皆既日食と金環食の違いとは?太陽と月と地球の位置関係の違いで決まる二つの日食のどちらが観測されるのかの具体的な基準

日食と呼ばれる地球からの観測において太陽の姿少しずつ欠けていくことにように見えることになる天体現象には、

そうした地球からの観測において太陽の姿がすべて隠れることになる皆既日食や、太陽の姿が一部だけ隠れることになる部分日食のほかに、

金環食と呼ばれる太陽の縁だけが金色の環のように輝いている日食のあり方も区分されていくことになるのですが、

それでは、

こうした皆既日食や金環食と呼ばれる現象は、それぞれどのような太陽と月との位置関係にある地球上の領域において観測されることになる天体現象であると考えられ、

そうした二つの日食のあり方には具体的にどのような特徴の違いがあると考えられることになるのでしょうか?

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皆既日食と金環食における太陽と月と地球の位置関係の違い

皆既日食と金環食における太陽と月と地球の位置関係の違い

そうすると、まず、上記の図において示したように、

日食と呼ばれる天体現象は、太陽と月と地球がこの順番において一直線に並んでいる時に引き起こされていくことになり、

この時、地球上の観測点が太陽と月を結ぶ直線上へと伸びていく本影と呼ばれる月の濃い影が落とされた領域へと入っていく場合には、

太陽が徐々に欠けていったのち太陽の姿が完全に見えなくなることによって、太陽が昇っているはずの昼の時間において地上が完全なる暗闇に包まれていくことになる皆既日食が観測されることになると考えられることになります。

しかし、それに対して、

地球上の観測地点が同じ太陽と月を結ぶ直線上に位置している場合でも、地球と月との距離が離れすぎている場合には、そうした本影と呼ばれる月の濃い影地球上まで到達していない場合があり、

そのような場合には、

そうした本来は皆既日食が観測されるはずの観測地点においては、太陽よりも一回り小さい月の姿によって太陽が覆い隠されていくことによって、黒い月の周囲に太陽の縁だけが金色の環のように輝いている金環食と呼ばれる日食のあり方が観測されることになると考えられることになるのです。

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皆既日食と金環食のどちらが観測されるのかが決まる具体的な基準

そして、このように、

太陽と月と地球という三つの天体がこの順番でほぼ同じように一直線上に並んでいる場合でも、皆既日食金環食という異なる二つの日食のあり方が観測されることがある具体的な理由としては、

太陽の周りを回っていく地球の公転軌道も、地球の周りを回っていく月の公転軌道も実際には完全な円軌道ではなく楕円軌道となっていることから、

その時々の地球や月の位置が楕円軌道において中心となる天体との距離が最も近づいていく地点にあたる近日点に位置する場合と、最も遠ざかった地点にあたる遠日点に位置する場合とでは、それぞれの天体同士の距離が変化していくことになるということが理由として挙げられることになります。

つまり、

こうした太陽と月を結ぶ直線上に位置する地球上の観測地点において、皆既日食と部分日食と呼ばれる二つの日食のあり方のどちらが観測されることになるのかが決まる具体的な基準としては、

光源にあたる太陽と地球との距離に対して、遮蔽物にあたる月と地球との距離十分に近い場合には、月の本影のうちに地球上の観測地点が入り込むことによって、皆既日食が観測されることになるのに対して、

光源にあたる太陽と地球との距離に対して、遮蔽物にあたる月と地球との距離離れている場合には、月の本影から地球上の観測地点が外れてしまうことによって、金環食が観測されることになると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:皆既日食と部分日食と金環食の具体的な特徴の違いのまとめ

前回記事:本影と半影の違いとは?日食における本影と半影の位置関係と皆既日食と部分日食との関係

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