を経たのち、10歳から14歳頃までにはじまる思春期および青年期の時期へと入ると、

リビドーの発達段階は、その最終段階である性器期(生殖期、genital phaseと呼ばれる段階へと徐々に移行していくことになります。

思春期においては、人間の体の側においては、第二次性徴と呼ばれる体全体において生じる性的な成熟が進んでいくことによって、生殖器以外の点においても、体つきや声の質、ひげなどの体毛などに違いが生じていくことによって男女の間に明確な外形的性差が生じていくことになるのですが、

それに伴って、人間の心の側においても、性器性欲を中心とした性的エネルギーとしてのリビドーの解放が進んでいくことになります。

そして、こうした性器期の段階においては、

かつてのエディプス期の段階においてすでに準備されていた性愛感情が再び意識の領域へと顕在化していくことによって、

今度はそうした性愛感情が、疑似的な恋愛対象であった異性の親に対してではなく、自分にとって対等な関係にあるパートナーへと向けられていくことによって、より成熟した感情へと深化していくことになり、

人間の心は、こうした性器期と呼ばれるリビドーの発達段階へと到達することによって、

恋人や友人との間の適切な距離感を保った人間関係の形成や、理性と感情のバランスのとれた理想的な人格形成を行っていくことが可能となると考えられることになるのです。

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前回記事:口唇期と肛門期とエディプス期のそれぞれの具体的な特徴とは?幼児期のリビドーの発達段階における複雑な心理構造の形成

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