ウイルスと細菌はどちらの方がどのくらい大きいのか?平均的な大きさの比較とウイルスよりも小さい細菌の種類

風邪や胃腸炎などの感染症の原因となる病原体の種類としては、ウイルスと細菌という二種類の代表的な病原体が挙げられることになりますが、

こうしたウイルス細菌と呼ばれる二種類の病原体は、それぞれ具体的にはだいたいどれくらいの大きさをしていると考えられ、

一番大きいウイルス一番小さい細菌を比べた場合、どちらの方がどれくらい大きいと考えられることになるのでしょうか?

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単細胞生物である細菌と細胞に寄生する微小な病原体であるウイルス

そうすると、まず、

ウイルス細菌一般的な大きさの違いについては、二つの病原体における生物学的な構造の違いを考えてみると分かりやすいと考えられ、

細菌は、生物のなかでは非常に単純な構造をした細胞核を持たない原核細胞からなる単細胞生物であるものの、基本的には、自らの力によって栄養摂取分裂による増殖を行っていく能力を持つのに対して、

ウイルスは、単独ではそうした栄養摂取や増殖などの生命活動を営むことができずに生きた細胞に寄生することによって自己複製と増殖を行っていくという点に、両者の大きな違いがあると考えられることになります。

そして、

こうしたウイルスに分類される病原体のなかには、バクテリオファージと呼ばれる細菌に感染してその内部で増殖を行っていくタイプのウイルスの種類もあるように、

一般的には、

細菌を含む様々な生物の細胞に寄生する微小な病原体であるウイルスは、そうしたウイルスの寄生対象ともなる細菌よりもさらに小さい大きさをしていると考えられることになるのです。

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細菌とウイルスの平均的な大きさはどのくらい違うのか?

それでは、

こうしたウイルスの大きさは、細菌の大きさと比べて具体的にどのくらい小さいと考えられるのか?ということについてですが、

前者のウイルスの大きさについては詳しくは「ウイルスの大きさはどのくらいなのか?代表的な50種類のウイルスの大きさの比較」の記事で考察したように、

 インフルエンザウイルスやコロナウイルス、HIVウイルスやヘルペスウイルスなどといった球形の形状をした代表的なウイルスの大きさは、だいたい直径0.1マイクロメートル(100ナノメートル)前後の大きさをしていると考えられることになります。

そして、それに対して、

後者の細菌の大きさについては詳しくは「細菌の大きさはどのくらいのなのか?代表的な60種類の細菌の大きさの比較」の記事で考察したように、

細菌は、球菌桿菌らせん菌といった細胞の形状の違いによって、その大きさにも大きな違いがあるものの、

大腸菌やピロリ菌、乳酸菌やビフィズス菌、結核菌や肺炎球菌などといった代表的な細菌の大きさは、だいたい14マイクロメートルくらいまでの範囲に位置づけられる種類が多いと考えられ、そのなかでも、直径0.1マイクロメートル前後の大きさをした細菌の種類が数としては最も多いと考えられることになります。

したがって、一般的には、

平均的なウイルスの大きさは、平均的な細菌の大きさと比べて、だいたい10倍くらいは小さいと結論づけることができると考えられることになるのです。

ウイルスよりも小さい細菌の種類:マイコプラズマと天然痘ウイルスの大きさの比較

しかし、その一方で、

前述したように、こうした細菌やウイルスに分類される病原体の大きさには、それぞれの病原体の形状や構造の違いによって大きさにも大きな違いがあるとも考えられ、

例えば、

細菌としては最小の大きさのグループに分類されるマイコプラズマなどは0.2マイクロメートルくらいの大きさしかないのに対して、

人間に感染する一般的なウイルスの種類のなかでは最も大きいウイルスの種族にあたるポックスウイルス科に分類される天然痘ウイルス牛痘ウイルスといったウイルスは全長が0.45マイクロメートルにまでおよぶこともあると考えられることになります。

したがって、そういった意味では、

前述した一般的なウイルスと細菌の大きさの関係とは反対に、天然痘ウイルスなどの巨大なウイルスのグループと比べた場合、

細菌の種類のなかには、最も小さい細菌のグループにあたるマイコプラズマなどのように、ウイルスよりも小さい細菌の種類もごく一部ではあるものの存在すると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:古代ギリシア最古の文明であるキクラデス文明の成立と現代美術のキュビスムの発想へと通じる抽象的な彫刻の様式美

前回記事:ウイルスと花粉はどちらの方がどのくらい大きいのか?一番大きいウイルス粒子と一番小さい花粉の粒子の大きさ比べ

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