ウイルスと花粉はどちらの方がどのくらい大きいのか?一番大きいウイルス粒子と一番小さい花粉の粒子の大きさ比べ
ドラッグストアなどで一般的に市販されている不織布マスクは、一般的には、ウイルスなどの病原体に対する感染症予防や花粉症対策などに用いられることが多いと考えられることになりますが、
こうした一般的な不織布マスクの代表的な使用用途ともなっているウイルスと花粉は、だいたいどれくらいの大きさをしていると考えられ、
一番大きいウイルス粒子と一番小さい花粉の粒子を比べた場合、どちらの方がどれくらい大きいと考えられることになるのでしょうか?
細胞に寄生する微小な病原体であるウイルスと多細胞体としての花粉の大きさの違い
そうすると、まず、
ウイルスと花粉の大きさの違いについては、二つの粒子の生物学的な構造の成り立ちを考えてみると分かりやすいと考えられ、
単独では生命活動を営むことができずに生きた細胞に寄生することによって自己複製と増殖を行っていく微小な病原体であるウイルスは、宿主となる細胞の中に潜り込んで何十倍の数にも増殖していくことになるので、
ウイルス粒子の大きさは、そうした宿主となる生物の細胞の大きさよりも少なくとも数十倍は小さくなくてはならないと考えられることになります。
そして、それに対して、
花粉の粒子は、一見するとただの粉末状の物質であるように見えて、実際は、花粉管細胞と雄原細胞と呼ばれる生殖細胞の2つの細胞によって構成されている多細胞体にあたる生物なので、
こうした多細胞体としての花粉の粒子と、そうした細胞の一つ一つに寄生する微小な病原体であるウイルス粒子との大きさを比べた場合、
多細胞体にあたる花粉の粒子の方が、ウイルス粒子よりも必然的にかなり大きい大きさになると考えられることになるのです。
花粉とウイルスの粒子の平均的な大きさはどのくらい違うのか?
それでは、実際に、
こうした花粉の粒子の大きさは、ウイルス粒子の大きさと比べて具体的にどのくらい大きいと考えられるのか?ということについてですが、
前者の花粉の粒子の大きさについては詳しくは「花粉の大きさはどのくらいなのか?代表的な20種類の花粉の大きさの比較」の記事で考察したように、
スギ花粉やヒノキ花粉といった花粉症の原因となる代表的な植物の花粉の粒子の大きさは、だいたい直径30マイクロメートル前後の大きさをしていると考えられることになります。
そして、それに対して、
後者のウイルス粒子の大きさについては詳しくは「ウイルスの大きさはどのくらいなのか?代表的な50種類のウイルスの大きさの比較」の記事で考察したように、
インフルエンザウイルスやコロナウイルス、HIVウイルスやヘルペスウイルスなどといった球形の形状をした代表的なウイルス粒子の大きさは、だいたい直径0.1マイクロメートル(100ナノメートル)前後の大きさをしていると考えられることになります。
つまり、そういった意味では、
スギ花粉やヒノキ花粉といった花粉症の原因となる代表的な植物の花粉の粒子の大きさと、
インフルエンザウイルスやコロナウイルスといった代表的なウイルス粒子の大きさとを比べた場合、
一般的に言って、
花粉の粒子の大きさは、ウイルス粒子の大きさよりもだいたい300倍くらい大きいと
結論づけることができると考えられることになるのです。
一番大きいウイルス粒子と一番小さい花粉の粒子の大きさ比べ
また、その一方で、
こうしたウイルスと花粉の粒子の大きさについては、それぞれのウイルスや花粉の種類の違いに応じて、大きさにもある程度大きな違いがあると考えられ、
具体的には、
人間に感染する一般的なウイルスの種類のなかでは最も大きいウイルスの種族にあたるポックスウイルス科に分類されるウイルスである天然痘ウイルスや牛痘ウイルスといったウイルスは全長が0.45マイクロメートル(450ナノメートル)ほどにまでおよぶことがあるのに対して、
花粉症の原因となる一般的な風媒花の種類のなかでは最も小さい花粉をつくる植物の種類にあたるブタクサ花粉の大きさは20マイクロメートルほどであると考えられることになります。
そして、そういった意味では、
こうした人間に感染する代表的なウイルスや花粉症の原因となる代表的な植物といった一般的なウイルスと花粉の種類のなかで、
一番大きいウイルス粒子にあたる天然痘ウイルスの粒子と、一番小さい花粉の粒子にあたるブタクサ花粉の大きさを比べた場合、
そうした一番大きいウイルス粒子と比べた場合でも、一番小さい花粉の粒子の大きさの方が少なくとも40倍以上は大きいと考えられることになるのです。
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次回記事:ウイルスと細菌はどちらの方がどのくらい大きいのか?平均的な大きさの比較とウイルスよりも小さい細菌の種類
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