神経症と心身症の違いとは?両者に分類される具体的な疾患の種類と心の病と体の病の中間に位置する症状の分類のあり方

前回書いたように、深層心理学や精神分析学の観点に立つと、自我の防衛機制の働きの一つある「身体化」と呼ばれる心の働きからは、

神経症心身症心気症といった人間の心の働きが関与することによって引き起こされる様々な疾患や症状のあり方が生じていくことになると考えられることになるのですが、

今回の記事では、こうした心理的な要因が深く関わることによって引き起こされる様々な疾患のうち、

神経症心身症と呼ばれる二つの疾患の分類のあり方について、それぞれに分類される疾患には具体的にどのような種類があるのか?

そして、両者の疾患の分類の間には、具体的にどのような特徴の違いが存在すると考えられるか?といったことについて詳しく考えていきたいと思います。

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神経症に分類される具体的な疾患の種類とノイローゼという言葉の由来

まず、冒頭で挙げた神経症と心身症と呼ばれる二つの疾患の分類のあり方のうち、

前者の神経症(neurosisという言葉は、心理的な原因によって引き起こされる心身の様々な機能障害のことを意味する概念として幅広く用いられている言葉であり、

具体的には、

慢性的な不安感や急激な不安発作などが引き起こされる不安神経症や、自分の意志では払いのけることのできない強迫観念にとらわれた行動を繰り返してしまう強迫神経症

心臓そのものに病変はないのに胸部の痛みや動悸や息切れなどが引き起こされる心臓神経症や、心身の過労によって注意力の低下や強い疲労感や焦燥感などの様々な自覚症状が引き起こされる神経衰弱

その他にも、生活環境などがもたらす不安感などが原因となって抑うつ状態が引き起こされる神経症性うつ病や、自分自身の身体や行動に対する現実感を喪失して強い空虚感に襲われてしまう離人症

客観的には身体的異常が認められないにも関わらず自分の健康状態について必要以上に心配して重大な病気にかかっている思い込んでしまう心気症

戦争体験が強い心理的ストレスとなって発症する戦争神経症や、頭部などに受けた外傷をきっかけとして発症する外傷性神経症

さらには、対人恐怖症高所恐怖症閉所恐怖症といった一連の恐怖症の種類なども、こうした神経症に分類される具体的な疾患や症状の種類として挙げられることになります。

ちなみに、

こうした神経症、または、その下位分類に位置する神経衰弱と呼ばれる疾患は、別名ではノイローゼと呼ばれることもありますが、

こうしたノイローゼという言葉は、上記の「神経症」という言葉の英訳にあたる英語のneurosis(ニュローシス)という言葉に対応するドイツ語のNeurose(ノイローゼ)という言葉に由来する表現のあり方であると考えられることになるのです。

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心身症の具体的な定義と分類される可能性のある身体的疾患の種類

そして、それに対して、

後者の心身症(psychosomatic diseasesという言葉は、身体的な症状を主症状とする疾患のうち、心理的要因が大きく関与しているもののことを指す言葉であり、

特定の病気や疾患自体のことを指すというよりは、そうした身体疾患が病気の原因や病状の経過といった観点から見て、物理的・身体的要因だけではなく、心理的・社会的要因が大きく関わっているとみなされた場合に用いられる言葉であると考えられることになります。

そして、具体的には、

胃潰瘍十二指腸潰瘍過敏性大腸症候群気管支ぜんそくアトピー性皮膚炎円形脱毛症偏頭痛

さらには、環境要因が大きく関与することによって引き起こされる一般的な高血圧の種類である本態性高血圧や、狭心症心筋梗塞といった様々な身体疾患の種類が、

こうした心身症に分類される可能性のある具体的な身体的疾患の種類として挙げられることになると考えられることになるのです。

神経症と心身症の具体的な特徴の違いとは?心の病と体の病の中間に位置する症状の分類のあり方

以上のように、

神経症心身症と呼ばれる二つの疾患や症状の分類のあり方は、それぞれ、

神経症は、心理的な原因によって引き起こされる心身の様々な機能障害のことを意味する概念として定義されることになるのに対して、

心身症は、身体的な症状を主症状とする疾患のうち心理的要因が大きく関与しているもののことを意味する概念として定義されることになると考えられることになります。

そして、そういった意味では、

こうした神経症心身症の両者はともに、

心理的・社会的要因を原因とする心の病と、身体的・物理的要因を原因とする体の病境界領域に位置づけられる疾患や症状の分類のあり方として捉えることができると考えられることになるのですが、

こうした両者の疾患の分類のあり方の間に存在する具体的な特徴の違いとしては、

そうした心の病と体の病の中間に位置する疾患や症状の分類のあり方のなかでも、

前者の神経症の方は、心理的な原因によって引き起こされる様々な症状のうちの一部に精神的な症状のほかにも身体的な症状も含まれることになるという心理的な側面の方の比重が大きい疾患の分類のあり方になっているのに対して、

前者の心身症の方は、様々な要因によって引き起こされる身体的な症状の原因のうちの一部が物理的な要因ではなく心理的な要因に求められることになるという身体的な側面の方の比重が大きい疾患の分類のあり方になっているといった点が挙げられることになると考えられることになるのです。

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次回記事:心気症(ヒポコンドリー)とは何か?古代ギリシア語における語源と「憂うつ」を意味するメランコリーとの関係

前回記事:心理学における「身体化」の定義と古代ギリシア語における「ソーマ」そして神経症や心身症との関係とは?防衛機制とは何か?㉒

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