滅菌と殺菌の違いとは?両者の具体的な定義と代表的な滅菌法と殺菌法の種類

前回の記事で書いたように、抗菌は病原体となる細菌の増殖や発育の抑制することを意味する言葉、除菌は対象物に付着している細菌の数を減らして清潔度を高めることを意味する言葉として定義されるのに対して、

殺菌は病原体となる細菌を殺すあるいは死滅させることを意味する言葉として定義されることになるのですが、

こうした細菌といった微生物を死滅させる働きのことを意味する言葉としては、殺菌のほかにも滅菌といった言葉も用いられることになります。

それでは、

こうした殺菌滅菌という二つの言葉には具体的にどのような意味の違いがあると考えられ、そうした殺菌法や滅菌法の代表的な種類としてはどのような手法が挙げられることになると考えられることになるのでしょうか?

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殺菌の具体的な定義と殺菌法の代表的な種類

まず、冒頭でも述べたように、

殺菌とは、病原体となる細菌を殺すあるいは死滅させることを意味する言葉であり、そうした殺菌という言葉の定義の内には、細菌を死滅させる量や割合についての厳密な定義は含まれていないので、

対象物に付着している細菌の一部でも死滅させる働きをもった手法であるならば、どのような手法であっても殺菌法の内に含まれることになると考えられることになります。

したがって、

こうした殺菌法のうちには、細菌を一部でも死滅させていくことによって対象物に含まれる細菌量を減少させていくことに関わる多様な手法が数多く含まれることになり、

具体的には、

熱湯消毒や、63℃~68℃の温度で30分以上加熱する低温殺菌、72℃以上で15秒以上加熱する高温殺菌、120~150℃で1~3秒加熱する超高温殺菌

アルコール塩素過酸化水素水(オキシドール)ヨウ素剤(ヨードチンキ)といった殺菌作用をもつ薬品を用いた化学的な方法を用いた殺菌

その他にも、太陽光紫外線による殺菌や、超音波を用いた殺菌、あるいは、電流を利用した通電殺菌といった手法などが殺菌法の代表的な種類として挙げられることになると考えられることになるのです。

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滅菌の具体的な定義と滅菌法の代表的な種類

それに対して、

滅菌とは、対象物の内に含まれているあらゆる微生物やウイルスを完全に死滅させることを意味する言葉であり、

対象物の内にほんのわずかでも細菌が生き残っている可能性がある場合には、そうした手法による殺菌では、十分に滅菌したことにはならないと考えられることになります。

つまり、そういった意味では、

こうした滅菌と呼ばれる言葉は、病原体となる細菌を殺すあるいは死滅させることを意味する殺菌と呼ばれる働きのなかでも、

そうした殺菌と呼ばれる働きが完全に徹底的な形で遂行されていくことによって、細菌を含むあらゆる微生物やウイルスが限りなくゼロに近い状態と至るまで死滅した状態のことを意味する言葉として定義されることになるといった点に、

こうした殺菌滅菌という二つの言葉の間の具体的な意味の違いがあると考えられることになるのです。

そして、

こうした滅菌法のうちには、上述した多様な殺菌法の種類のなかでも、そうした完全で徹底的な殺菌の働きを遂行することができるごくわずかの種類のみが該当することになると考えられ、

具体的には、

160℃で2時間あるいは180℃で30分間という超高温で長時間加熱し続けることによって、対象物の内に含まれている酵素やタンパク質のすべてを熱変性させて破壊してしまう乾熱滅菌dry heat sterilization、ドライ・ヒート・ ステリリゼーション)と呼ばれる手法や、

121℃で2気圧以上高温高圧の状態を20分間以上保つことによって、そうした高温高圧状態における飽和水蒸気を利用して有機物の加水分解反応を促進することで効率的に滅菌を行っていく高温高圧滅菌autoclave、オートクレーブ)と呼ばれる手法、

さらには、

人間の100%致死線量である7Gy(グレイ)の5000倍の線量にものぼる35kGy(キログレイ)もの高線量の放射線を対象物に浴びせることによって、細菌やウイルスの内に存在するDNARNAといった遺伝物質を破壊し尽してしまうガンマ線滅菌エックス線滅菌といった手法などが、

こうした滅菌法の代表的な種類として挙げられることになると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:消毒と殺菌の違いとは?細菌とウイルスという病原体の種類の違いに応じた殺菌と消毒という二つの言葉の適用範囲の違い

前回記事:抗菌と除菌と殺菌の違いとは?日常的な意味と医学的な意味における三つの言葉の定義の違いと具体例

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