ヘラクレスの再婚とカリュドンの王女デイアネイラとの間に生まれた嫡男ヒュロス、古代ギリシア神話の英雄ヘラクレスの物語⑬

前回書いたように、ミケーネの王エウリュステウスのもとに十二年間仕えてヘラクレスの十二の功業と呼ばれる偉業を成し遂げたのち、リュディアの女王オムパレーのもとに仕える三年間の奉公を終えて晴れて自由の身となったヘラクレスは、

ギリシアの各地から武勇に優れた戦士たちを募ってギリシア全土をめぐる進軍の旅へと赴いていくと同時に、天上の世界においてもギガントマキアと呼ばれる神々の戦いに参戦してオリュンポスの神々の勝利に貢献ことになり、

英雄ヘラクレスは、地上の世界だけではなく天上の世界においても比類なき偉大なる勇者として君臨していくことになります。

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カリュドンの王女デイアネイラへのヘラクレスの求婚

ヘラクレスの再婚とカリュドンの王女デイアネイラ

そして、

こうしたギリシア各地をめぐる進軍の旅のなかで、トロイアエリスピュロステゲアといったエーゲ海沿岸とペロポネソス半島の有力な都市国家次々に制圧していったヘラクレスは、

その後、ペロポネソス半島とギリシア本土をつなぐコリントス地峡を越えて、自らの生まれ故郷であったテーバイや、神託で有名なアポロン神殿があるデルポイの地などもその勢力下へと置いていくことになります。

そして、その後、

テーバイが位置するボイオティア地方や、デルポイの神殿が位置するポーキス地方よりもさらに西方に位置するアイトリア地方にあった古代ギリシアの都市にあたるカリュドンを訪れた時、

ヘラクレスは、この地を治めるオイネウス王の娘であった王女デイアネイラに恋をして、彼女に求婚することになるのです。

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大河の神アケローオスとの格闘とヘラクレスの再婚

そして、

すでに地上の世界だけではなく天上の世界にまでその名が轟く偉大なる英雄となっていたヘラクレスの勇ましい姿を目にしたデイアネイラは、すぐに彼からの求婚を受け入れて、ヘラクレスの新たな妻となることを誓うことになるのですが、

デイアネイラのもとには、かねてから彼女を妻として迎えることを願っていたもう一人の求婚者としてアケローオスと呼ばれる人物が名乗りを挙げていたため、

アケローオスヘラクレスという二人の求婚者の間で、どちらが王女デイアネイラの夫となるのにふさわしい人物であるかを決める決闘が行われることになります。

そして、こうした二人の求婚者による決闘においては、

カリュドンの地を含むギリシア西部を流れる大河であったアケロース川を司る河の神でもあったアケローオスは、

ヘラクレスを自分の領分である川の中へと引き込み、水の中で様々な姿に変身して彼のことを翻弄していくことになるのですが、

たくましい牡牛の姿へと変身したアケローオスと格闘していたヘラクレスは、自らが持つ怪力によって、牡牛の姿をしたアケローオスの一方の角をたたき折ることによって相手を降参させることになります。

そして、

こうして結婚をめぐる競争相手となった大河を司る神との格闘に打ち勝つことによって、改めて自らの英雄としての力を世に示したヘラクレスは、カリュドンの人々からの盛大なる祝福を受けながら王女デイアネイラと結婚することになり、

こうしてヘラクレスの新たな妻となったデイアネイラとの間には、ヘラクレスの直系の後継ぎとなるヒュロスを筆頭に、

クテーシッポスグレーノスオネイテースという名の全部で四人の息子たちと、マカリアという名の一人の娘が生まれていくことになるのです。

・・・

次回記事:ヘラクレスの五十人の庶子の行方とカリュドンの地を去りトラキスへと赴くヘラクレス、古代ギリシア神話の英雄ヘラクレスの物語⑭

前回記事:神にも比肩する存在の高みへと昇る英雄ヘラクレスと神々の戦いギガントマキア、古代ギリシア神話の英雄ヘラクレスの物語⑫

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