線虫に分類される代表的な寄生虫の大きさの比較、全部で23種類の線虫に属する寄生虫の体長の長さの違い
前回の記事では、回虫・蟯虫・鞭虫・鉤虫・糸状虫といった五つの線虫の種族における大まかな大きさの違いについて比較しましたが、
今回の記事では、そうした線虫と呼ばれる生物の種族に分類される全部で23種類の代表的な寄生虫の種類について、順番により詳しく大きさの比較を行っていったうえで、
前回示した五つの線虫の種族の間の大まかな大きさの関係を表した図のなかに、こうした23種類の代表的な寄生虫の種類を一つ一つ位置づけ直していく形で、
そうした線虫に分類される様々な寄生虫の種類同士の大きさの関係について改めて図示していく形でまとめていきたいと思います。
回虫と蟯虫と鞭虫と鉤虫と糸状虫の大きさの比較
そうすると、まず、
こうした回虫・蟯虫・鞭虫・鉤虫・糸状虫という五つの線虫の種族のうちの筆頭として挙げられることになる
回虫(かいちゅう)に分類される代表的な寄生虫の種類としては、ヒト回虫とブタ回虫さらにはアニサキスといった線虫の種類が挙げられることになり、
このうち、ヒト回虫の成虫の体長は20~35センチメートル、ブタ回虫の成虫の体長は20~35センチメートル程度に人間の腸内において成長していくことになります。
そして、それに対して、
本来はクジラなどの海生哺乳類を宿主とするアニサキスは、人間の体内においては成虫へと成長することができず、その際、人間の胃の中などにおいては、幼虫の体長としてせいぜい2~3センチメートルくらいまでにしか成長することができないと考えられることになるのです。
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そして、その次に挙げた
蟯虫(ぎょうちゅう)には、ヒト蟯虫や馬蟯虫、ネズミ蟯虫、ウサギ蟯虫といった寄生虫の種類があり、
このうち、人間の腸内に寄生するヒト蟯虫は、卵を産むメスの成虫の体長でも8~13ミリメートルくらいにしかならないかなり小型の線虫の種類として位置づけられることになります。
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また、その次に挙げた
鞭虫(べんちゅう)には、ヒト鞭虫やブタ鞭虫、犬鞭虫、ネズミ鞭虫といったといった寄生虫の種類があり、
このうち、人間の腸内に寄生するヒト鞭虫は、成虫の大きさが体長3~5センチメートルくらいに成長する細長いムチ状の形状をした線虫の種類として位置づけられることになるのです。
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そして、それに対して、その次に挙げた
鉤虫(こうちゅう)には、ズビニ鉤虫やアメリカ鉤虫という二つの線虫の種類が代表的な種類として分類されることになり、
このうち、ズビニ鉤虫の成虫は10~12センチメートル、アメリカ鉤虫の成虫は10~15センチメートルくらいに成長することになると考えられることになります。
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そして、その次に挙げた
糸状虫(しじょうちゅう)には、犬糸状虫やバンクロフト糸状虫、マレー糸状虫、回旋糸状虫、ロア糸状虫といった線虫の種類が分類されることになり、
このうち、犬糸状虫の成虫は12~30センチメートル、バンクロフト糸状虫の成虫は4~10センチメートル、マレー糸状虫の成虫は2~5センチメートル、ロア糸状虫の成虫は3~7センチメートル、
回旋糸状虫(オンコセルカ)の成虫は30~50センチメートルにまで成長することになると考えられることになるのです。
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そして、最後に、こうした回虫・蟯虫・鞭虫・鉤虫・糸状虫という五つの線虫の種族のいずれにも分類されていないその他の線虫の代表的な種類として挙げられることになる
広東住血線虫、東洋毛様線虫、有棘顎口虫、糞線虫、豚肺虫、牛肺虫、腎虫、根腐れ線虫、根瘤線虫といった寄生性の線虫の種類についても、互いに大きさの比較をしていくと、
広東住血線虫の成虫は2~3センチメートル、東洋毛様線虫の成虫は4~7センチメートル、有棘顎口虫の成虫は3~4センチメートルくらいに成長するのに対して、糞線虫の成虫は2~3ミリメートルまでにしか成長せず、
豚肺虫の成虫の場合は1~6センチメートル、牛肺虫の成虫の場合は3~5センチメートル、腎虫の成虫は15~100センチメートルにまで成長することがあり、
そして、植物に寄生する線虫の種族に分類されることになる根腐れ線虫の成虫は0.5~0.8ミリメートル、根瘤線虫の成虫は1~1.5ミリメートルくらいまでにしか成長することがないと考えられることになるのです。
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次回記事:原虫に分類される寄生虫の大きさの比較、全部で12種類の原虫に属する代表的な寄生虫の直径の長さの違い
前回記事:回虫と蟯虫と鞭虫と鉤虫と糸状虫の大きさの比較、五つの線虫の種族における成虫の体長の長さの違い
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