子午線と卯酉線の具体的な意味と由来とは?十二支の動物を語源とする天球上における子午線と卯酉線の定義と位置関係
子午線と言うと、例えば、「日本標準時の基準となる子午線は、兵庫県明石市を通る東経135度の子午線である」というように、
通常の場合は、地球上における北極と南極を結ぶ線、すなわち、経線のことを意味することになると考えられることになりますが、
もともと、
こうした子午線(しごせん)という言葉は、その対となる言葉にあたる卯酉線(ぼうゆうせん)と共に、
地球から観測において夜空に輝く星々が位置づけられていくことになる天球上における天体の位置や方角を計るときの基準となる線、すなわち、天球上における天体の方角の基準線のことを意味する言葉であったと考えられることになります。
それでは、
こうした天球上における方角の基準線として位置づけられことになる子午線と卯酉線という二つの線は、天文学の分野においては、それぞれ具体的にどのような意味と由来を持つ基準線として位置づけられていると考えられることになるのでしょうか?
子午線と卯酉線の具体的な意味と由来と十二支の動物との関係
そうすると、まず、
詳しくは、「十二支と東西南北の方位との対応関係」の記事で書いたように、子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥という十二の動物たちの姿によって象徴される十二支と天球上における東西南北の方位との関係においては、
北は十二支の子(ねずみ)が司る方位、東は十二支の卯(うさぎ)が司る方位、南は十二支の午(うま)が司る方位、西は十二支の酉(とり)が司る方位としてそれぞれ位置づけられていくことになります。
そして、
こうした天球上における北と南の方位を司ることになる子と午、そして、東と西の方位を司ることになる卯と酉は、
それぞれ、漢語においては、子(し)と午(ご)、そして、卯(ぼう)と酉(ゆう)と発音されることになるので、
以上のような経緯から、上記の図において示したように、
地球上における観測地点のちょうど真上の天球上の地点にあたる天頂と天の北極と天の南極とを通る天球上の大円にあたる線が、十二支における子と午を結ぶ線という意味で子午線と呼ばれることになるのに対して、
それと同様に、そうした天球における子午線と直交する角度で交わることになる天頂と東と西の方位とを通る天球上の大円にあたる線が、十二支における卯と酉を結ぶ線という意味で卯酉線と呼ばれることになっていったと考えられることになるのです。
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