土用とは何か?陰陽五行説における木火土金水の五元素と春夏秋冬の四季との対応関係に基づく土用という言葉の由来

前々回前回の記事で書いてきたように、土用の丑の日(どようのうしのひ)といった言葉で有名な土用(どよう)と呼ばれる期間は、

二十四節気などに代表される日本や中国古来の暦の区分のあり方において、春夏秋冬という四つの季節における、それぞれの季節の変わり目にあたる期間として位置づけられている雑節と呼ばれる特定の期間のうちの一つのことを意味する言葉であり、

具体的には、

そうした二十四節気において春夏秋冬のそれぞれの季節のはじまりの日として位置づけられている立春立夏立秋立冬と呼ばれる日の直前の 18日間ほどの期間がこうした土用と呼ばれる暦の期間として位置づけられることになると考えられることになります。

そこで、今回の記事は、

そもそも、こうした季節が移り変わっていく移行期として位置づけられる暦の期間のことを意味する言葉として、土用という言葉が使われるようになっていったということには具体的にどのような由来があると考えられることになるのか?

ということについて、もう少し詳しく考えていってみたいと思います。

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陰陽五行説における木火土金水の五元素と春夏秋冬の四季との対応関係

そうすると、まず、

こうした季節が移り変わっていく移行期にあたる暦の期間のことを意味する言葉として土用という言葉が用いられることになった大本の由来としては、

この世界に存在する万物の生成と変化陰と陽の二つの力の対立と調和と、「木」「火」「土」「金」「水」という五種類の元素の相互作用によって説明する古代中国の思想である陰陽五行説の存在が挙げられることになると考えられることになります。

そして、こうした陰陽五行説の思想においては、

「木」「火」「土」「金」「水」というそれぞれの元素は、

色彩としては「青」「赤」「黄」「白」「黒」五色へと対応づけられたうえで、

こうした陰陽五行説における正色として位置づけられている五つの色は、青春(せいしゅん)朱夏(しゅか)白秋(はくしゅう)玄冬(げんとう)といった言葉があるように、

季節としては、「青」=「春」「赤」=「夏」「白」=「秋」「黒」=「冬」という対応関係のもとに位置づけられていくことになると考えられることになるのです。

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陰陽五行説のなかで春夏秋冬のどの季節とも結びつかない「黄」と「土」の要素としての土用の期間の位置づけ

そして、

こうした陰陽五行説における正色として位置づけられている五つの色のなかで、唯一、春夏秋冬の四季のうちのいずれの季節とも結びつけられていない色として、最後に黄色が残ることになると考えられることになるのですが、

つまり、

そうした陰陽五行説のなかで春夏秋冬のどの季節とも結びつけられていない「黄」の要素、すなわち、木火土金水の五元素でいうところの「土」の要素が、

こうした四つの季節の変わり目にあたる季節が移り変わっていく移行期として位置づけられることになる暦の期間へと割り当てられていくことになり、

そうした陰陽五行説における万物の生成変化を司る五元素のうちの「土」の気が旺盛であることを意味する「土旺用事」(どおうようじ)といった言葉が省略されて「土用」(どよう)と呼ばれることになっていったのが、

こうした土用と呼ばれる暦の期間についての具体的な名称の由来であると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:土用の期間が18日間である理由とは?陰陽五行説に基づく土用の期間と一年における春夏秋冬の領域との関係

関連記事:土用の期間はいつからいつまでなのか?現代の暦の日付における土用の具体的な期間と二十四節気における春夏秋冬の四つの土用

前回記事:土用の丑の日はいつなのか?現代の暦における日付の具体的な決め方と十干十二支と夏の土用の期間との関係

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