中秋と仲秋の違いとは?「中」と「仲」という漢字自体の成り立ちに基づく二つの秋の表現における具体的な意味の違い
秋の半ば頃の時期のことを意味する表現としては、例えば、「中秋の名月」や「仲秋の名月」といった言葉があるように、「中秋」と「仲秋」(ちゅうしゅう)という二つの表現が用いられることがありますが、このうち、
中秋とは、旧暦の7月から9月までの秋の季節の期間のちょうど真ん中の日にあたる旧暦の8月15日のことを意味する言葉であるのに対して、
仲秋とは、そうした旧暦における秋の3か月のうちの真ん中の月にあたる旧暦の8月の期間全体のことを意味する言葉であるといった点に、両者の表現における意味の違いを見いだしていくことができると考えられることになります。
そして、
こうした「中秋」と「仲秋」という二つの表現の間に、このような意味の違いが生じていくことになる具体的な理由としては、
これらの二つの表現のうちに含まれている「中」と「仲」という漢字自体の成り立ちのあり方のうちにその大本の由来を求めていくことができると考えられることになります。
真ん中に立てられた棒のことを意味する「中」という漢字の成り立ち
そうするとまず、
「中秋」という表現の内に含まれている「中」という漢字の成り立ちについては、
この漢字は、物事の真ん中に棒を立てて中心を貫いている様子を表して形づくられていった漢字であると考えられることになります。
そして、こうした「中」という漢字自体の成り立ちの通り、
「中秋」という表現においては、物事の真ん中となる中心部分、すなわち、秋という期間の範囲内におけるど真ん中の中間地点のことを意味する旧暦の8月15日のことを指して、こうした表現が用いられていると考えられることになるのです。
三兄弟の真ん中の人物のことを意味する「仲」という漢字の成り立ち
そして、それに対して、
「仲秋」という表現の内に含まれている「仲」という漢字の成り立ちについては、この漢字は、前述した「中」という漢字に「人」という字が加えられることによって、
長子と次子と末子という三兄弟における真ん中の人物、すなわち、次子のことを表す字として形づくられていった漢字であると考えられていて、
例えば、
「仲人」(なこうど)という言葉では、新郎と新婦の二人の間を取り持つ真ん中に立ってなかだちをする三人目の人物のことを指してこうした言葉が用いられることになるように、
基本的には、
そうした長子と次子と末子、あるいは、新郎と仲人と新婦などといった三人の人物や三人の物事の間に立つ人物や物事のことを指して、こうした「仲」という字を用いた表現がなされていくことになると考えられることになります。
そして、こうした「仲」という漢字自体の成り立ちの通り、
「仲秋」という表現においては、単に、物事の真ん中に位置する期間のことを意味するというだけではなく、秋の期間を構成している旧暦における7月と8月と9月という三つの月の真ん中に位置する旧暦の8月の期間のこと指して、こうした表現が用いられていると考えられることになるのです。
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以上のように、
こうした「中秋」と「仲秋」という二つの表現の間に意味の違いが生じていくことになっていった具体的な理由としては、
前者の「中秋」という表現においては、この表現において用いられている「中」という漢字は、もともと物事や期間のど真ん中の一点を貫く一本の棒のことを表す漢字であったことから、
旧暦の7月から9月までの秋の季節の期間のちょうど真ん中の日にあたる旧暦の8月15日だけのことを指して、こうした「中秋」という表現が用いられることになっていったと考えられることになるのに対して、
後者の「仲秋」という表現においては、この表現において用いられている「仲」という漢字は、もともと長子と次子と末子といった三人の人物や三人の物事の真ん中に位置する人物や物事のことを表す漢字であったことから、
旧暦における7月と8月と9月という三つの月の真ん中に位置する旧暦の8月の期間、すなわち、現在の日本で用いられている暦のあり方である新暦においては9月の前後にあたる期間のことを指して、こうした「仲秋」という表現が用いられることになっていったと説明していくことができると考えられることになるのです。
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