皆既日食と部分日食と金環食の具体的な特徴の違いのまとめ
このシリーズの初回から前回までの一連の記事のなかで書いてきたように、日食と呼ばれる地球からの観測において太陽の姿が少しずつ欠けていくことにように見えることになる天体現象のあり方は、
大きく分けて、
皆既日食と部分日食と金環食と呼ばれる三つの日食のあり方へと区分されていくことになると考えられることになるのですが、
それでは、
こうした皆既日食と部分日食と金環食という日食のあり方は、それぞれ太陽と月と地球という三つの天体がどのような位置関係にある時に観測されることになると考えられ、
こうした三つの日食のあり方は、より正確には、それぞれ具体的にどのような特徴をもった日食のあり方として定義されることになると考えられることになるのでしょうか?
皆既日食と部分日食と金環食における太陽と月と地球の位置関係の違い
そうすると、まず、上記の図において示したように、
日食と呼ばれる天体現象は、太陽と月と地球がこの順番において一直線に並んでいる時に引き起こされていくことになると考えられることになるのですが、
この時、地球上の観測点が太陽と月を結ぶ直線上へと伸びていく本影と呼ばれる太陽の光が完全に遮られた月の濃い影が落とされた狭い領域のうちに入っている場合には、
太陽が徐々に欠けていったのち太陽の姿が完全に見えなくなることによって、太陽が昇っているはずの昼の時間においても地上が完全なる暗闇に包まれていくことになる皆既日食が観測されることになると考えられることになります。
そして、その時、
こうした本影と呼ばれる月の濃い影の周りには、半影と呼ばれる太陽の光が部分的に遮られているものの光の一部分は到達している月の薄い影が落とされた比較的広い領域が広がっていくことになり、
そうした皆既日食が観測されることになる地域の周辺にあたる月の半影のうちに入っている地球上のかなり広い地域においては、
太陽の姿の一部分だけが見えなくなることによって、地上が完全なる暗闇へと包まれてしまうことはないものの、輪郭がくっきりとした太い三日月のような太陽の姿が見られることになる部分日食が観測されることになると考えられることになります。
そして、それに対して、
光源にあたる太陽と地球との距離に対して月と地球との距離がかなり離れている場合には、上記の図において示したように、太陽の光が完全に遮られた領域にあたる月の本影が地球上まで到達していないケースもあり、
そのようなケースにおいては、
そうした本来は皆既日食が観測されるはずの観測地点においては、太陽よりも一回り小さい月の姿によって太陽が覆い隠されていくことによって、黒い月の周囲に太陽の縁だけが金色の環のように輝いている金環食が観測されることになる一方で、
そうした金環食が観測されることになる地域の周辺にあたる地球上のかなり広い地域においては、皆既日食の場合と同様に、太陽の一部分だけが欠けている部分日食が観測されることになると考えられることになるのです
皆既日食と部分日食と金環食の具体的な特徴の違いのまとめ
そして、以上のように、
こうした皆既日食と部分日食と金環食と呼ばれる三つの日食のあり方における具体的な特徴の違いについて、一言でまとめると、
太陽と月と地球がこの順番で一直線に並んでいる時に見られることになる日食と呼ばれる天体現象のなかでも、
皆既日食は、地球上の観測地点が太陽の光が完全に遮られた月の本影のうちに入ることによって、太陽の姿が完全に見えなくなるという地球上の狭い地域においてのみ観測される極めて稀な天体現象であるのに対して、
部分日食は、地球上の観測地点が太陽の光が部分的に遮られた月の半影のうちに入ることによって、太陽の姿が一部だけが欠けて見えなくなるという地球上の広い地域において観測される天体現象であり、
金環食は、月と地球との距離が離れ過ぎていて月の本影が地球上まで到達していない場合に、本来は皆既日食が観測されるはずの観測地点において、太陽よりも一回り小さい黒い月の周囲に太陽の縁だけが金色の環のように輝いて見えるという皆既日食と同様に極めて稀な天体現象であるといった点に、
こうした三つの日食のあり方における主要な特徴の違いを見いだしていくことができると考えられることになるのです。
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次回記事:日食は必ず新月の日に起こるのに新月の日に必ず日食が起こるとは限らない理由とは?
前回記事:皆既日食と金環食の違いとは?太陽と月と地球の位置関係の違いで決まる二つの日食のどちらが観測されるのかの具体的な基準
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