エアロゾル感染の物理学に基づく具体的な定義と飛沫感染や飛沫核感染との違い

ウイルスなどの病原体呼吸器を介した感染経路としては、通常の場合、飛沫感染空気感染(飛沫核感染)と呼ばれる二つの感染形態が挙げられることになりますが、

その他にも、こうした飛沫感染飛沫核感染という二つの感染形態の中間に位置づけることができるような感染経路のあり方としてエアロゾル感染と呼ばれる感染形態についての言及がなされることもあります。

それでは、こうしたエアロゾル感染と呼ばれる感染形態のあり方はより具体的にはどのような特徴を持った感染形態であると考えられることになるのでしょうか?

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エアロゾル感染の物理学における具体的な定義と飛沫核感染との違い

そうすると、まず、

エアロゾル感染という疫学用語に用いられているエアロゾルという言葉は、そもそも、物理学の分野において、空気中に分散した状態で浮遊している固体または液体の微粒子のことを意味する概念として定義されることになります。

そして、

こうしたエアロゾルの種類は大きく分けて、微粒子が乾燥して水分を含まない状態にある乾燥エアロゾルと、水などの水分を含んでいる状態にある湿性エアロゾルに分類されることになるのですが、

このうち、

前者の乾燥エアロゾルには、飛沫から水分が蒸発してできた乾燥した微粒子にあたる飛沫核も含まれることになるので、

そういった意味では、

飛沫核感染と呼ばれる感染形態は、飛沫から水分が蒸発して直径5マイクロメートル以下の大きさになった乾燥エアロゾルの一種である飛沫核を介して感染が広がっていく感染形態として定義することができると考えられることになります。

そして、それに対して、

エアロゾル感染と呼ばれる言葉が、ウイルスや細菌などの病原体の一般的な感染経路にあたる飛沫感染飛沫核感染区別されて用いられる場合には、

飛沫から分離した微粒子のなかでも飛沫核のように完全に水分が蒸発しきってはいない直径5マイクロメートル以下の微粒子

より正確に言えば、

物理学においてエアロゾルと呼ばれている物質の状態のなかでも、飛沫から分離した水分を含む微細な粒子としての湿性エアロゾルを介して感染が広がっていく感染形態のことを意味する言葉として用いられていると解釈することができると考えられることになるのです。

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飛沫感染とエアロゾル感染と飛沫核感染の違いのまとめ

そして、以上のように、

こうしたエアロゾル感染と呼ばれる感染形態と、飛沫感染飛沫核感染といった呼吸器系の感染症におけるその他のより一般的な感染形態のあり方との具体的な特徴の違いについて、

一言でまとめると、

飛沫感染は、咳やくしゃみによって飛び散る直径5マイクロメートル以上の大きさを保った状態にある水分を含んだ体液の粒子によって感染が広がっていく感染形態のことを意味するのに対して、

エアロゾル感染は、飛沫から分離して直径5マイクロメートル以下の大きさになった水分を含む微細な粒子としての湿性エアロゾルを介して感染が広がっていく感染形態、

飛沫核感染は、飛沫から水分が蒸発して直径5マイクロメートル以下の大きさになった乾燥エアロゾルの一種である飛沫核を介して感染が広がっていく感染形態として定義することができるという点に、

こうした飛沫感染エアロゾル感染飛沫核感染という三つの感染経路における主要な特徴の違いがあると考えられることになるのです。

・・・

次回記事:エアロゾル感染の三つの感染経路のパターンとは?気管挿管などの医療行為と換気の悪い密閉空間とマンションの下水管

前回記事:飛沫と飛沫核の違いとは?粒子の大きさの区分とエアロゾルとの関係

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