エアロゾルの定義とは?古代ギリシア語とラテン語の語源とエアロゾル化した飛散物質の代表例とバイオエアロゾル
空気中に浮遊している塵や水滴などの微粒子のことを指してエアロゾルという言葉が用いられることがありますが、
こうしたエアロゾルという言葉は、
古代ギリシア語やラテン語における大本の語源となる意味に基づくと、具体的にどのような物質の状態のことを意味する言葉として定義されることになると考えられることになるのでしょうか?
また、こうしたエアロゾルと呼ばれる状態にあると考えられる物質としては、具体的にどのような飛散物質の例が挙げられることになると考えられるのでしょうか?
古代ギリシア語とラテン語の語源に基づくエアロゾルの具体的な意味とリキッドゾルやソリッドゾルなどの他のゾルたちとの違い
そうすると、まず、
英語におけるエアロゾル(aerosol)という言葉は、もともと、
古代ギリシア語において「空気」を意味する名詞であるaer(アーエール)の属格の形にあたるaeros(アエロス)と、
ラテン語において「堅い」「固体の」あるいは「ぎっしりと詰まった」「隙間のない」といった意味を表す形容詞であるsolidus(ソリドゥス)に由来する言葉であり、
一言でいえば、
固体または液体の微細な粒子が分散媒となる空気などの気体中に分散していくことによって全体として霧や煙のような気体に近い物理的な性質を示すようになる物質の状態のことを意味することになります。
そして、それに対して、
そうした固体や液体の微粒子が空気などの気体中ではなく水などの液体中に分散している状態のことはリキッドゾル(liquid sol)、あるいは単に、ゾル(sol)と呼ばれることになり、
そうした固体や液体の微粒子が別の固体の内部に分散して含有されている状態のことはソリッドゾル(solid sol)と呼ばれることになるのです。
エアロゾル化した飛散物質の代表例とバイオエアロゾル
そして、
こうしたエアロゾル化した飛散物質の代表的な例としては、
物が燃焼する時に発生する煙(けむり)や、物を破砕する際に発生する粉塵(ふんじん)、あるいは、大気中に水滴の微粒子が浮遊している状態にある霧(きり)や靄(もや)といった状態が挙げられることになるほか、
スモッグや煤煙(ばいえん)、あるいは、PM2.5(粒子の直径が2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質)といった呼び名で有名な大気汚染物質などもこうしたエアロゾルに分類される粒子状物質の一種として位置づけられることになります。
また、
こうしたエアロゾルと呼ばれる空気中に浮遊している粒子状物質のなかには生物学的エアロゾルあるいはバイオエアロゾル(bioaerosol)と呼ばれる生物に由来する飛散物質も含まれていて、
そうしたバイオエアロゾルの代表的な例としては、花粉や菌類の胞子、真菌や細菌、ウイルスなどが挙げられることになり、
こうしたバイオエアロゾルと呼ばれる空気中に浮遊している粒子状物質が原因となって、アレルギーの発症や感染症の伝播などが引き起こされるケースもあると考えられることになるのです。
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そして、以上のように、
こうしたエアロゾルと呼ばれる物質の状態の定義について、
一言でまとめると、
エアロゾル(aerosol)とは、固体または液体の微細な粒子が分散媒となる空気などの気体中に分散していくことによって全体として霧や煙のような気体に近い物理的な性質を示すようになる物質の状態のことを意味する言葉として定義されることになります。
そして、こうしたエアロゾルに分類される代表的な飛散物質の例としては、
煙や粉塵、霧や靄、スモッグや煤煙やPM2.5といった大気汚染物質などのほか、花粉や菌類の胞子、真菌や細菌やウイルスといったバイオエアロゾルなどが挙げられることになると考えられることになるのです。
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次回記事:乾燥エアロゾルと湿性エアロゾルの違いとは?両者に分類される代表的な飛散物質の種類と粒子の飛距離の違い
前回記事:ゾルとゲルの違いとは?ラテン語の語源に基づく具体的な意味とゾル状とゲル状の物質の具体例
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