天動説とはなにか?①古代ギリシアの三つの天動説、エウドクソスの同心天球とアポロニウスの周転円とヒッパルコスの離心円

天動説とは、一言でいうと、

人間が住んでいる地球が宇宙の中心にあって太陽や月や星といったほかの天体たちがその周りをまわっているとする天文学における地球中心説のことを意味する言葉であると考えられることになります。

それでは、こうした天動説と呼ばれる天文学的な理論は、それが近代におけるコペルニクスによる地動説の発見と、その後のニュートンによる近代物理学の確立によって学問的には完全に否定されるに至るまでの

古代から中世までの人類の歴史の流れの中において、具体的にどのような形で発展していくことになったと考えられるのでしょうか?

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古代ギリシアの天文学者エウドクソスによる天動説の理論の提唱

人類の歴史において、太陽や月やそのほかの星々といった天体の運行のあり方を天文学的な理論として明確に体系化していくようになったのは、古代ギリシアの時代であると考えられていて、

そのなかでも天動説と呼ばれる天文学的な理論は、紀元前4世紀古代ギリシアの数学者にして天文学者でもあったエウドクソス(Eudoxosによって、はじめて明確な形で提唱されたと考えられることになります。

エウドクソスは、天体の運行の中心は地球にあると捉えたうえで、そうした地球の周りを地球を中心として同心円状に広がる複数の天球が取り囲むことよって調和のとれた天体の運行がもたらされていくことになるとする

地球を中心とする同心天球からなる重層的な天球によって構成される天動説の理論を提唱していくことになるのです。

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アポロニウスの周転円とヒッパルコスの離心円に基づく二つの天動説の学説

そして、その後、

紀元前3世紀になると同じく古代ギリシアの数学者にして天文学者でもあったアポロニウスApolloniusによって、エウドクソスとは少し趣の異なった天動説の理論が提示されていくことになり、

アポロニウスは、地球の周りをまわっている星々は、地球を中心とする天球上を単なる円運動によって周回しているわけではなく、そうした大きな円運動の軌道上にある従属的な小さな円である周転円の軌道上を動いていると考えることによって、

エウドクソスの天動説におけるシンプルな同心天球的な天動説の理論においてはうまく説明することができなかった複雑な天体の運動のあり方を説明する新たな天動説の理論を提唱していくことになります。

また、さらにその後、

紀元前2世紀の時代になると、同じく古代ギリシアの数学者にして天文学者でもあったヒッパルコス(Hipparchosによって、

現在のトルコの北部にあたるビチュニアやロードス島で行われた緻密な天体観測を通じて、それまでの天動説の理論においてはうまく説明することができないより複雑で不規則的な天体の運行のあり方が明らかになっていくことになり、

ヒッパルコスは、そうした天動説における天体の不規則な運行のあり方をうまくつじつまを合わせて説明していくために、新たに離心円と呼ばれる概念を導入していくことになります。

そして、こうしたヒッパルコスの天動説においては、

天体の大部分は地球を中心とした円軌道を描いて運行しているものの、太陽や月といった特別な天体は地球から少し離れた点を中心とする離心円上を動くと定義されることによって、

エウドクソスを起源とする古代ギリシアにおける天動説の理論にさらなる修正が加えられていくことになるのです。

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以上のように、

こうした天動説と呼ばれる学説の大本の源流は、エウドクソスアポロニウスヒッパルコスといった三人の人物に代表されるような

古代ギリシアの時代における数学者や天文学者たちが導き出した数学的な天文学理論のうちに求められることになります。

そして、具体的には、

紀元前4世紀エウドクソスによって提唱された地球を中心とする重層的な同心天球の構造からなる天動説の理論が基礎とされたうえで、その後、

紀元前3世紀アポロニウスによる周転円と、
紀元前2世紀ヒッパルコスによる離心円と呼ばれるより複雑な天体の運行を説明していくための新たな概念の導入が進められていくことによって、

その後のプトレマイオスによる精密な天動説の理論体系の完成へとつながる学問上の土台が形づくられていくことになったと考えられることになるのです。

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次回記事:天動説とはなにか?②アリストテレスからプトレマイオスそしてスコラ哲学へと至る古代から中世における天動説の系譜

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