心身症と神経症と心気症における共通点と相違点とは?身体的病変の重症度と心理的な要因が占める割合から見た三者の関係性

このシリーズの初回から前回までの一連の記事で書いてきたように、人間の心の内における心理的な要因がきっかけとなって身体的な症状が引き起こされる様々な疾患の種類は、

大きく分けると神経症と心身症と心気症といった疾患の分類のあり方のいずれかへと分けていくことができると考えられることになるのですが、

こうした三つの疾患の分類のあり方においては、それぞれの疾患における身体的な症状の度合いや、そうした症状に対する心理的な要因の関与の仕方などといった点において違いが見られると考えられることになります。

そこで、今回の記事では、今までの一連のシリーズの記事の総まとめとして、そうした心身症と神経症と心気症という三つの言葉のうちに含まれている微妙なニュアンスや意味合いの違いについてまとめていく形で詳しく考察していきたいと思います。

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心身症と神経症と心気症の三者における具体的な共通点と相違点とは?

まず、こうした心身症と神経症と心気症と呼ばれる三つの疾患の分類のあり方を示す言葉自体のそれぞれの定義について改めて列挙していく形でまとめをしておくと、

心身症(psychosomatic diseasesは、心理的な要因が大きく関与することによって引き起こされている身体的な病変を主症状とする疾患として定義されることになるのに対して、

神経症(neurosisは、心理的な要因によって引き起こされる心身の様々な機能障害のことを意味する疾患、

そして、それに対して、

心気症(ヒポコンドリー、hypochondriaは、物理的な病変や身体的な機能障害が見られないにも関わらず、痛みなどの感覚異常を中心とする身体的症状を強く自覚することによって、自分が原因不明の重病にかかっていると思い込んでしまう心理状態のことを意味する概念としてそれぞれ定義することができると考えられることになります。

そして、

こうした三つの疾患の分類のあり方において見られる具体的な共通点主要な意味の違いについて一言でまとめると、

三者とも、それが何らかの形で心理的な要因が関与することによって引き起こされている身体的な症状を含む疾患であるといった点においては共通しているものの、

はじめに挙げた心身症と神経症という二つの疾患のあり方においては、基本的には、そうした身体的な症状に対応する何らかの物理的な病変や機能障害を確認することができるのに対して、

最後に挙げた心気症と呼ばれる疾患のあり方においては、いくら精密な検査と診断を重ねても、そうした身体的な症状に対応する身体的な病変を実際には確認することができないといった点において大きな相違点が見られると考えられることになります。

そして、それに伴って、

それぞれの疾患のあり方において引き起こされている身体的な症状の客観的な重症度の度合いも心身症の場合が最も重く、神経症そして心気症の順にその度合いがが下がっていくことになると考えられ、

それとは対照的に、神経症や心気症の場合には、それぞれの疾患を治療していくために必要な精神的な治療の重要性が増していくことになると考えられることになるのです。

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身体的な病変の重症度と心理的な要因が占める割合から見た三者の関係性

以上のように、

心身症と神経症と心気症という三つの疾患の分類のあり方における具体的な特徴の違いとしては、

心身症の場合には、その病気の発症に心理的な要因が関与はしているもののそれに対応する形で実際に体の側において生じている物理的な病変や機能障害が直接的な治療の対象となっていくのに対して、

神経症の場合には、心身症ほど顕著ではないものの身体面においても何らかの機能障害が見られる一方で、心身症の場合よりもその症状が引き起こされる原因において心理的な要因が占める割合が大きくなっていくことになり、

心気症の場合には、患者本人が主観的に自覚している身体的な症状に対応する体の側の物理的な病変や機能障害が一切見られず、患者自身の自らの身体感覚に対する過剰な敏感さや自分が原因不明の重病にかかっていると思い込んでいるという心理状態自体が直接的な精神的治療の対象となるといった点に、

こうした三つの概念の間に存在する具体的な特徴の違いを見いだすことができると考えられることになります。

つまり、そういった意味では、

こうした心身症と神経症と心気症という三つの疾患の分類のあり方のことを意味する言葉同士の間には、一言でいうと、

心気症<神経症<心身症

の順で、それぞれの病気において見られる身体的な病変や機能障害の重症度が増していくという関係性が成立していると考えられ、

その反対に、

心身症<神経症<心気症

の順で、それぞれの疾患の原因における心理的要因が占める割合が増大していくことになると考えられることになるのです。

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