聖金曜日と聖土曜日の由来とは?ルカによる福音書におけるイエスの十字架の死から復活までの記述とユダヤ教の安息日との関係

キリスト教においてイエス・キリストの十字架の死からの復活を祝う復活祭までの一週間は、聖週間あるいは受難週と呼ばれることになりますが、

こうしたキリスト教における聖週間は、

十字架へとかけられることになるイエスがエルサレムに入城した枝の主日や棕櫚の日と呼ばれる日曜日に始まり、

キリストが弟子たちと食卓を共にした最後の晩餐の日にあたる聖木曜日や洗足木曜日と呼ばれる木曜日を経たうえで、

その次の聖金曜日とそれに続く聖土曜日を聖週間の最後の日として、その翌日の復活祭日曜日を迎えていくことになると考えられることになります。

それでは、

こうした聖金曜日聖土曜日と呼ばれる日は、キリスト教の聖典である新約聖書における記述に基づくと、それぞれ具体的にどのような日として位置づけられることになると考えられることになるのでしょうか?

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ルカによる福音書におけるイエス十字架の死から復活までの出来事についての記述とユダヤ教の安息日との関係

そうすると、まず、

マタイの福音書やヨハネによる福音書といった新約聖書の記述に基づくと、

イエスが十字架の死を迎えることになったのは、ユダヤ教における安息日である土曜日の前日にあたる日、すなわち、金曜日であったと解釈されることになり、

その後イエスは、十字架の死を迎えることになった金曜日から数えて三日目、すなわち、ユダヤ教における安息日の翌日にして週のはじめの日にあたる日曜日復活したということが語られているのですが、

こうしたユダヤ教における安息日の前日におけるイエスの十字架の死から、安息日の翌日における十字架の死からの復活までに起こった一連の出来事は、

例えば、ルカの福音書における以下のような言葉のうちに、その詳細な記述を見いだしていくことができると考えられることになります。

・・・

さて、ヨセフという議員がいたが、善良な正しい人で…この人がピラトのところに行き、イエスの遺体を渡してくれるようにと願い出て遺体を十字架から降ろして亜麻布で包み、まだだれも葬られたことのない、岩に掘った墓の中に納めたその日は準備の日であり、安息日が始まろうとしていた

イエスと一緒にガリラヤから来た婦人たちは、ヨセフの後について行き、墓と、イエスの遺体が納められている有様とを見届け、家に帰って、香料と香油を準備した。婦人たちは、安息日には掟に従って休んだ。…

そして、週の初めの日の明け方早く、準備しておいた香料を持って墓に行った。見ると、石が墓のわきに転がしてあり、中に入っても、主イエスの遺体が見当たらなかった。そのため途方に暮れていると、輝く衣を着た二人の人がそばに現れた。

婦人たちが恐れて地に顔を伏せると、二人は言った。「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのかあの方は、ここにはおられない。復活なさったのだ。まだガリラヤにおられたころ、お話しになったことを思い出しなさい。人の子は必ず、罪人の手に渡され、十字架につけられ、三日目に復活することになっている、と言われたではないか。」

(新約聖書「ルカによる福音書」23章50節~24章7節)

・・・

つまり、こうしたルカの福音書における一連の記述においては、

イエスが十字架のうえで死を迎えたのち、その遺体が十字架から降ろされて亜麻布に包まれて墓の中に納められることになったのは、ユダヤ教における安息日の前日である金曜日であり、

その次の日のユダヤ教における安息日にあたる土曜日に、キリストはそうした岩の墓の中で眠りについたのち、その翌日の日曜日復活したということが語られていると考えられることになるのです。

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キリスト教における聖金曜日と聖土曜日の位置づけのあり方の違い

そして、そういった意味では、

キリスト教においては、こうしたルカの福音書などの新約聖書における記述に基づいて、

イエスが十字架のうえで死を迎えた日である金曜日が、

そうしたイエス・キリストの十字架の死嘆き悲しんで深い哀悼の意を示す悲しみに満ちた聖なる日という意味で聖金曜日として位置づけられたうえで、

そうしたイエスが十字架の死を迎えた翌日にあたる土曜日は、

墓の中で眠りにつくキリストのことを思いながら静かな祈りを捧げると共に、次の日に迫ったキリストの復活死への勝利を待ち望む期待と希望に満ちた聖なる日という意味で聖土曜日として位置づけられていると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:キリストが死んだ聖金曜日が英語でグッド・フライデーと呼ばれる理由とは?聖書を意味するグッド・ブックとの関係

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