聖なる炎を司るヘスティアとウェスタというギリシア神話とローマ神話における二柱の女神の関係とオリンピック聖火の採火式

オリンピックの聖火の起源となったとも考えられている古代ギリシアにおける神聖なる炎についての思想の由来となったギリシア神話の物語としては、天界から火を盗んで人間に与えたとされているプロメテウスの物語が有名ですが、

こうしたギリシア神話における神聖なる炎に関わる物語としては、そのほかにもう一つ、竈の女神ヘスティアの物語が挙げられることになると考えられることになります。

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ギリシア神話における女神ヘスティアと天界に燃える聖なる炎

そうすると、まず、

こうしたギリシア神話における女神の名としても用いられているヘスティア(στίαとは、もともとは、古代ギリシア語において「竈(かまど)」「暖炉(だんろ)」のことを意味する言葉であったと考えられ、

こうしたギリシア神話におけるヘスティアという女神は、その名の通り、天界の中心部に燃えている永遠なる生ける炎を守る役目を担っていた聖なる炎を司る竈の女神として位置づけられる存在であったと考えられることになります。

そして、

ギリシア神話の物語のなかでは、こうしたヘスティアと呼ばれる女神は、オリュンポスの神々が生まれる前に天空を支配していたとされている古代の神であるクロノスレアの間に生まれた女神であるとされていて、

彼女の父にあたるクロノスは、自分の子供によって自らが持つ天空の支配権が奪われることを恐れて、妻であるレアとの間に生まれた子供を生まれた先からすぐに飲み込んでしまうことになります。

そして、

クロノスは、まず、最初に生まれた娘であったヘスティアを飲み込み、その次にデメテルヘラ、そして、それに続いてのちに冥界の王となるハデスと、海の神ポセイドンを飲み込んだ後に、のちに父であるクロノスを倒して天界の王の座につくことになるゼウスが生まれることになったとされているので、

こうしたヘスティアと呼ばれる女神は、そうしたゼウスポセイドンハデスという天界冥界という三つの世界を司る神々の一番上の姉にあたる存在としてオリュンポス十二神の一柱としても数え上げられている非常に重要な立場にある女神であったと考えられることになるのです。

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古代ローマにおけるウェスタの巫女と現代のオリンピックにおける採火式との関係

そして、その後、

こうしたギリシア神話における竈の女神であったヘスティアは、ローマ神話において登場する竈と炉の女神であったウェスタ(Vestaとも同一視されていくなかで、

古代ギリシア世界だけではなく、古代ローマの世界においても崇拝の対象として位置づけられていくことになっていきます。

そして、古代ローマにおいては、

こうしたギリシア神話におけるヘスティアと同一視された女神ウェスタの神殿に仕える巫女たちはウェスタの巫女またはウェスタの乙女と呼ばれていて、

彼女たちのたちの最たる務めは、神殿の中央で燃えている神聖なる永遠の炎を絶やすことがないように守り続けることにあったと考えられることになるのです。

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そして、以上のように、

こうしたギリシア神話におけるヘスティアと、ローマ神話におけるウェスタと呼ばれる聖なる炎を司る二柱の女神たちの神話に基づいて、

現代のオリンピックにおいても、オリンピックの聖火は、古代のオリンピックが行われていたギリシアの古代都市オリンピアにおける女神ヘラの神殿の跡地において、

そうした竈と炉の女神にあたるヘスティアまたはウェスタと呼ばれる古代の女神を祀る巫女の姿をした11人の女性たちが、太陽からの光を一点に集めた凸面鏡トーチをかざすことによって、聖なる炎採火式が行われることになっていると考えられることになるのです。

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次回記事:オリンピックの聖火が太陽光から採火される理由とは?古代ローマのウェスタの神殿の炎の再点火における神聖性の回復

前回記事:オリンピックの聖火とプロメテウスとの関係とは?天界からの火の窃盗とヘラの神殿に捧げられた神聖なる炎

 

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