日食とは何か?①英語やフランス語における日食の意味とその語源となったギリシア語とラテン語における二つの言葉とは?
日食とは、一言でいうと、地球から見て太陽が月の背後へ隠れてしまうことによって、そうした地球からの観測においては太陽の姿が見えなくなってしまう天体現象のことを意味する言葉として定義されることになりますが、
今回の記事では、
英語やフランス語といったヨーロッパの言語、あるいは、そうした現代のヨーロッパ諸国の言語の土台となったギリシア語やラテン語などの古典言語においては、
もともと具体的にどのような意味と由来を持つ言葉が、そうした日食のことを意味する言葉として用いられていくようになっていったと考えられることになるのか?といったことについて詳しく考えていってみたいと思います。
英語やフランス語において日食のことを意味する表現とは?
そうすると、まず、
日本語における日食や日蝕のことを意味する表現としては、
英語においては、solar eclipse(ソーラー・イクリプス)、
フランス語においては、éclipse solaire(エクリプス・ソレール)
といった言葉がそれぞれ用いられることになります。
そして、
こうした英語におけるsolar(ソーラー)と、フランス語におけるsolaire(ソレール)という単語はそれぞれ「太陽」のことを意味するのに対して、
英語におけるeclipse(イクリプス)、そして、フランス語におけるéclipse (エクリプス)という単語の方が、日本語において「食」や「蝕」と呼ばれる天体現象のことを意味する言葉にあたると考えられることになるのです。
ギリシア語とラテン語において日食のことを意味する二つの言葉
そして、
こうした英語やフランス語におけるeclipse(イクリプス)やéclipse (エクリプス)といった言葉は、もともと、古代ギリシア語におけるἔκλειψις(エクレープシス)という単語に由来する言葉であると考えられ、
こうした古代ギリシア語におけるἔκλειψις(エクレープシス)という単語は、もともと、「消失」や「消滅」といった意味を表す言葉であったと考えられることになります。
また、
ヨーロッパにおけるもう一つの古典言語にあたるラテン語においては、日食のことを意味する表現としては、defectio solis(デフェクティオ・ソリス)という言葉が用いられることになるのですが、
こうしたラテン語におけるdefectio(デフェクティオ)という言葉は、もともと、「衰弱」や「欠乏」さらには「背信」や「謀反」のことを意味する言葉であったと考えられることになるのです。
・・・
そして、そういった意味では、
日本語における日食や日蝕といった言葉が、そうした漢字自体の意味の通り、太陽の姿が虫に食われていくように少しずつ欠けていくことによって最後には消えたように見えなくなってしまうといったことを意味していると考えられるのと同様に、
こうした英語やフランス語といったヨーロッパの言語、さらには、そうした現代のヨーロッパ諸国の言語の土台となったギリシア語やラテン語といった古典言語においても、
こうした日食と呼ばれる天体現象は、 地球からの観測において太陽の姿が少しずつ欠けていくことによってその姿が一時的に消失してしまうという
太陽と呼ばれる天球の中心に位置づけられる天体の衰亡と消失のことを意味する現象として捉えられていたと考えられることになるのです。
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次回記事:日食とは何か?②太陽と地球と月の三つの天体の位置関係と太陽の姿がすべて隠れる完全な日食としての皆既日食の定義
前回記事:春の三日月と秋の三日月の違いとは?春の三日月が横に寝ていて秋の三日月が縦に立っているように見える具体的な理由のまとめ
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