日食とは何か?②太陽と地球と月の三つの天体の位置関係と太陽の姿がすべて隠れる完全な日食としての皆既日食の定義

前回の記事で書いたように、日本語における日食日蝕といった言葉は、太陽の姿が虫に食われていくように少しずつ欠けていくことによって最後には消えたように見えなくなってしまうという天体現象のことを意味していると考えられ、

こうした日食と呼ばれる天体現象は、英語やフランス語、さらには、ギリシア語やラテン語といった言語においても、もともとは、

地球からの観測において太陽の姿少しずつ欠けていくことによってその姿が一時的に消失してしまうという天体としての太陽衰亡と消失のことを意味する現象として捉えられていたと考えられることになるのですが、

それでは、

こうした日食と呼ばれる太陽の姿一時的に消失してしまうように見える天体現象は、太陽と地球と月という三つの天体のそれぞれが具体的にどのような位置関係に並ぶことによって引き起こされていくことになる現象であると考えられることになるのでしょうか?

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日食における太陽と月と地球の三つの天体の位置関係

日食における太陽と月と地球の位置関係

そうすると、まず、一言でいうと、

こうした日食と呼ばれる現象は、太陽と月と地球がこの順番において一直線に並んでいる時に観測されることになる天体現象であると考えられることになります。

そして、上記の図において示したように、

こうした三つの天体の位置関係においては、地球上からの観測において、太陽の姿月の背後へと隠れてしまうことによって、太陽が空に昇っているはずの昼間の時間帯であっても、地球上へと太陽の光が届かなくなってしまうことになり、

それによって、

地球上の観測地点においては、太陽が昇っているはずの昼の時間帯において、太陽の姿月の姿も見えなくなる暗闇に包また時間が過ぎていくことになると考えられることになるのです。

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太陽の姿がすべて隠れる完全な日食としての皆既日食の定義

そして、

こうした日食と呼ばれる天体現象は、詳しくはまた次回の記事でも取り上げていくように、太陽の姿がすべて隠れることになる皆既日食と、太陽の姿が一部だけ隠れることになる部分日食といった互いに異なる日食のあり方へと区分されていくことになるのですが、

このうち、地球からの観測において、太陽の姿一時的に消失してしまったかのように完全に見なくなる完全な日食としての皆既日食は、

上記の図において示したように、

地球が太陽と月を結ぶ直線上に位置している時に、さらに、太陽の光を完全に遮ってしまうことになる地球上へと落とされた月の濃い影の領域の内へと入っていくことになる極めて狭い地域においてのみ観測される天体現象であると考えられることになります。

つまり、そういった意味では、

こうした太陽の姿一時的に消失してしまったかのように完全に見えなくなってしまう現象にあたる完全な日食としての日食のあり方は、

太陽と月と地球とがこの順番で一直線に並んだ状態にあって、なおかつ、地球上の観測地点がそうした太陽と月を結ぶ直線上の月の影となるスポットに入っている状態にある時においてのみ観測されることになる極めて稀な天体現象として定義することができると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:皆既日食と部分日食の違いとは?太陽による月の影との具体的な位置関係と三つの主要な特徴の違い

前回記事:日食とは何か?①英語やフランス語における日食の意味とその語源となったギリシア語とラテン語における二つの言葉とは?

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