しだれ桜の具体的な特徴と分類される代表的な桜の種類とは?糸桜という別名の由来とエドヒガンの変種として位置づけ
前々回の記事で書いたように、様々な桜の種類のなかには、八重桜と呼ばれる花びらが幾重にも折り重なっていくという特殊な花の咲き方をする桜の品種も存在すると考えられることになるのですが、
こうした八重桜と同様に、特殊な花の咲き方をすることで有名な桜の種類の分類のあり方としては、そのほかにも
しだれ桜と呼ばれる枝先がやわらかく垂れ下がって一面に小ぶりな花を数多くつけていく花の咲き方をする桜の品種の存在も挙げられることになります。
今回の記事では、
そうしたしだれ桜と呼ばれる特殊な桜の花の咲き方をする桜の品種の具体的な特徴と開花時期、そして、しだれ桜に分類されることになる代表的な桜の品種といったことについて詳しく考察していきたいと思います。
シダレザクラの具体的な特徴と糸桜という別名の由来とは?
まず、冒頭でも述べたように、
しだれ桜(枝垂れ桜)とは、その名の通り、枝先がやわらかく垂れ下がって一面に小ぶりな花を数多くつけていく花の咲き方をする桜の品種の総称としても広く用いられている言葉であると考えられることになるのですが、
その一方で、
特定の桜の品種のことを指して、こうしたシダレザクラ(枝垂れ桜)という言葉が用いられる場合には、それは主に、
エドヒガン(江戸彼岸)と呼ばれる桜の種類の変種の一種として分類されるやわらく垂れ下がった枝先に淡紅白色をした直径2cmほどの小さな花を一面に咲かせていく桜の品種のことを意味する場合が多いと考えられることになります。
そして、
こうしたシダレザクラ(枝垂れ桜)と呼ばれる桜の品種において見られる下へとやわらかく伸びていく細い小枝に咲く小さな白い花たちは、遠目で見ると、樹木からが幾重にも白い糸が垂れ下がっているようにも見えるため、
別名では糸桜(イトザクラ)という名前でも呼び慣わされていると考えられることになります。
ちなみに、
こうしたシダレザクラ(枝垂れ桜)と呼ばれる桜を生み出す母体となったエドヒガン(江戸彼岸)と呼ばれる桜の種類は、
春になると細い小枝の先に、新葉が芽吹いていく前に淡紅白色の花を咲かせていくことを特徴とする3月中旬から4月ごろにかけて開花時期を迎えていく桜の種類として位置づけられることになるのですが、
シダレザクラ(枝垂れ桜)も、そうした自らの母体となったエドヒガン(江戸彼岸)と同様に、ヤマザクラやソメイヨシノといった日本を代表する桜たちが開花時期のピークを迎えていく3月下旬から4月ごろの時期よりも少し前の3月の中旬ごろから美しい淡江白色の花を咲かせていくことになると考えられることになるのです。
しだれ桜に分類されるその他の代表的な桜の品種とは?
また、
こうしたしだれ桜(枝垂れ桜)と呼ばれる桜の分類のあり方を、前述したようなエドヒガンの一変種にあたる特定の桜の品種のことを意味する言葉としてではなく、冒頭でも述べたような枝先がやわらかく垂れ下がって一面に小ぶりな花を数多くつけていく花の咲き方をする桜の品種の総称として捉えた場合には、
こうした枝垂れ桜に分類される代表的な桜の品種としては、前述したエドヒガンの変種の一種にあたる淡紅白色の花を咲かせることを特徴とするシダレザクラのほかにも、
ベニシダレ(紅枝垂)と呼ばれる濃い紅色の花を咲かせることを特徴とする枝垂れ桜に分類される桜の品種や、
キヨスミシダレ(清澄枝垂)と呼ばれる千葉県にある清澄寺に原木があることからその名がついた美しい白色の花を咲かせることを特徴とする枝垂れ桜の品種、
さらには、
そうした枝垂れ桜と八重桜という二つの特殊な桜の花の咲き方の特徴を両方ともあわせ持った
ヤエベニシダレ(八重紅枝垂)と呼ばれる八重咲きの濃い紅色の花を咲かせることを特徴とする枝垂れ桜に分類される桜の品種の名前などが挙げられることになると考えられることになるのです。
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次回記事:ソメイヨシノが人為的な繁殖手段でしか子孫を残せない具体的な理由とは?虫媒花ならぬ日本人媒花としてソメイヨシノの存在
前回記事:八重桜に雌しべと雄しべはあるのか?挿し木や接ぎ木を用いたクローン植物としての八重桜の繁殖と花弁化の頻度の差異
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