ラフレシアが世界最大の巨大な花を咲かせる理由とは?ラフレシアの花が悪臭を放つ原因と世界一残念な花が誕生するまでの経緯

前回の記事で書いたように、直径90cmから1メートルを超えることもあるような世界最大の巨大な花を咲かせることで有名なラフレシアと呼ばれる熱帯性の植物は、

生物学的な分類においては、自分自身の生存のために必要な栄養素のすべて宿主となる植物に依存していく形で寄生生活を営んでいる全寄生植物と呼ばれる植物の種族に分類されることになります。

そして、

こうしたラフレシアと呼ばれる植物がこのような世界最大の巨大な花を咲かせる理由についても、そうした全寄生植物と呼ばれる植物としての特性のあり方からある程度推察していくことができると考えられることになるのです。

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ラフレシアの花が世界最大の花を咲かせることができる理由とは?

冒頭でも述べたように、

ラフレシアは、自分自身の生存のために必要な栄養素のすべて宿主となる植物に依存している全寄生植物と呼ばれる植物の種族に分類されることになるのですが、

このように、生存のために必要な栄養素を自分自身の力で獲得しなくても生きていけるということは、こうしたラフレシアと呼ばれる寄生性の植物は、

光合成による有機物の合成や、そうして合成された栄養素の輸送や保持のために必要な植物体の構造や器官のうちの多くの部分が存在しなくても生命活動を営んでいくことが可能であるということを意味することになると考えられることになります。

そして、実際、

ラフレシアの植物体の全体的な構造においては、その大きな花をのぞくと宿主となる植物に寄生するために必要なキノコの菌糸のような糸状の組織が巨大な花の下部に存在するだけで、

一般的な植物の体の構造の大部分を占めている根や茎や葉はすべて退化していてほとんど存在しない状態となっていて、

逆に言えば、

そうした根も茎も葉もない花だけに特化した植物体の構造をしているために、冒頭で述べたような直径1メートルを超えるような世界最大の花を咲かせることが可能となったとも考えられることになるのです。

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ラフレシアの花が悪臭を放つ原因と世界一残念な花が誕生するまでの経緯

ちなみに、

ラフレシアは、そうした世界一大きい花をつけると同時に、その花が腐敗した動物の死体のような凄まじい悪臭を放つ世界一くさい花でもあるということでも有名な植物でもあるのですが、

そうしたラフレシアの悪臭の原因については、ラフレシアの花粉が動物の死肉や排泄物を好むクロバエなどのハエの一種によって媒介されていくことになるため、

そうした花粉の運び手にあたるハエの好みに合わせて、死肉にも似た赤褐色の毒々しい色彩厚い肉質の花びらをつけて開花すると腐った肉のような悪臭を放つ花を咲かせることになってしまったと考えられることになります。

以上のように、

こうしたラフレシアと呼ばれる植物は、自分自身の生存のために必要な栄養素のすべて宿主となる植物に依存している全寄生植物に分類される生物であり、

栄養素の合成や保持といった活動のために必要な植物体の多くの組織や器官を省いてしまっても十分生存が可能となったため、

子孫の繁殖といった生殖のために必要な器官である花だけに特化した植物体の構造をとるように進化していったと考えられることになります。

そして、

もしも、蝶やハチのように美しい花と甘い蜜の香りを好む虫たちが花粉の運び手となっていてくれさえいたならば、ラフレシアは自らが持つ能力を最大限に発揮して、

世界で最も大きい花にふさわしい世界で最も美しくかぐわしい花を咲かせることになっていたと考えられることになるのですが、

実際には、

ラフレシアの花粉の運び手は、そうした美しい蝶たちではなく、動物の死肉や排泄物を好むハエにその役割が任されることになってしまったため、

こうした世界一大きくて偉大ではあるが、その分、世界一くさくて近寄りがたいという世界一残念な花が誕生してしまうことになったと考えられることになるのです。

・・・

次回記事:腐生植物とは何か?部分的菌従属栄養植物と完全菌従属栄養植物に分類される代表的な植物の種類と植物と菌類の二重の寄生関係

前回記事:寄生植物とは何か?ラフレシアなどの葉緑素がなく光合成をしない全寄生植物とヤドリギなどの半寄生植物の具体的な特徴の違い

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