乾燥エアロゾルと湿性エアロゾルの違いとは?両者に分類される代表的な飛散物質の種類と粒子の飛距離の違い

エアロゾルとは、一言でいうと、固体または液体微細な粒子が分散媒となる空気などの気体中に分散していくことによって霧や煙のように空気中に浮遊しているような物質の状態のことを意味することになりますが、

こうしたエアロゾルと呼ばれる空気中に浮遊する微粒子たちは、それぞれの粒子に含まれている水分などの液体成分含有量の違いに応じて

乾燥エアロゾル湿性エアロゾルと呼ばれる二種類のグループのいずれかへと分類されることになります。

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乾燥エアロゾルと湿性エアロゾルの具体的な定義と粒子の飛距離の違い

そうすると、まず、

乾燥エアロゾルあるいは乾性エアロゾルと呼ばれるエアロゾルの状態は、その名の通り、乾燥して水分を含まない状態にある固体の微粒子空気中を浮遊している状態のことを意味することになります。

そして、それに対して、

湿潤エアロゾルあるいは湿性エアロゾルと呼ばれるエアロゾルの状態は、水などの液体の微粒子がそのまま空気中に浮遊しているケースだけではなく、

前述した乾燥エアロゾルと呼ばれる固体の微粒子が雨などに濡れて水分を含んだ状態にあるケースもそうした湿性エアロゾルの一種に分類されることになります。

そして、

こうした乾燥エアロゾル湿性エアロゾルと呼ばれる二つのエアロゾルの状態には、それぞれのエアロゾルに含まれる粒子の移動距離についても大きな違いがあると考えられ、

一般的に、

乾燥エアロゾルの場合には、花粉黄砂あるいはPM2.5といった呼び名で有名な大気汚染の原因となる微小粒子状物質などのように、

数十キロメートルから数百キロメートル、粒子の直径がより小さい微細な乾燥エアロゾルの場合には国境を越えて地球を一周するくらいの距離を飛んでいくケースもあると考えられています。

そして、それに対して、

湿性エアロゾルの場合には、水などの液体の微粒子がそのまま空気中に浮遊しているケースでは、大気中を遠くまで飛んでいく間に、水分が蒸発してエアロゾル自体が消失してしまうことになりますし、

固体の微粒子が水分を含んでいるケースでも、乾燥エアロゾルと比べてそうした湿性エアロゾルの方が水分を含んでいる分だけ重量が重くなる傾向があるため、

数百キロメートルにおよぶような遠い距離を飛んでいくケースは比較的少ないと考えられることになります。

つまり、一般的に言って、両者のエアロゾルを比べた場合、

乾燥エアロゾルの方が粒子の発生源となる場所からより遠くの地域にまで飛散していくケースが多いと考えられることになるのです。

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乾燥エアロゾルと湿性エアロゾルに分類される代表的な飛散物質の種類

それでは、

こうした乾燥エアロゾル湿性エアロゾルと呼ばれるエアロゾルの二つのグループには、それぞれ具体的にどのような飛散物質の種類が分類されることになるのか?

ということについてですが、それについては、

乾燥エアロゾルには、粉塵スモッグ煤煙PM2.5といった大気汚染物質などが分類されることになるほか、

花粉カビの胞子真菌細菌ウイルスといった生物に由来するバイオエアロゾルなども、

基本的には、本体となる固体粒子が核となる粒子の周りに水分をまとっていない場合には乾燥エアロゾルに分類されるケースが多いと考えられることになります。

そして、それに対して、

湿性エアロゾルには、まずは、霧(きり)靄(もや)などといった水などの液体の微粒子を主成分とするエアロゾルの種類が分類されることになるほか、

例えば、

雨の日には、通常は乾燥した状態にあたる花粉の粒子は、水分を含んで膨張していったのち破裂することによってさらにアレルギー反応を引き起こしやすい状態へと変化することになりますが、

こうした水分を含んだ花粉の破片の微粒子や、ウイルスなどの病原体が含まれている飛沫の微粒子なども、広い意味では湿性エアロゾルの一種に分類されることになると考えられることになるのです。

・・・

以上のように、

乾燥エアロゾル湿性エアロゾル違いについて、

一言でまとめると、

乾燥エアロゾルとは、乾燥して水分を含まない状態にある固体の微粒子空気中を浮遊している状態のことを意味していて、

乾燥エアロゾルに分類される代表的な飛散物質としては、粉塵スモッグ煤煙PM2.5といった大気汚染物質などのほか、花粉カビの胞子真菌細菌ウイルスといった乾燥状態にあるバイオエアロゾルなども含まれることになります。

そして、それに対して、

湿性エアロゾルとは、水などの液体の微粒子空気中を浮遊している状態、または、固体の微粒子が雨などに濡れて水分を含んでいる状態のことを意味していて、

湿性エアロゾルに分類される代表的な飛散物質としては、霧(きり)靄(もや)などの水などの液体を主成分となるエアロゾルの種類のほか、水分を含んだ花粉の破片の微粒子や、ウイルスなどの病原体が含まれている飛沫の微粒子なども含まれることになるほか、

一般的に言って、乾燥エアロゾルの方が湿性エアロゾルよりも微粒子の飛距離がより長くなる傾向になるといった特徴の違いが挙げられると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:飛沫と飛沫核の違いとは?粒子の大きさの区分とエアロゾルとの関係

前回記事:エアロゾルの定義とは?古代ギリシア語とラテン語の語源とエアロゾル化した飛散物質の代表例とバイオエアロゾル

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