中国よりも韓国に対して渡航制限を行うのが新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために現在の状況では必要な理由

この一週間、日本を含む世界各地新型コロナウイルスの感染拡大が進んでいくなかで、改めて、1月の後半の段階でこのウイルスの感染拡大の発祥地となった武漢を含む湖北省だけに限定せずに、

中国全土に対して渡航制限を行うという強い決断を下すことができなかった日本政府の政治判断の遅れに対する批判が高まっている。

そして、そうした一連の政府批判の流れを受けて、現在の状況においても、今からでも中国全土に対して全面的な渡航制限をかけるべきだとする意見も根強く主張されているが、

筆者の意見としては、現時点においては、むしろ中国全域よりも韓国全域に対して渡航制限をかけることが急務となっていると考える。

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一か月前の武漢と現在の韓国の新型コロナウイルス感染者数の対比

韓国においてパンデミック(正確な用語としてはアウトブレイク)が始まった直前の時期と考えられる218日から現在までの期間における新型コロナウイルスの感染者数の推移を見ていくと以下のようになる。

2月18日:31人
2月19日:58人
2月20日:111人
2月21日:209人
2月22日:436人
2月23日:602人
2月24日:833人
2月25日:977人
2月26日:1261人
2月27日:1766人
2月28日:2337人
229日:3150人(午後5時現在)

そして、この感染者数の推移をこの記事を執筆している2020年2月29日から見てちょうど1か月前の日に当たる129までの中国の武漢を含む湖北省における感染者数の推移と照らし合わせてみると以下のようになる。

1月18日:45人
1月19日:62人
1月20日:198人
1月21日:270人
1月22日:444人
1月23日:584人
1月24日:768人
1月25日:1011人
1月26日:1330人
1月27日:1749人
1月28日:2302人
129日:3028

ちなみに、この129という日付は、中国の武漢で都市封鎖が行われた123から数えてちょうど7日目の日にあたる。

つまり、端的に言えば、

現在の韓国における新型コロナウイルスの感染拡大の様相は、ちょうど都市封鎖がされて日本からも渡航中止勧告と入国制限が課されていた一か月前の武漢まったく同じ状況なのである。

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韓国に対して渡航制限を行うのが急務と考えられる理由

韓国の感染拡大の中心地となっている大邱(テグ)市の面積は884 km2であるのに対して、中国の武漢市市区の面積1557 km2

韓国全土の総面積は100,339km2であるのに対して、

中国の湖北省の総面積は185,900 km2である。

このように、面積として見た場合、大邱武漢よりも小さく、韓国湖北省よりも小さい。

つまり、現在の状況においては、現在の大邱一か月前の武漢であり、現在の韓国一か月前の湖北省と同じ状況にあるということである。

もちろん、日本は韓国と比べて検査数自体がかなり少ないことから、日本国内においても韓国と同程度とは言えないまでも、実際に報告されている以上深刻な感染者数が隠れているのではないか?という見えないことに対する強い不安感はあるとは言える。

(ただし、この点については、「新型コロナウイルスのウイルス検査数を過度に増やすと感染爆発を誘発する三つの理由」で書いたように、軽症者への過度な検査を実施することによって生じる医療崩壊や、検査を行く際の感染リスク、偽陰性による感染拡大といった弊害を避けるためにあえて検査数を抑制しているという面もある)

しかし、

韓国の場合には、目に見える範囲で深刻な感染拡大が広がっていることがすでに確認されている以上、その危機に対応するために日本の側で必要な措置を講じることは必要不可欠な急務であると考えられる。

すでに現在の状況では、

韓国の側からも日本全域に対して、旅行留意という低いレベルではあるが渡航への注意勧告が出されている。

したがって、

現時点において、感染拡大の中心地となっている大邱(テグ)だけにとどまらず韓国全域に対して、少なくとも全部で四段階のうちの上から二番目の措置にあたる渡航中止勧告と渡航制限を課すことは、

一月末の時点において実際には行うことができなかった中国全土への渡航中止勧告と渡航制限の措置と比べても十分に実行可能なことのように思われる。

・・・

次回記事:韓国への渡航制限と渡航中止勧告が急務である理由、新型コロナウイルスに対する日本とアメリカの現時点での対外対応の違い

前回記事:全国一斉休校の要請が危機管理と防衛戦略の観点から見て新型コロナウイルスの感染拡大防止のために適切である理由

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