古代オリンピックを最初に主催した人物とは？古代ギリシアのオリンピア祭の起源を神話の時代にまで遡ることができる理由
古代オリンピックは、ギリシア南部のペロポネソス半島に位置するエリス地方における古代都市の一つであったオリンピアにおいて行われていた古代ギリシアにおけるオリンピア祭にその起源が求められることになると考えられることになり、
そうした古代ギリシアにおける歴史上の記録に基づく第一回のオリンピア祭は紀元前776年にはじまったとされることになるのですが、
その一方で、
こうした古代ギリシアにおけるオリンピア祭の起源そのものは、そうした歴史上の記録においてオリンピア祭と呼ばれる神へと捧げられる競技大会がはじまったとされる紀元前776年よりもさらに前の時代へとその大本の起源をたどっていくことができるとも考えられることになります。
エリスの王イピトスとオリンピア祭の起源となるデルポイの神託
そうすると、まず、
こうした古代ギリシアにおけるオリンピア祭と呼ばれる神へと捧げられる競技の大祭を最初に主催した人物としては、
当時、この祭が行われていた古代都市オリンピアを統治していたとされているエリスの王イピトス（Ιφιτος）の名が挙げられることになります。
そして、
古代ギリシアのエリスの王であったイピトスは、
同じギリシア人の一派であるドーリア人の侵略によってもたらされたギリシア各地の戦乱と疫病による国土の荒廃から人々を救済していくために、
ギリシア中央部に位置するデルポイのアポロン神殿まで赴き、この地で神の言葉とされる神託を受けることによって、
そうしたデルポイの神託の言葉に従って自らが統治するオリンピアの地においてオリンピア祭を開催していくことなったと語り伝えられているのです。
デルポイの神託におけるオリンピア祭の復興を意味する文言
そして、
こうした古代ギリシアにおけるオリンピア祭を最初に主催した人物として位置づけられることになるエリス王イピトスが受けたとされるデルポイの神託の文言は、
具体的には以下のような言葉であったとされることになります。
「ヘラスの地に平和がもたらされるためには、イピトス王とそのもとにあるエリスの人々は、オリンピア祭を復興させ、その名のもとに神聖なる停戦を宣言しなければならない。」
つまり、
こうしたイピトスが受けたデルポイの神託の言葉においては、
ヘラスの地、すなわち、古代ギリシア人のことを意味するヘレネスが集うギリシアの大地に平和がもたらされるためには、
かつて長く行われいて、いまでは途絶えてしまったオリンピア祭を再び開催しなければならないということが語られていると考えられることになります。
そして、そういった意味では、こうしたデルポイの神託の文言に基づくと、
古代ギリシアのエリスの王イピトスによってその端緒が開かれたとされている紀元前776年の歴史上の記録における第一回のオリンピア祭に先立って、
そうした歴史上の記録が存在しないそれよりもはるか昔の時代に、すでに、古代ギリシアにおいては、オリンピア祭と呼ばれる神へと捧げられる競技の大祭の原型となるような祭りごとが行われていたと考えられ、
こうした古代ギリシアにおけるオリンピア祭、そして、古代オリンピックの起源については、
そうした歴史上の記録が存在するはるか以前のいわば神話の時代とも言える時にまでその大本の起源をさかのぼっていくことができるということが示唆されているとも考えられることになるのです。
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