重金属と軽金属の違いとは?両者に分類される代表的な金属の種類と区分するための基準となる「比重」の具体的な意味

アルミニウムマグネシウムといった金属元素は、大きく分けて、重金属軽金属という二つの金属のグループへと分類されることになります。

それでは、

こうした重金属軽金属という金属元素の二つのグループ分けは、具体的にどのような基準においてなされていて、

それぞれのグループに分類される代表的な金属の種類としてはどのようなものが挙げられることになると考えられることになるのでしょうか?

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重金属と軽金属とを区分する明確な基準と「比重」の具体的な意味

まず、

こうした重金属軽金属という二つのグループの境界は、それぞれの金属元素における比重の大きさに求められることになり、

一般的には、

比重が4以上(または5以上)の比較的重い金属が重金属と定義されることになるのに対して、

比重が4以下(または5以下)の比較的軽い金属が軽金属と定義されることになります。

ちなみに、

ここで述べられている「比重」(ひじゅう)とは、ある物質の質料と、それと同じ体積を持つ標準物質の質量との比のことを意味する言葉であり、

ここで言う標準物質とは、通常の場合、4℃の状態にある水のことを意味することになるので、

一言でいうと、

「比重」とは、その物質が標準物質である水と比べてどのくらい重い物質であるのかということを示す物質の重さの基準となる指標として捉えることができると考えられることになります。

そして、そういった意味では、

こうした重金属軽金属という二つの金属のグループを分ける具体的な基準についてより分かりやすく説明すると、

同じ量の水の重さよりも4倍以上重い金属重金属と呼ばれているのに対して、それよりも軽い金属軽金属と呼ばれていると捉えることができると考えられることになるのです。

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重金属に分類される代表的な金属の種類と半金属としてのヒ素の位置づけ

それでは、

こうした重金属軽金属という二つの金属のグループには、それぞれ具体的にどのような金属の種類が分類されることになるのか?ということについてですが、

それについてはまず、

前者の重金属に分類される代表的な金属の種類としては、比重が大きい順に、

プルトニウム(比重19.8)、(19.3)、ウラン(19.1)、タングステン(19.3)、(10.5)、水銀(13.5)、(11.3)、ビスマス(9.8)、モリブデン(9.0)、(8.9)、コバルト(8.9)、ニッケル(8.8)、カドミウム(8.7)、(7.9)、スズ(7.3)、マンガン(7.2)、クロム(7.1)、亜鉛(6.9)、ヒ素(5.7)、チタン(4.5)

といった金属元素の種類が挙げられることになります。

ちなみに、

上記のリストの最後から二番目に挙げたヒ素については、上述したようにヒ素の比重は5.7となっているので、それは比重が4以上の金属という重金属の定義を形式上は満たしていると考えられることになるのですが、

その一方で、

こうしたヒ素と呼ばれる元素は、単体の状態では金属光沢を放っていて、熱伝導率や電気伝導率が高いといった金属元素としての特徴を持つ一方で、物質としての構造に弾力がなく脆く崩れやすいといった非金属的な特徴もあわせ持っていて、

金属と非金属の中間に位置づけられる半金属と呼ばれる元素のグループにも分類されることがあるため、

半金属に分類される元素を正式な金属のグループの一員として認めない場合には、ヒ素は厳密な意味における重金属の内には含まれないこともあると捉えることもできると考えられることになるのです。

軽金属に分類される代表的な金属の種類とチタンのグループ分けの問題

そして、それに対して、

後者の軽金属に分類される代表的な金属の種類としては、比重が小さい順に、

マグネシウム(比重1.7)、ベリリウム(1.9)、アルミニウム(2.7)などの金属元素の種類が挙げられることになるほか、

単体としてのナトリウムカリウム、あるいは、リチウムルビジウムセシウムといったアルカリ金属に分類される元素の種類や、

単体としてのカルシウムや、バリウムストロンチウムといったアルカリ土類金属に分類される元素の種類なども軽金属のグループに分類することができると考えられることになります。

また、

前章における重金属リストの最後に挙げたチタンについては、重金属の基準を比重が4以上の金属とする一般的な基準においては重金属のグループに分類されることになるものの、

前述したように、こうした重金属と軽金属というグループ分けのあり方には、少し数値の基準にあいまいなところがあり、比重が5以上の金属を重金属として定義する場合もあるため、

そうした比重が5以上の金属を重金属そして比重が5以下の金属を軽金属する基準のあり方に従うと、前章の重金属のリストの最後に挙げた比重が4.5のチタンは、重金属ではなく軽金属のグループへと分類される場合もあると考えられることになるのです。

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