本影と半影の違いとは?日食における本影と半影の位置関係と皆既日食と部分日食との関係
前回の記事で書いたように、日食と呼ばれる天体現象は、地球上の観測地点が月の影の中に入っていくことによって見えなくなる太陽の姿の範囲の違いに応じて、
太陽の姿が完全に見えなくなる場合には皆既日食と呼ばれることになるのに対して、太陽の姿の一部分だけが見えなくなる場合には部分日食と呼ばれることになると考えられることになるのですが、
こうした日食といった天体現象などにおいて見られることになる光源と遮蔽物との位置関係において生じることになる観測地点からの光源の見え方の違いのあり方については、
地球上へと落とされた太陽を光源とする月の影の側からも、本影と半影と呼ばれるような区分がなされていくことになると考えられることになります。
本影と半影の具体的な定義と光源と遮蔽物と観測地点との位置関係
そうすると、まず、
こうした本影と半影と呼ばれる二つの影のあり方が生じていくことになる光源と遮蔽物と観測地点との位置関係においては、
上記の図において示したように、
本影(ほんえい)とは、光源と観測地点との間に存在する遮蔽物によって光が完全に遮られてしまうことによって、光源の光がまったく届かなくなっている部分に生じることになる濃い影のことを意味するのに対して、
半影(はんえい)とは、そうした光源と観測地点との間に存在する遮蔽物によって光の一部が遮られることによって、光源の光が部分的に到達している部分できるに生じることになる薄暗い影のことを意味する言葉として定義されることになると考えられることになります。
そして、
こうした本影と半影と呼ばれる二つの影の位置関係のあり方においては、
光源からの光がまったく届いていない濃い影にあたる本影の領域の周りに、部分的に光が届いている薄い影にあたる半影の領域が同心円状に広がっていくことになると考えられ、
通常の場合、観測地点における本影と半影との面積の大きさの関係おいては、
光がまったく届いていない本影の領域には遮蔽物の大きさよりも小さいごく限られた狭い領域だけが含まれることになるのに対して、
光が部分的に届いている半影の領域には遮蔽物の大きさよりも大きいかなり広い領域が含まれていくことになると考えられることになるのです。
日食における本影と半影の位置関係と皆既日食と部分日食との関係
そして、
こうした本影と半影と呼ばれる二つの影の区分のあり方に基づいて、日食と呼ばれる天体現象において一直線上に並んだ状態にある太陽と月と地球という三つの天体同士の位置関係のあり方について捉え直していった場合、
上記の図において示したように、
光源としての太陽の光が遮蔽物としての月によって完全に遮られてしまうことによってまったく届かなくなってしまっている本影と呼ばれる月の濃い影の領域のうちに含まれている地球上の観測地点においては、
太陽の姿がすべて月の背後へと隠れてしまうことによって太陽の姿が完全に見えなくなるという皆既日食と呼ばれる天体現象が観測されることになると考えられることになるのに対して、
そうした光源としての太陽の光が遮蔽物としての月によって部分的に遮られてしまうことによって一部分だけ到達している半影と呼ばれる月の薄い影の領域のうちに含まれている地球上の観測地点においては、
太陽の姿の一部だけが月の背後へと隠れてしまうことによって太陽の姿が一部だけが欠けて見えなくなるという部分日食と呼ばれる天体現象が観測されることになると考えられることになると考えられることになります。
つまり、そういった意味では、
皆既日食と部分日食と呼ばれる二つの日食のあり方について、こうした本影と半影といった概念の区分のあり方に基づいて改めて定義し直していくとする場合、
前者の皆既日食は、地球上の観測地点が太陽を光源とする月の本影の領域へと入ることによって太陽の姿が完全に見えなくなってしまう天体現象、
後者の部分日食は、地球上の観測地点が太陽を光源とする月の半影の領域へと入ることによって太陽の姿の一部が見えなくなってしまう天体現象
として定義することができると考えられることになるのです。
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次回記事:皆既日食と金環食の違いとは?太陽と月と地球の位置関係の違いで決まる二つの日食のどちらが観測されるのかの具体的な基準
前回記事:皆既日食と部分日食の違いとは?太陽による月の影との具体的な位置関係と三つの主要な特徴の違い
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