春と秋における三日月の日周軌道の違いとは?春の三日月の方が秋の三日月よりも南中時の高度が高くなる具体的な仕組み

前々回 と 前回の記事では、三日月とその対となる月齢27日ごろに観察される細長い月一日の動きと、天球上における太陽との位置関係のあり方の違いについて図示していく形で順番に考えてきましたが、

より厳密な意味においては、こうした三日月一日の動きにあたる日周軌道のあり方には、

春や秋といった季節ごとにおいても大きな違いを見いだしていくことができると考えられることになります。

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春と秋の時期における天球上の三日月と太陽の位置関係

春と秋の時期の天球上における三日月と太陽の位置関係の違い

そうすると、まず、前々回の記事でも書いたように、

三日月と呼ばれる新月の日から数えて3日目の夜に観測されることになる細長い弓形の月は、

地球からの観測されることになる天球上における月と太陽の位置関係においては、地球から見て月と太陽が同じ方向へと重なる新月の日から数えて3日ほどの間に、

月の側は、天球上における月の通り道にあたる白道の軌道上を西から東へと反時計回りに30度ほど回っていくことになります。

そして、この時、

春の時期においては、太陽はその年周軌道にあたる黄道と天の赤道との昇交点にあたる春分点の近くに位置することになるのに対して、

秋の時期においては、太陽はその年周軌道にあたる黄道と天の赤道との降交点にあたる秋分点の近くの位置することになるため、

こうした天球上における太陽の位置の違いに応じて、そうした太陽の天球上における通り道にあたる黄道とほぼ同じ軌道を描いていくことになる天球上における月の通り道としての白道における三日月の位置のあり方にも大きな違いが生じていくことになると考えられ、

具体的には、上記の図において示したように、白道上における位置としては、

春の三日月は、春分点を少し過ぎたあたりの天の北極の側に位置する少し高度が高い白道上の地点に位置づけられることになるのに対して、

秋の三日月は、秋分点を少し過ぎたあたりの天の南極の側に位置する少し高度が低い白道上の地点に位置づけられることになると考えられることになるのです。

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春と秋における三日月の日周軌道の違いと春の三日月の方が秋の三日月よりも南中時の高度が高くなる具体的な仕組み

春と秋の時期における三日月の日周軌道の違い

それでは、

こうした春と秋のそれぞれの時期における白道上における三日月の位置の違いのあり方からは、どのようにして三日月一日の動きにあたる日周軌道のあり方の違いを導き出していくことができるのか?ということについてですが、

それについては、まずは、

前述した図における太陽の年周軌道にあたる黄道を、春分と秋分の時期真東から昇り真西へと沈んでいくことになる太陽の日周軌道のあり方に合わせて、上記の図における地平線上の東と西の地点を通る形へと位置づけ直し、それを天球上における月の通り道にあたる白道と置き換えたうえで

具体的には、上記の図において示したように、

天球上の月の軌道にあたる白道の上に位置づけられることになる春分と秋分の時期を中心とする春と秋の季節における三日月のそれぞれの位置を、

地球における自転運動のあり方と対応させていくように、地球における北極と南極を結んだ直線にあたる地軸を中心として天球ごと回転させていくことによって、

 東の空から昇って西の空へと沈んでいくことになるそうした春と秋の時期における三日月の日周軌道のあり方を導き出していくことができると考えられることになります。

そして、具体的には、上記の図において示したように、

春分の時期を中心とする春の季節における三日月の日周軌道のあり方においては、三日月は少し北寄りの東の空から昇ってきて、南のやや高い空を通ったのち、少し北寄りの西の空へと沈んでいくことになるのに対して、

秋分の時期を中心とする秋の季節における三日月の日周軌道のあり方においては、三日月は少し南寄りの東の空から昇ってきて、南のやや低い空を通ったのち、少し南寄りの西の空へと沈んでいくことになると考えられることになります。

そして、このように、

こうした春と秋のそれぞれの時期における三日月一日の動きにあたる日周軌道の違いについては、

春の三日月南のやや高い空を通っていくのに対して、秋の三日月南のやや低い空を通っていくことになるというように、

そうした三日月の日周軌道において観測されることになる南中時における月の高さの違いといった点に大きな相違点を見いだしていくことができると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:三日月がいつも西の低い空にいるように見える理由とは?南中時の月の高さは違うのに実際に観測される位置が同じになる仕組み

前回記事:三日月の対となる細長い月の姿に具体的な名前がない理由とは?月齢27日ごろの月の一日の動きのあり方の図解に基づく説明

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