三日月の対となる細長い月の姿に具体的な名前がない理由とは?月齢27日ごろの月の一日の動きのあり方の図解に基づく説明

前回の記事で書いたように、新月の日から数えて3日目にあたる日に観測されることになる三日月と呼ばれる右側の方向が輝く細長い弓形の月として観察されることになる月の姿は、日没後のわずかな時間だけ西の夜空の低い位置に現れていくことになると考えられるのですが、

それに対して、

新月の日から数えて27日目にあたる日の前後には、こうした三日月とは反対に左側の方向が輝く細長い弓形の月として観察されることになる月の姿が観測されることになると考えられることになります。

そして、

こうした左側の方向が輝く細長い弓形の月が観測されることになる時の太陽と月との位置関係のあり方に基づく一日における月の動きのあり方からは、

そうした三日月の対となる細長い月の姿に、具体的な名前が付けられていない理由についても明らかになっていくことになると考えられることになります。

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月齢27日ごろの時期における天球上の月と太陽の位置関係とこの頃の月が左側の方向が輝く細長い弓形の月として観察される理由

 月齢27日ごろの時期における天球上の月と太陽の位置関係

そうすると、まず、

こうした月齢27日ごろの時期における月の姿は、地球からの観測されることになる天球上における月と太陽の位置関係においては、月と太陽が同じ方向へと重なる新月の日を迎えた後27日ほどの間に、

月の側は、天球上における月の通り道にあたる白道の軌道上を西から東へと反時計回りに330度ほど回っていくことになるため、

上記の図において示したように、

こうした月齢27日ごろの時期における月の姿は、地球からの観測においては、左側の方向が輝いている細長い弓形の月の姿として観測されることになると考えられることになります。

そして、

この頃の月の姿を指す表現としては、そうした月齢27日の少し前の時期にあたる月齢26日ごろに観測される月の姿のことを指してそのまま二十六夜(にじゅうろくや)と呼ばれることや、月齢16日以降の夜が明けても空に残っている月の姿の総称として有明の月(ありあけのつき)といった表現が用いられることはあるのですが、

基本的に、こうした月齢27日ごろの時期に観測されることになる三日月の対となる細長い月の姿については、

満月新月、あるいは、上弦の月下弦の月、そして、三日月などといった一般的に広く知られている固有の月の姿のことを意味する名前は付けられていないと考えられることになるのです。

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月齢27日ごろの時期の月の一日の動きのあり方の図解と三日月の対となる細長い月の姿に具体的な名前がない理由

月齢27日ごろの時期における月の出から月の入りまでの月と太陽の位置関係の推移

そして、例えば、

こうした月齢27日ごろの時期の月と太陽との一日の動きにおける位置関係のあり方がより分かりやすくなるように、

月と太陽が両方とも真東の空から昇ってきて真西の空へと沈んでいくことになる時期における月の出から月の入りまでの月と太陽位置関係の推移のあり方を例に挙げていくことによって、

こうした月の姿が現れることになる時期の一日における月の動きのあり方について考えていくとした場合、

上記の図において示したように、

まず、①の月の出の時点での月齢27日ごろの時期の月と太陽の位置関係においては、

東の空から月が姿を現していくことになる月の出の時は、まだ太陽が日の出の時を迎えていない夜明け前の時にあたり、そうした夜明け前の東の空に薄っすらと月の姿が浮かんでいくことになると考えられることになります。

しかし、その後すぐに②の太陽の日の出の時を迎えていくことになると、

そうした日の出の時を迎えた太陽の強い光によって月の光がかき消されてしまうことによって、すぐに月の姿は薄らいで見えなくなっていってしまうことになると考えられ、

さらにその後、③の月の入りの時点へと至るまで太陽が東の空から南の空を通って西の空へと移動していく昼間の時間帯が続いていくことになるため、再び月の姿を見ることはできないまま、そのままひっそりと月の入りの時を迎えることになってしまうと考えられることになるのです。

・・・

そして、以上のように、

こうした月齢27日ごろの時期に観測されることになる三日月の対となる細長い月の姿は、夜明け前のわずかな時間だけ東の夜空の低い位置に観測されていくことになるのですが、

その一方で、

人々が月の姿を愛でて月見などと称してその姿を鑑賞していくことになるのは、日が暮れていく日没の頃から真夜中へとかけての眠りにつくまでの夜の時間帯であると考えられることになります。

つまり、そういった意味では、

そうした人々が月の姿へと思いを寄せていく時間帯からは大きくはずれた夜明け前早朝の時間帯にわずかな時間だけ現れることになる月の姿についてはあまり深く心にとめるような人はいなかったとも考えられることになるため、

こうした月齢27日ごろの時期に現れる三日月の対となる細長い月の姿については、満月新月、あるいは、上弦の月下弦の月、そして、三日月などといった固有の月の姿の名前が与えられることはなかったと解釈していくこともできると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:春と秋における三日月の日周軌道の違いとは?春の三日月の方が秋の三日月よりも南中時の高度が高くなる具体的な仕組み

前回記事:三日月の一日の動きのあり方の図解と三日月の姿が日没後のわずかな時間しか地球上から観測することができない理由

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